分数式が収束するための必要条件

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一見すると,\ 左辺の極限値を求めて$=(右辺)$とすればよさそうである. しかし,\ 実際には極限値が求まらず,\ 必要条件から攻めることになる. そのときに基礎となるのは,\ 以下の事実である.\ $α,\ β,\ γ$を定数とする. $のとき,\ $q$は$p$であるための必要条件なので,\ 以下の結論が得られる. ${a_n}{b_n}$と分母$b_n$が収束する}ための必要条件}:分子$a_n$が収束する.} ${a_n}{b_n}$が0以外に収束,\ 分子$a_n$が収束する}ための必要条件}:分母$b_n$が収束する.} $’$\ ${a_n}{b_n}$が収束,\ 分母$b_n$が0に収束する}ための必要条件}:分子$a_n$が0に収束する.} $’$\ ${a_n}{b_n}$が0以外に収束,\ 分子$a_n$が0に収束する}ための必要条件}:分母$b_n$が0に収束する.} 逆の「分子$a_n$が収束$\ {a_n}{b_n}$が収束」などは成り立たないので十分条件ではない. \ これらは結論だけ覚えるのではなく,\ 最初に示した途中過程も理解しておくべきである. 分子が収束することが必要}である. ∞-∞の不定形なので,\ 基本通り有理化し,\ さらに分母の最高次の項nで分母・分子を割る. このとき,\ 不定形ではないbを分離して有理化すると計算が楽になる. 分母が収束するから分子の収束が必要で,\ そのためにはa²-1=0が必要である. さらに,\ a0のとき-∞-∞=-∞となるから,\ a>0であることも必要である. こうしてaの候補がただ1つに絞られ,\ 代入して極限値を求めると十分条件である. 仮にa>0として絞り込めなくても,\ a=-1をに代入してみると直ちに不適であることがわかる. \ 分母が0に収束することが必要}である. 分母が0に収束することが必要}である. 基本通り変形していくと分子が0に収束するとわかるので,\ 分母も0に収束することが必要である. 分子が0に収束,\ 分数式が1に収束するためには,\ 00の不定形になるしかないというわけである. a=2は,\ 3段目の式に代入しても00の不定形になるので,\ に代入して極限値を求める. 最初に分母の最高次の項nで分母分子を割ると,\ 少しだけ簡潔に求められる(別解).