等差数列をなす3数の3通りの表現(等差中項)

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等差数列をなす3数があり,\ その和が45,\ 積が3240である.\ この3数を求めよ. 等差数列をなす3数(等差中項)}$ 3通りの表現が可能なので,\ 適切な表現を用いて求める. $$ & 公差形 & ${a,\ a+d,\ a+2d$ & $(初項a,\ 公差d})$ $$ & 対称形 & ${a-d,\ a,\ a+d$ & $(中央の項a,\ 公差d})$ $[3]$ & 平均形 & ${2b=a+c$ & $(a,\ b,\ cがこの順で等差数列})$ }の公差形は今一つ使い勝手がよくない. }の対称形のほうが計算が楽になることが多いからである. 公差形や対称形は等差数列をなす4数,\ 5数の場合への拡張も容易である. 4数 a-d,\ a,\ a+d,\ a+2d   5数 a-2d,\ a-d,\ a,\ a+d,\ a+2d [3]}の平均形は,\ 応用上最も重要な関係である.\ 導出も理解しておくこと. 3数a,\ b,\ cがこの順に等差数列をなすとき {b-a=c-b}   よって 2b=a+c b={a+c}{2}\ よりbはaとcの中点であるという意味ももつが,\ 等差数列なので当然であろう. なお,\ 等差数列をなす3数の中央の項を{等差中項}という. 3数の中央の項を$a,\ 公差をdとする.$ \ (a-d)+a+(a+d)=45} (a-d)a(a+d)=3240} 3a=45 a(a²-d²)=3240 &amp より $a=15$   に代入すると $d=3$ よって $(a-d,\ a,\ a+d)=(12,\ 15,\ 18),\ (18,\ 15,\ 12)$ $ 求める3数は {12,\ 15,\ 18}$ 本問は対称形で設定すると簡潔に済む. 15(15²-d²)=3240より15²-d²=216   d²=9よりd=3 本問は「3数を求めよ」なので,\ 順序は関係なく単に3つの数を答ればよい. 問題に「a,\ b,\ cがこの順で等差数列」などとあれば,\ 次の2通りの場合を答える必要がある. (a,\ b,\ c)=(12,\ 15,\ 18),\ (18,\ 15,\ 12) 3数を$a,\ b,\ c$とすると  2b=a+c} a+b+c=45} abc=3240} { }$-$より $3b=45   よって b=15}$ { }$b=15$を,\ に代入すると $a+c=30,ac=216$ { }$a,\ cは2次方程式\ t²-30t+216=0}\ の2解である.$ { }$(t-12)(t-18)=0よりt=12,\ 18$   よって $(a,\ c)=(12,\ 18),\ (18,\ 12)}$ $ 求める3数は {12,\ 15,\ 18}$} \ 平均形を用いると,\ {3文字の連立方程式}となる. 本問の連立方程式では,\ とからaとcを両方消去でき,\ すぐにbが求まる. 後はaとcの連立方程式だが,\ {和と積が既知の連立方程式は対称性を生かして解く}のが聡明である. t=a,\ c\ を解にもつ2次方程式の1つは\ (t-a)(t-c)=0  展開すると\ t²-(a+c)t+ac=0 このことを逆に利用してa,\ cを求めるわけである. この方法が難しいならば,\ 普通にc=30-aをac=216に代入して1文字消去すればよい. 数列$a,\ b,\ b²,\ a²$がこの順で等差数列をなすとき,\ 実数$a,\ b$の組をすべて求めよ. $a,\ b,\ b²$がこの順に等差数列をなすから $2b=a+b²}$ $$ $b,\ b²,\ a²$がこの順に等差数列をなすから $2b²=b+a²}$ $$ より$a=2b-b²$   に代入すると$2b²=b+(2b-b²)²$ 整理すると $b⁴-4b³+2b²+b=0$ より $b(b³-4b²+2b+1)=0$ よって   $b(b-1)(b²-3b-1)=0$ より $b=0,\ 1,\ {3{13{2}$ {(a,\ b)=(0,\ 0),\ (1,\ 1),\ ({-5±{13{2},\ {3{13{2})\ (複合同順)}$} 本問は,\ 公差形や対称形で設定しようとすると文字を増やす必要が生じるので,\ 平均形で設定する. {a,\ b,\ b²がこの順で等差数列かつb,\ b²,\ a²がこの順で等差数列}と考えると平均形を利用できる. 2文字の連立方程式となるが,\ 2乗が厄介である.\ 原則通り,\ 1文字消去する. aを消去するとbがくくり出せるので,\ 実質3次方程式である. 因数定理によって因数分解してbを求めた後,\ a=2b-b²に代入してaを求めればよい.