
本項では以下の3パターンを取り扱う. \\[1zh] (1)\ \ $a^x=X$と置換する型 (2)\ \ 相加相乗型 (3)\ \ $a^x+a^{-x}=t$と置換する型 \\\\\\\\ 最も基本的な指数関数の最大最小問題で,\ \bm{a^x=X\ (X>0)と置換する}と2次関数に帰着する. \\[.2zh] 置換するためには,\ 指数の定数部分を分離する必要がある. a^{p+q}=a^pa^q \\[.2zh] 一般に,\ \bm{置換したときは置換後の文字のとりうる値の範囲を確認しなければならない.} \\[.2zh] \bm{底が1より小さいとき,\ xとa^x\,の大小関係が逆転する}ことにも注意する. \\[.2zh] a^x=Xとした時点でX>0が確定するが,\ 本問の場合は結局\,\bunsuu18\leqq X\leqq1となる. \\[.8zh] 0\leqq x\leqq3のとき 底\,\bunsuu12<1より 後は\,\bunsuu18\leqq X\leqq1の範囲でy=4X^2-4Xの最大最小を求めればよい. \bm{等式1つにつき1文字消去できる}ので,\ とりあえず消去しやすいyを消去して1変数関数にする. \\[.2zh] さらに,\ 底をそろえることができる. a^{-x}=\bunsuu{1}{a^x}\,より,\ a^x=Xとおくと\bm{sX+\bunsuu tX\,の最小}を求めることに帰着する. \\[.8zh] 数\text{I\hspace{-.2em}I}を正しく学習してきた学生は,\ 式の形を見て\bm{相加平均と相乗平均の関係の利用}が思い浮かぶ. \\[.2zh] \bm{a>0,\ b>0のとき a+b\geqq2\ruizyoukon{ab} (a=bのとき等号成立)} \\[.2zh] この関係を最小問題に利用できるのは,\ 積ab=(一定)となるときであった. \\[.2zh] X+\bunsuu1X\,のような式は,\ X\cdot\bunsuu1X=1\ (一定)より,\ 相加相乗で最小を求めることができる. \\[.6zh] a=4\cdot9^x,\ b=\bunsuu23\cdot9^{-x}\,として相加相乗を適用すると,\ 9^x\cdot9^{-x}=1より,\ z\geqq\bunsuu{4\ruizyoukon6}{3}\,が導かれる. \\[.6zh] なお,\ \bm{a>0,\ b>0という前提条件の確認を忘れてはならない.} \\[1zh] さらに,\ y\geqq\bunsuu{4\ruizyoukon6}{3}\,だからといって直ちに最小値\,\bunsuu{4\ruizyoukon6}{3}\,と結論づけてはならない. \\[.6zh] \bunsuu{4\ruizyoukon6}{3}\,以上は最小値\,\bunsuu{4\ruizyoukon6}{3}\,をも意味しているわけではない.\ 最小値100でもそれは\,\bunsuu{4\ruizyoukon6}{3}\,以上である. \\[.6zh] y\geqq\bunsuu{4\ruizyoukon6}{3}\,の等号が成立して初めて最小値が\,\bunsuu{4\ruizyoukon6}{3}\,であるといえる. \\[.6zh] よって,\ \bm{等号成立条件の確認が必須}である.\ 要は,\ \bm{等号が成立するような実数xが存在すればよい.} xの形は1つではない.\ 当然,\ yを求めることもできる. \\[.2zh] 本問の関数は,\ \bm{a^x\,とa^{-x}\,の対称式}\,(a^x\,とa^{-x}\,を入れ替えても変わらない式)である. \\[.2zh] この型は\bm{a^x+a^{-x}=t}と置換すると,\ tの1変数関数に帰着する. \\[.2zh] また,\ \bm{置換したときは置換後の文字のとりうる値の範囲を確認しなければならない.} \\[.2zh] \bm{相加平均と相乗平均の関係でtの範囲を求める}ことになる.\ 等号成立条件も確認する. \\[.2zh] 2変数対称式の基本的な変形として\ x^2+y^2=(x+y)^2-2xy\ があった. \\[.2zh] 後は,\ t\geqq2の範囲でy=2t^2-5t+4の最小を求めればよい. \\[.2zh] 本問では,\ たまたま最小値をとるときのtが相加相乗の等号成立時のtの値と一致する. \\[.2zh] よって,\ t=2のときのxはすでに求まっている. \\[.2zh] もちろん,\ t=\bm{2^x+2^{-x}=2}\ を解いてxを求めることもできる. \\[.2zh]