1辺の長さが$a$の正四面体ABCD}について,\ 次の値を求めよ.
(1)\ \ 表面積$S$ & (2)\ \ 2面のなす角の余弦 & (3)\ \ 高さ$h$
(4)\ \ 体積$V$ & (5)\ \ 内接球の半径$r$ & (6)\ \ 外接球の半径$R$
{正四面体の計量}
正三角形の面積は,\ 公式\ S=12bc\sin A\ を利用して求める.
正四面体の表面積はこれの4倍である.
(2)\ \ 頂点Aから底面BCDに下ろした垂線の足をHとする.
$AB=AC=AD}$であり,\ かつAHが共通している.
よって,\ $△ ABH≡△ ACH≡△ ADH}$である.
ゆえに,\ $BH=CH=DH$より,\ 点Hは$△$BCDの外心}である.
正三角形では,\ 3本の中線と3本の辺の垂直二等分線はすべて一致する.
結局,\ 正三角形の外心と重心は一致する}から,\ 垂線の足Hは底面BCD}の重心}である.
辺BCの中点をMとし,\ Hを改めてGとすると $DG:GM=2:1$
直角三角形AMGにおいて
まず,\ 2面のなす角の定義}は,\ 2つの平面の交線に垂直な2直線(法線)のなす角}である.
対称性よりどの面のなす角も等しいので,\ △ ABC}と△BCD}のなす角を求めることにする.
正三角形なので,\ 頂点A,\ D}から中線(頂点と中点M}を結ぶ線分)を引くと,\ BC}と垂直に交わる.}
辺BC}は,\ 2つの平面△ ABCと△ BCD}の交線}である.
AM⊥ BC,\ DM⊥ BC}となるから,\ ∠AMD}が2面のなす角}である.
単純に考えると別解になる.\ \ △AMD}の3辺の長さを求め,\ 余弦定理を適用すればよい.
△ABM}は30°,\ 60°,\ 90°\,の直角三角形であるから,\ 中線AM}の長さは比で容易に求まる.
正四面体の対称性を利用}する本解の考え方が本質的であり,\ 汎用性も高い.
頂点A}から下ろした垂線の足H}が底面△BCD}の重心となる}ことを利用する.
これを「対称性より明らか」とするのは論理的に危ないので,\ 証明も示しておいた.
少し長いが,\ 難しくはないのできちんと確認しておいてほしい.
垂線を下ろすと,\ 直角三角形の合同条件「斜辺と他の1辺が等しい」}より,\ Hが外心であるとわかる.
ここで,\ 重心は3本の中線の交点,\ 外心は3本の垂直二等分線の交点}であった(数 A:平面図形).
Hが△BCD}の重心とわかるので,\ さらに重心の性質「中線を2:1に分割」}を考慮する.
こうして,\ 長さを求めずとも2面のなす角の\,\cos\,を求めることができる.
空間図形の問題では,\ 求めたい図形量を含む平面を取り出して「正確に」図示できるか}が問われる.
通常,\ 空間図形を図示するとき,\ 左図のような俯瞰(ふかん)図を図示する.
空間図形を平面に正確に図示することは不可能なので,\ 早い話,\ 俯瞰図は歪んでいる.
ここから平面を取りだして図示するとき,\ 俯瞰図の形をそのまま図示してしまう学生が少なくない.
しかし,\ それではわざわざ平面を取り出して図示する意味がない.
平面を取り出して図示するとき,\ 長さや角度を元に実際の形を考慮して正確に図示すべき}である.
例えば,\ 底面の△BCD}を図示するならば,\ 正三角形を図示しなければならない(右上図).
この図は正四面体を真上から見たものともいえるので,\ AとG}が一致する.
また,\ 3点A,\ M,\ D}で通る平面で切断したときの断面図は二等辺三角形}を図示する(右下図).
AM=DM