2次関数と直線の間の面積と裏技a/6公式①

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面積を求める時に必要になるのは関数の上下関係や共有点なので,\ 頂点を求める必要はない. 本問は,\ 上がy=x+1であることと交点のx座標がx=-\,1,\ 2であることさえわかればよい. 面積を求めるとき,\ 上の関数から下の関数を引いたものを定積分するのであった. 本問の場合,\ (x+1)-(2x^2-x-3)を積分区間-1≦ x≦2で定積分することになる. さて,\ この定積分計算をいかに行うかが積分分野の最重要事項}である. もちろん,\ 普通に∫{-1}{2}(-\,2x^2+2x+4)\,dxとして定積分計算して求めることもできる. しかし,\ これは本質的な計算方法ではなく,\ 後の応用問題には通用しない. 今後の学習を見据えると,\ 16\,公式を利用する計算方法の習得が必須}となる. 共有点は,\ (x+1)-(2x^2-x-3)=0\ ・・・\,①を計算することにより,\ x=-\,1,\ 2となる. 一方,\ 被積分関数は(上)-(下)=(x+1)-(2x^2-x-3)で,\ ①の左辺と一致している. よって,\ 被積分関数は次のように因数分解形に\dot{瞬}\dot{時}\dot{に}変形}できる.  (x+1)-(2x^2-x-3)=-\,2(x+1)(x-2)}  (係数の-2を忘れない) f(x)=0がx=-\,1,\ 2を解にもつことは,\ f(x)がx+1とx-2を因数にもつことだからである. (x+1)(x-2)のx^2\,の係数は1なので,\ -\,2を掛けて両辺のx^2\,の係数を一致させている. とにかく,\ 以下のような途中計算をせずとも因数分解形にできる}わけである.  (x+1)-(2x^2-x-3)=-\,2x^2+2x+4=-\,2(x^2-x-2)=-\,2(x+1)(x-2) 因数分解形にすると,\ 16\,公式\ ∫{α}{β}(x-α)(x-β)\,dx=-16(β-α)^3\,が適用できる. こうして,\ 面倒な定積分計算を一切することなく2次関数と直線間の面積が求められる.} 共有点のx座標が鬱陶しい値になるほど,\ 16\,公式を利用することの重要さが際立ってくる. 上の解答で示した記述は必要最低限}と考えてほしい. いきなり 記述試験で無断使用可能なのは,\ 16\,公式\ ∫{-1}{2}(x+1)(x-2)\,dx=-16\{2-(-1)\}^3\ である. 因数分解形の記述なしで-16(β-α)^3\,としてしまうと,\ 論理不足とみなされる可能性がある.}  以上を一般化する.  2次関数$y=ax^2+bx+c\ (a>0)$と直線$y=mx+n$で囲まれた部分の面積$S$を求めよう.  $ax^2+bx+c=mx+n\ ・・・\,②$の解が交点の$x$座標$x=α,\ β\ (α<β)$である.  よって,\ $(mx+n)-(ax^2+bx+c)=-\,a(x-α)(x-β)$と変形できる.  このように,\ $2次関数と直線の間の面積計算では必然的に}\,16\,公式を利用できるのである.$  この面積計算は今後頻出するので,\ 早い内に$16$公式を利用する計算に慣れてほしい.  $a<0$\ (上に凸)の場合も考える.   $S=∫{α}{β}\{(ax^2+bx+c)-(mx+n)\}\,dx=a∫{α}{β}(x-α)(x-β)\,dx}=-a{6}(β-α)^3$  面積が負になってしまったようにみえるが,\ $a<0$より$S=- a6(β-α)^3>0$である.  絶対値をつけて$a>0$と$a<0$の場合をまとめたのが,\ 受験数学の裏技$ a6$公式である. $2次関数\ y=a}x^2+・・・\ と直線の間の面積(裏技)$} 最初の問題でこの公式を用いると  上下関係が不明な場合や\,α\,と\,β\,の大小が不明な場合は全体に絶対値をつけておけばよい. この裏技公式の重要性・利便性は凄まじい. x^2\,の係数と交点のx座標だけで,\ 面積を積分計算なしで瞬殺できる}のである. それゆえ,\ 穴埋め式試験における最強の裏技の1つとなっている. ただし,\ 裏技公式として結果を丸暗記するよりも,\ 導出過程の理解が100倍重要である. そもそも,\ 原理を理解しているならば裏技というほどのものではない. なお,\ これを\,16\,公式と呼ぶ人も多い気がするが,\ 最初に示した\,16\,公式(非裏技)と混同する. 係数aを忘れやすいということもあるので,\ 裏技の方は a6\,公式}と覚えておくことを推奨する.