直円錐の計量:表面積・体積・内接球の半径・外接球の半径

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図のように,\ 底面の円の半径5,\ 母線の長さ13の直円錐に大球と小球が内接している. 大球は底面とも接しており,\ 大球と小球は互いに外接している.  (1)\ \ 直円錐の表面積と体積を求めよ.  (2)\ \ 大球の半径$r_1$と表面積$S$と体積$V$を求めよ.  (3)\ \ 直円錐の側面と大球が接する部分(円)の半径$r’$を求めよ.  (4)\ \ 直円錐から(3)の円を含む平面より上の部分を取り 除いた円錐台の体積を求めよ.  (5)\ \ 小球の半径$r_2$を求めよ.  (6)\ \ 直円錐の外接球の半径$R$を求めよ.直円錐の計量   実質的に中学数学の復習だが,\ 大学入試でも関連問題が頻出するので要確認である.   (1)\ \ 半径5(底面)の円の周長は    頂点から下ろした垂線の足が底面の円の中心となる円錐}を直円錐という. 直円錐の頂点と底面の円周上の点を結ぶ線分を直円錐の母線という. 直円錐の側面の展開図は扇形であり,\ この扇形の弧長は底面の円の周長と一致する.} 扇形の弧長と面積はいずれも中心角の大きさに比例するから,\ 弧長と面積の比は等しい.} 円の周長と面積は容易に求まるので,\ これとの比を立式すればよく,\ 13^2π :x=26π :10π}\,となる. 表面積を求めるとき,\ 底面積を足すのを忘れやすいので注意する. 以上の過程を一般化すると,\ 直円錐の側面積の公式}が得られる. 底面の円の半径をR,\ 母線の長さをLとすると (側面積)}=L^2π・2Rπ}{2Lπ}=LRπ} ただし,\ 高校生は数II}:三角関数で学習する扇形の面積公式の利用が推奨される(別解). 扇形の半径をr,\ 弧長をlとすると (扇形の面積)=12rl} 直円錐の体積は,\ 当然(底面積)×(高さ)×13}\,である. 円の接線は,\ その接点を通る半径に垂直}である. 直円錐の内接球の半径を求めるとき,\ 直角三角形の相似}を利用するのが基本である. ∠ CAD=∠ O_1AFかつ∠ ADC=∠ AFO_1=90°\ (2角が等しい)より,\ △ ACD∽△ AO_1Fである.} r_1\,は△ABC}の内接円の半径なので,\ S=12r(a+b+c)を利用して求めることもできる(別解). 球の表面積と体積の公式はゴロ合わせでもよいが,\ 微分積分(数II})の関係にある点が本質的である.  球の表面積\ 4π r^2} \raisebox{-.2zh}{$\mathop{\ruby{\scalebox{2}[1]{$\rightleftarrows${$r}$で積分}\limits_{$r}$で微分$} 球の体積\ 43π r^3 円の外部の点から引いた2本の接線の長さ(接点までの距離)は等しい}から,\ CD=CF}である. 線分ADとEFの交点をGとすると,\ 求める円の半径はGFである.} やはり,\ 直角三角形の相似}を利用して求めることができる.   (4)\ \ 元の円錐の体積を$V_1$,\ (3)の円を含む平面より上の部分の円錐の体積を$V_2$とする. 円錐台の体積公式は普通知らないので,\ 円錐の体積を利用して求めることになる. 上の部分の円錐の体積を直接的に求めることも可能だが,\ 2つの円錐の相似}を利用する方が楽である. 相似比m:nの立体の体積比はm^3:n^3}である.\ ちなみに,\ 表面積の比はm^2:n^2}である. 辺AB,\ ACと円O$_2$の接点をそれぞれP,\ Qとする. 求めるべき円錐の外接球の半径は,\ △ABC}の外接円の半径}である. △ABC}が二等辺三角形なので,\ △ODC}に三平方の定理}を適用して容易に求まる. もちろん,\ 外接円の半径なので正弦定理\,c}{\sin C}=2R}を利用して求めることもできる(別解). △ABC}は直角三角形ではないので,\ \sin∠ BAC}を求めるのは面倒である. 直角三角形ADC}に着目}すると,\ \sin∠ ACD}の値が瞬時に求まる(直角三角形による三角比の定義}).