特段の工夫無く求めることも可能だが,\ 素早く簡潔に求める方法を習得してほしい.
y=f(x)上の点(a,\ f(a))における接線の方程式は y=f'(a)(x-a)+f(a)
囲まれた部分の面積を求めるには,\ 3次関数と接線の接点以外の共有点を求める必要がある.
方程式x^3-3x-2=0は,\ 「接する⇔ 重解」}を利用すると素早く解くことができる.
y=x^3-2xとy=x+2はx=-\,1で接するから,\ x^3-3x-2はx=-\,1を重解にもつ.
よって,\ x^3-3x-2=(x+1)^2(x+p)のように因数分解できるはずである.
さらに,\ 左辺の定数項は-2で右辺の定数項はpなので,\ p=-\,2であることがすぐにわかる.
3次方程式の解と係数の関係}を利用することもできる.
ax^3+bx^2+cx+d=0の3解を\,α,\ β,\ γ\,とすると α+β+γ=- ba
x=-\,1を重解にもつから,\ 他の解を\,α\,とすると (-\,1)+(-\,1)+α=0 ∴\ \ α=2
同時に,\ 被積分関数が(x+2)-(x^3-2x)=-\,(x+1)^2(x-2)と変形できることもわかる.
左辺のx^3\,の係数は-1で,\ (x+1)^2(x-2)のみだとx^3\,の係数が1となるため,\ -\,1を掛けている.
結局,\ 3次関数と接線の間の面積は,\ 必ず\ ∫{α}{β}(x-α)^2(x-β)\,dxに帰着する.}
この定積分計算は,\ (x-α)で展開して求める}と簡潔に済むのであった.
本問の場合,\ x-2=(x+1)-3と変形し,\ (x+1)を1つのカタマリとみて展開する.
あとは,\ 公式\ ∫{}{}(x-α)^n\,dx=(x-α)^{n+1{n+1}+C\ を用いると素早く面積を求められる.
本問の図は,\ (-\,1,\ 1)で接していることと(2,\ 4)で交わっていることが認識できる程度でよい.
増減表を作成する必要はない.\ 3次関数のグラフの概形を覚えておくことが前提である.
3次関数とx軸の交点がx=0,\ ±√2\,であることも考慮するとより正確に図示できる.
\end{array\right]$ \\
途中で登場する定積分に関しては,\ 以前以下の公式を取り上げた.
記述試験で無断使用してよいかは微妙なので,\ 検算用と考えておくのが安全である.
さらに一般化すると,\ 裏技公式が導かれる.
y=ax^3+bx^2+cx+dとy=mx+nがx=α\,で接し,\ x=β\,で交わるとする.
関数の上下関係や\,α\,と\,β\,の大小関係が不明な場合も想定し,\ 絶対値をつけて計算すると以下となる.
S=∫{α}{β}\{(mx+n)-(ax^3+bx^2+cx+d)\}\,dx}=-\,a∫{α}{β}(x-α)^2(x-β)\,dx}=a\vphantom b}{12}(β-α)^4}
特に,\ α<β\,のとき S= a}{12}(β-α)^4
本項までの\, a6,\ a3,\ a}{12}\,公式シリーズとは異なり,\ 本項の\,a}{12}\,公式は4乗}であることに注意する.