
指数方程式の出題の9割以上を占める基本2パターンが以下である. \\[.5zh] $[1]\ \ \bm{\textcolor{magenta}{両辺の底を統一し,\ 指数部分のみを取り出す.} $[2]\ \ \bm{\textcolor{cyan}{置換\ a^x=X\ (X>0)}}\ により,\ 簡単な方程式に帰着させる.$ \\[.5zh] まず$[1]$を考え,\ 無理そうならば$[2]$に持ち込めばよい. a^x=a^p\,には変形できそうにないので,\ \bm{a^x=Xと置換することを目指して変形}する. \\[.2zh] 当然,\ 指数法則\bm{a^{p+q}=a^pa^q,\ \ a^{p-q}=\bunsuu{a^p}{a^q},\ \ a^{pq}=(a^p)^q=(a^q)^p}\ に基づいて変形する. 本問に限らず,\ \bm{文字を置換したときは\underline{置換後の文字のとりうる値の範囲を確認する.}} \\[.2zh] 指数関数y=a^x\,は,\ xの値によらず常に正となるのであった. \\[.2zh] 慣れた人ならば,\ 置換せずに\ (6\cdot2^x-1)(2\cdot 2^x-1)=0\ として進めていけばよい. \\[.2zh] 2^x=\bunsuu12\,は,\ 2^x=2^{-1}よりx=-\,1である. \\[.7zh] 2^x=\bunsuu16\,を満たすxは,\ 対数を用いて表す必要がある. 対数の定義\ \ a^p=M\ \Longleftrightarrow\ p=\log_aM \\[.6zh] 対数は対数の性質を用いて変形できるので,\ 答えの形は1つではない. \\[.2zh] 対数の性質 \log_aMN=\log_aM+\log_aN, \log_a\bunsuu MN=\log_aM-\log_aN, \log_aM^r=r\log_aM \\[.2zh] 解答も採点もややこしくなるので,\ 答えの形が複数ありえる問題は穴埋め形式で出されることが多い. =0ならば3^x=3^{1-x}よりx=1-xとできたが,\ =2なのでa^x=a^p\,に変形することはできない. \\[.2zh] 多くの学生が\ 3^{1-x}=3^1\cdot3^{-x}=3\cdot3^{-x}\ より3^x-3\cdot3^{-x}=2としたところで行き詰まる. \\[.2zh] \bm{a^xとa^{-x}\,が混在する場合,\ a^{-x}=\bunsuu{1}{a^x}\ として分母をはらう.} \\[.6zh] すると,\ a^x=Xと置換するタイプに帰着する. \bm{a^x=X,\ b^y=Yと置換できる指数連立方程式のパターン}である. \\[.2zh] \bm{基本対称式X+Y,\ XYが与えられた場合,\ 2次方程式を作成して求める}のがうまい解法であった. \\[.2zh] 2解X,\ Yをもつ方程式は,\ (t-X)(t-Y)=0,\ つまりt^2-(X+Y)t+XY=0である. \\[.2zh] 対称性を生かしたこの解法が難しいならば,\ 単純にY=-\,X+12として1文字消去すればよい. \\[.2zh] X(-\,X+12)=32より,\ X^2-12X+32=0となる. \\[.2zh] (5)\ \ \textcolor{red}{両辺の底を2とする対数をとる}と 6=2^1\cdot3^1より,\ 一見してx=1が解であることに気付くのは難しくない. \\[.2zh] しかし,\ x=1以外の解が存在するのが本問の落とし穴である. \\[.2zh] 2^a\cdot3^b=2^1\cdot3^1が整数問題ならば,\ 素因数分解の一意性よりa=1,\ b=1しかありえない. \\[.2zh] 一方,\ 指数を整数に限らず実数にまで範囲を広げると,\ 2^a=3となる可能性も出てくる. \\[.2zh] そのようなaがa=\log_23なのであった.\ 結局,\ 単純に両辺の素因数を比較というわけにはいかない. \\[1zh] 元の形ではどうしようもないので,\ \bm{両辺の対数をとって求める}ことになる. \\[.2zh] 本問に限らず,\ 指数が鬱陶しい場合は対数をとって考えることが有効である. \\[.2zh] 対数の性質\log_aM^r=r\log_aMにより,\ 鬱陶しい指数を前に出せるからである. \\[.2zh] 底はできる限り小さい素数にするのが原則であるから,\ 2を底とする対数をとった. \\[.2zh] 対数の性質\log_aMN=\log_aM+\log_aNを用いて分解すると,\ 最終的にxの2次方程式に帰着する. \\[.2zh] \log_22^{x^2}3^x=\log_22^{x^2}+\log_23^x=x^2+x\log_23, \log_26=\log_22+\log_23=1+\log_23 \\[.2zh] たすき掛けの他,\ 以下のように因数分解することもできる. \\[.2zh]