
1辺の長さが$a$の正八面体について,\ 次の値を求めよ. \\[1zh] \hspace{.5zw}\ \begin{tabular}{lll} (1)\ \ 表面積$S$ & (2)\ \ 体積$V$ & (3)\ \ 外接球の半径$R$ \\[.8zh] (4)\ \ 2面のなす角の余弦 & (5)\ \ 内接球の半径$r$ 正八面体の計量 正八面体の各面は正三角形である. \\[.2zh] S=\bunsuu12ab\sin\theta\,を利用する. 正八面体の計量では,\ \bm{\mathRM{断面ABCD,\ PBQD,\ PAQC}が正方形}であることが重要である. \\[.2zh] 正八面体をこの断面で分割すると,\ \bm{2つの正四角錐}(底面が正方形,\ 側面が二等辺三角形)となる. \\[.2zh] よって,\ \mathRM{(正八面体の体積V)=(正方形ABCDの面積)\times(高さOP)\times\bunsuu13\times2}\,と求められる. \\[.8zh] \bm{高さ\mathRM{OP}は,\ 断面の正方形\mathRM{PAQC}の対角線の長さの半分}である. \\[.2zh] \bm{\mathRM{\triangle AOP}が直角二等辺三角形}であることに着目し,\ 辺の比が1:1:\ruizyoukon2\,であることを利用してもよい. \\[1zh] \bm{1辺の長さがaの正八面体は,\ 1辺の長さが\ruizyoukon2aの立方体に埋め込むことができる}(下図). \\[.2zh] これを考慮すると,\ \mathRM{断面ABCD,\ PBQD,\ PAQC}が正方形であることは当然であろう. Oが外接球の中心(8頂点までの距離が等しい点)}であるから余弦定理より \bm{2面のなす角の定義}は,\ \bm{2つの平面の交線に垂直な2直線(法線)のなす角}である. \\[.2zh] 対称性よりどの面のなす角も等しいので,\ \mathRM{\triangle PABと\triangle QAB}のなす角を求めることにする. \\[.2zh] 正三角形なので,\ \bm{頂点\mathRM{P,\ Qから中線(頂点と中点を結ぶ線分)を引くと,\ ABと垂直に交わる.}} \\[.2zh] \bm{辺\mathRM{ABは,\ 2つの平面\triangle PABと\triangle QABの交線}}である. \\[.2zh] \mathRM{PM\perp AB,\ QM\perp ABとなるから,\ \bm{\angle PMQが2面のなす角}である.} \\[1zh] \mathRM{\angle PMQ}を求めるには,\ \bm{3点\mathRM{P,\ M,\ Q}を含む平面を取り出して考える}必要がある. \\[.2zh] 正八面体の3点\mathRM{P,\ M,\ Q}を含む断面は,\ \mathRM{\bm{ひし型PMQN}}である(正方形ではないので注意!). \\[.2zh] ひし形\mathRM{PMQN}の1辺の長さは,\ 正八面体の面(正三角形)の高さである. \\[.2zh] \triangle\mathRM{PMQ}の3辺の長さがわかるから,\ 余弦定理で\cos\angle\mathRM{PMQ}を求めることができる. (5)\ \ 中心Oから面PABに下ろした垂線の足をHとする. \\[.2zh] \phantom{ (1)}\ \ 対称性より点Hは正八面体と内接球の接点であり,\ 平面PMQN上にある. \bm{\mathRM{O}が内接球の中心(8つの面までの距離が等しい点)}である. \\[.2zh] 対称性より,\ 8個の接点のうち4個が平面\mathRM{PMQN}上にある. \\[.2zh] 結局,\ \mathRM{OH}の長さを求めればよく,\ \bm{直角三角形の相似}を利用できる. \\[.2zh] \mathRM{\angle OPM=\angle HPO\ かつ\ \angle POM=\angle PHO=90\Deg\ (2角が等しい)より,\ \triangle POM\souzi\triangle PHOである.} \\[.2zh] 正四面体の内接球の半径を求める場合と同様に,\ \bm{体積から逆算する}ことも可能である(別解). \\[.2zh] 正八面体の体積は既知なので,\ 内接球の半径rを用いて正八面体の体積を表せばよい. \\[.2zh] 三角錐\text{O-PAB}の体積は,\ 底面\mathRM{PAB}の面積\,\bunsuu{\ruizyoukon3}{4}a^2,\ 高さrを用いて表せる. \\[.2zh] 正八面体の体積はこれの8倍である.