万有引力の法則 2物体間にはたらく力$F$は,\ 質量$m₁,\ m₂$の積に比例し,\ 距離$r$の2乗に反比例する. (万有引力定数\ G=6.67{万有引力による位置エネルギー 質量$M$の物体から距離$r$にある質量$m$の物体がもつ万有引力による位置エネルギーは, 無限遠を基準重力と万有引力 元々,\ 重力とは万有引力と遠心力の合力である. 特に指定がない限り遠心力は無視してよく,\ ${(重力)=(万有引力)$が成立する. 地球の質量を$M$,\ 半径を$R$,\ 地表面における重力加速度を$g$とする 重力による位置エネルギーmghを考えるとき,\ 自分で基準に設定する必要があった. 一方,\ 万有引力による位置エネルギーは,\ 式が簡潔になるよう{必ず無限遠を基準}にする. よって,\ 万有引力による位置エネルギーは{常に負の値}をとることになる. 最初は設定にやや戸惑うかもしれないが,\ 実用上は重力による位置エネルギーより楽である. 基準を気にすることなく,\ 距離だけを確認して機械的に\ -G{Mm}{r}\ とすれば済むのである. 通常万有引力の問題で与えられるのはgかGの一方である. 常に\ GM=gR²\ という関係を意識しておき,\ 必要ならばこれを用いて他方に変換する. 地球の半径を$R$,\ 重力加速度の大きさを$g$とする. 地表すれすれを円運動するために必要な速さ$v₁$を求めよ. 地表から打ち上げた物体が再び地表に戻ってこないために必要な初速度$v₂$の大き $運動する物体の質量をm,\ 地球の質量をM,\ 万有引力定数をGとする.$ $円運動の運動方程式は $力学的エネルギー保存則より 未知のものはすべて自分で文字で設定し,\ 円運動の運動方程式\ m{v²}{r}=F\ を立式する. さらに,\ 関係式\ GM=gR²\ を用いてGを問題で与えられているgに変換すればよい. 第1宇宙速度という.g=9.8m/s}²,\ R=6400km}\ とすると 7.91km/s} 戻らないための条件は,\ {(無限遠における運動エネルギー)0}\ である. (無限遠における全力学的エネルギー)=(地表における全力学的エネルギー)\ より 無限遠における速さをVとすると 12mV²+0=12m{v₂}²+(-G{Mm}{R})0 後は\ GM=gR²\ を用いてG,\ Mを消去すればよい. 最低のv₂を第2宇宙速度という地球の半径を$R$,\ 自転周期を$T$,\ 静止衛星の地表面からの高さを$h$,\ 重力加速度の大き さを$g$とする. 静止衛星の速さ$v$を$R,\ h,\ g$を用いて表せ. 静止衛星の地表面からの高さ$h$を$R,\ T,\ g$を用いて表せ. 静止衛星の質量を$m$,\ 地球の質量を$M$,\ 万有引力定数を$G$とする. $円運動の運動方程式は $静止衛星の周期は $これが地球の自転周期と等しいから 静止衛星とは,\ {地球の自転と同じ周期で円運動している人工衛星}である. 同じ周期であるため,\ 地球の観測者からは常に同じ位置で静止しているように見えるわけである. 円運動の周期はその半径で決まるため,\ 周期が等しくなる高度はただ1つしかない. 円運動の方程式で静止衛星の速さを求め,\ さらにその周期を求める. 周期(時間)は\ {(距離)}{(速さ)}={2π r}{v}\ で求められる.\ 半径はR+hであることに注意. 後は静止衛星の周期と自転周期をイコールにした後,\ hについて解けばよい. 両辺を2乗するとT²={4π²(R+h)³}{gR²} よって(R+h)³={gR²T²}{4π²}\ より\ R+h=[3]gR²T²}{4π² 静止衛星の軌道を{静止軌道という. R=6400km},\ T=24h}=86400s},\ g=9.8m/s}²\ とすると h {36000km} これは,\ 地球の半径6400km}の約5.6倍,\ 地球と月との距離(約38万km})の約{1}{10}である.