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水平な床の上に底辺$b$,\ 高さ$h$,\ 質量$m$の一様な直方体が置かれている.\ この直方体の \\[.2zh] \hspace{.5zw}上端に糸をつけ,\ 水平に張力$T$で引く.\ 静止摩擦係数を$\mu_0$,\ 重力加速度を$g$とする. \\[1zh] \hspace{.5zw} (1)\ \ 直方体が床の上をすべりはじめるための$T$の条件を求めよ. \\[.5zh] \hspace{.5zw} (2)\ \ 直方体が倒れないための$T$の条件を求めよ. \\[.5zh] \hspace{.5zw} (3)\ \ 直方体が倒れる前にすべりはじめるための$\mu_0$の条件を求めよ. \\
水平方向の力のつりあいより $\textcolor{red}{F=T}$ \\[.2zh] \phantom{ (1)}\ \ 鉛直方向の力のつりあいより $\textcolor{red}{N=mg}$ \\[.2zh] \phantom{ (1)}\ \ すべりはじめるための条件は
直方体には,\ 重力と接触力(張力・垂直抗力・摩擦力)がはたらいている. \\[.2zh] 未知の力は自分で文字を設定してつりあいの式を立てる. \\[.2zh] \bm{すべりはじめる直前,\ 最大静止摩擦力となり\ F=\mu_0N\ が成立する.} \\[.2zh] よって,\ F>\mu_0N\ がすべりはじめる条件である.\ つりあいの式と連立してTの条件が導かれる. \\[1zh] さて,\ 直方体がまだ倒れ始めないとき,\ 垂直抗力Nの作用点は回転軸から離れている(左図). \\[.2zh] そして,\ \bm{TとNによる時計回りのモーメントとmgによる反時計回りのモーメントがつりあう.} \\[.2zh] なお,\ Fは回転とは関係のない力である. \\[.2zh] 張力T=0のとき,\ 対称性より垂直抗力Nの作用点は直方体の中央である. \\[.2zh] ここからTを大きくしていくと,\ 徐々に垂直抗力Nの作用点が回転軸に近づいてくる. \\[.2zh] そして\bm{倒れる直前,\ 垂直抗力Nは作用点が回転軸と一致し,\ 回転に関与しなくなる}(右図). \\[.2zh] このとき,\ \bm{Tによる時計回りのモーメントとmgによる反時計回りのモーメントがつりあう.} \\[.2zh] 時計回りのモーメントはT\times h,\ 反時計回りのモーメントは\ mg\times\bunsuu b2\ である. \\[.5zh] 本問の状況において,\ 力を分解してモーメントを求めるのはあまりに面倒である. \\[.2zh] よって,\ これらのモーメントは\bm{回転軸とT,\ mgの作用線との距離の積}として求めている. \\[.2zh] さらにTを大きくすると,\ 時計回りのモーメントThが反時計回りのモーメント\ \bunsuu{mgb}{2}\ を上回る. \\[.5zh] すると,\ 時計回りの回転運動が生じ,\ 剛体が倒れることになる. \\[.2zh] 結局,\ Thと\ \bunsuu{mgb}{2}\ のみを比較したとき,\ \bm{Th\leqq\bunsuu{mgb}{2}\ であれば倒れない.} \\[1zh] (3)\ \ (1)と(2)を両方とも満たす,\ つまり\ \bm{\mu_0mg<T\leqq\bunsuu{mgb}{2h}\ を満たすTが存在すればよい.} \\[.2zh] \phantom{(3)}\ \ その条件は\ \mu_0mg<\bunsuu{mgb}{2h}\ が成立することである.
\end{array}}\right]$}} \\\\\\

\hspace{.5zw}板の上に底辺$b$,\ 高さ$h$,\ 質量$m$の一様な直方体を置き,\ 板の一端を持ち上げて傾斜角$\theta$ \\[.2zh] \hspace{.5zw}を徐々に大きくしていく.\ 静止摩擦係数を$\mu_0$とする. \\[1zh] \hspace{.5zw} (1)\ \ 直方体が板上をすべりはじめないための条件を求めよ. \\[.5zh] \hspace{.5zw} (2)\ \ 直方体が倒れるための条件を求めよ. \\[.5zh] \hspace{.5zw} (3)\ \ 直方体がすべりはじめる前に倒れるための$\mu_0$の条件を求めよ. \\
(1)\ \ 斜面と平行方向の力のつりあいより $\textcolor{red}{F=mg\sin\theta}$ \\[.2zh] \phantom{ (1)}\ \ 斜面と垂直方向の力のつりあいより $\textcolor{red}{N=mg\cos\theta}$ \\[.2zh] \phantom{ (1)}\ \ すべりはじめないための条件は   $\textcolor{cyan}{F\leqq\mu_0N}$ \\[1zh] \centerline{$\therefore \bm{\mu_0\geqq\tan\theta}$} \\\\
\centerline{{\small $\left[\textcolor{brown}{\begin{array}{l}
直方体には重力と接触力(垂直抗力・摩擦力)がはたらいている. \\[.2zh] 斜面と平行な方向と垂直な方向に軸をとると,\ 重力mgを分解することになる. \\[.2zh] 直方体がすべりはじめる直前,\ 最大静止摩擦力となり\ F=\mu_0N\ が成立する. \\[.2zh] つまり,\ すべりはじめないための条件は\ F\leqq\mu_0N\ である. \\[.2zh] これと力のつりあいの2式を連立すればよい. \\[.2zh] mg\sin\theta\leqq\mu_0mg\cos\theta より \sin\theta\leqq\mu_0\cos\theta \\[1zh] この直方体にはたらく力は3つである. \\[.2zh] 一般に,\ \bm{\textcolor{blue}{剛体において平行でない3力がつりあうとき,\ その作用線は1点で交わる}}. \\[.2zh] それゆえ,\ 垂直抗力と摩擦力の作用点は,\ 図のようにmgの作用線上にあるはずである.
(2)\ \ 力のモーメントについてを大きくしていくと徐々に垂直抗力Nの作用点が回転軸に近づいてくる. \\[.2zh] そして\bm{倒れる直前,\ 垂直抗力Nは作用点が回転軸と一致し,\ 回転に関与しなくなる}(左図). \\[.2zh] また,\ mg\cos\theta\ による時計回りのモーメントとmg\sin\theta\ による反時計回りのモーメントがつりあう. \\[.2zh] mg\cos\theta,\ mg\sin\theta\ の作用線と回転軸との距離はそれぞれ\ \bunsuu b2,\ \bunsuu h2\ である. \\[.7zh] なお,\ このときの角度を\bm{\textcolor{blue}{転倒角}}という. \\[.2zh] 結局,\ 直方体が倒れる条件は\bm{時計回りのモーメントを反時計回りのモーメントが上回る}ことである. \\[1zh] 図形的には,\ \bm{\textcolor{blue}{倒れる直前,\ 重心にかかる重力の作用線が回転軸を通る.}} \\[.2zh] 重力の作用線が回転軸の左側にいくと,\ 3力の作用線が1点で交わることができなくなる. \\[.2zh] 反時計回りのモーメントが生じるようになり,\ 剛体は倒れる(右図). \\[.2zh] これは,\ \bm{\textcolor{blue}{「重力の作用線が底面から外れると倒れる」}}と言い換えることができる. \\[1zh] (3)\ \ (1),\ (2)を両方とも満たす,\ つまり\bm{\bunsuu bh<\tan\theta\leqq\mu_0\ を満たす\ \theta\ が存在すればよい.} \\[.5zh] \phantom{(3)}\ \ その条件は\ \bunsuu bh<\mu_0\ が成立することである.