数列a_n},\ b_n}の一般項を\ a_n=2^n,b_n=3n+2\ とする.\ a_n}とb_n}の共通項を$ $小さい順に並べてできる数列c_n}の一般項を求めよ.$ bm{等差数列と等比数列の共通項}$ 実際に項を書き出してみると,\ 共通項は次のようになっている. {共通項は等{比}数列に着目すると等間隔に表れることが決定的に重要である. これを知識として持っておくことが,\ 本問を解く鍵となる. $a₁=2,\ a₂=4,\ a₃=8\ および\ b₁=5,\ b₂=8 より c₁=8}$ $a_n}の第l項とb_n}の第m項が等しいことを仮定すると$ まず,\ 具体的に書き出してc₁を求める.\ 次のc₂を求めるときに最初に述べた知識が役立つ. {等比}数列の項に着目し,\ それが等差数列b_n}の項であるかを順に確認していく.} 等差数列に着目してしまうと,\ 次の共通項が出てくるまでの無駄が莫大となる. 例えば,\ a₄=16はb_n}の項だろうか.\ 3n+2=16を満たす整数nは存在しない. これは,\ 16が共通項にはなり得ないことを意味している. では,\ a₅=32はb_n}の項だろうか.\ 3n+2=32\ より\ n=10\ である. よって,\ 共通項\ a₅=b_{10}=32\ となることがわかる. こうして,\ {a₃以降の等比数列の奇数項が共通項}であることがわかる}. ここで,\ 「わかる」というのは,\ あくまでも等間隔という知識を持っていた場合の話である. よって,\ 論理的には不十分であり,\ 実際にはそうなるだろうという予想にすぎない. 解答では,\ 等比数列に着目すると等間隔に表れることを厳密に示す必要がある. それには,\ {文字を用いて一般化}し,\ {数学的帰納法の要領}で論じていけばよい. 以下の解説は,\ 数学的帰納法を未学習の学生も想定している. c₁を求めた後,\ {1つの共通項を仮定し,\ 次の共通項を順に探していく.} まず,\ a_l=b_m\ ({a_n}の第l項と{b_n}の第m項が等しいこと)を仮定する. そして,\ a_lの次の項a_{l+1}がb_n}の項であるかを確認する. b_n=3n+2\ より,\ {3(整数)+2\ の形で表現できれば,\ b_n}の項である}といえる. 仮定2^l=3m+2を用いて変形するとa_{l+1}=3(整数)+1\ の形になるので,\ b_n}の項とはいえない. 同様に,\ a_{l+2}を確認すると3(整数)+2\ の形にできるから,\ これはb_n}の項といえる. {a_lが共通項であるとき,\ a_{l+2}も共通項であることが示された}わけである. つまり,\ a₃が共通項ならば,\ a₅,\ a_7,\ a_9,が全て共通項となる. より一般的に言えば,\ {c_k=a_l\ のときc_{k+1}=a_{l+2\ となることがわかったわけである. 後は初項と公比から一般項を求めてやればよい. 3(整数)+2ならb_n}の項であることが納得できない人もいるかもしれない. {余りに着目}したと考えるのが本質的である. 3(整数)+2が表す数は,\ 見方を変えれば{3で割ったときに2余る整数の集合}である. {等比数列2^nの中で,\ 3で割ったときに2余るものを探せば,\ それが共通項}というわけである. 余りに着目する整数問題でよくある変形といえば納得できる人も多いだろう. 次のように,\ より余りを意識した解答も可能である. 一般に,\ {「3で割った余りが等しい差が3で割り切れる」}が成立する. よって,\ {a_lを共通項と仮定し,\ 差が3の倍数となるものを順に探していく.}(3の倍数)(3の倍数) ゆえに,\ {a_lが3で割ると2余る数のとき,\ a_{l+2}も3で割ると2余る数}である. これは,\ a_lが共通項のとき,\ a_{l+2}も共通項となることを意味している.