指数方程式の出題の9割以上を占める基本2パターンが以下である.
$[1]\ \ 両辺の底を統一し,\ 指数部分のみを取り出す.}
$[2]\ \ 置換\ a^x=X\ (X>0)\ により,\ 簡単な方程式に帰着させる.$
まず$[1]$を考え,\ 無理そうならば$[2]$に持ち込めばよい.
a^x=a^p\,には変形できそうにないので,\ a^x=Xと置換することを目指して変形}する.
当然,\ 指数法則a^{p+q}=a^pa^q,\ \ a^{p-q}=a^p}{a^q},\ \ a^{pq}=(a^p)^q=(a^q)^p}\ に基づいて変形する.
本問に限らず,\ 文字を置換したときは置換後の文字のとりうる値の範囲を確認する.
指数関数y=a^x\,は,\ xの値によらず常に正となるのであった.
慣れた人ならば,\ 置換せずに\ (6・2^x-1)(2・ 2^x-1)=0\ として進めていけばよい.
2^x=12\,は,\ 2^x=2^{-1}よりx=-\,1である.
2^x=16\,を満たすxは,\ 対数を用いて表す必要がある. 対数の定義\ \ a^p=M\ ⇔\ p=\log_aM
対数は対数の性質を用いて変形できるので,\ 答えの形は1つではない.
対数の性質 \log_aMN=\log_aM+\log_aN, \log_a MN=\log_aM-\log_aN, \log_aM^r=r\log_aM
解答も採点もややこしくなるので,\ 答えの形が複数ありえる問題は穴埋め形式で出されることが多い.
=0ならば3^x=3^{1-x}よりx=1-xとできたが,\ =2なのでa^x=a^p\,に変形することはできない.
多くの学生が\ 3^{1-x}=3^1・3^{-x}=3・3^{-x}\ より3^x-3・3^{-x}=2としたところで行き詰まる.
a^xとa^{-x}\,が混在する場合,\ a^{-x}=1}{a^x}\ として分母をはらう.}
すると,\ a^x=Xと置換するタイプに帰着する.
a^x=X,\ b^y=Yと置換できる指数連立方程式のパターン}である.
基本対称式X+Y,\ XYが与えられた場合,\ 2次方程式を作成して求める}のがうまい解法であった.
2解X,\ Yをもつ方程式は,\ (t-X)(t-Y)=0,\ つまりt^2-(X+Y)t+XY=0である.
対称性を生かしたこの解法が難しいならば,\ 単純にY=-\,X+12として1文字消去すればよい.
X(-\,X+12)=32より,\ X^2-12X+32=0となる.
(5)\ \ 両辺の底を2とする対数をとる}と
6=2^1・3^1より,\ 一見してx=1が解であることに気付くのは難しくない.
しかし,\ x=1以外の解が存在するのが本問の落とし穴である.
2^a・3^b=2^1・3^1が整数問題ならば,\ 素因数分解の一意性よりa=1,\ b=1しかありえない.
一方,\ 指数を整数に限らず実数にまで範囲を広げると,\ 2^a=3となる可能性も出てくる.
そのようなaがa=\log_23なのであった.\ 結局,\ 単純に両辺の素因数を比較というわけにはいかない.
元の形ではどうしようもないので,\ 両辺の対数をとって求める}ことになる.
本問に限らず,\ 指数が鬱陶しい場合は対数をとって考えることが有効である.
対数の性質\log_aM^r=r\log_aMにより,\ 鬱陶しい指数を前に出せるからである.
底はできる限り小さい素数にするのが原則であるから,\ 2を底とする対数をとった.
対数の性質\log_aMN=\log_aM+\log_aNを用いて分解すると,\ 最終的にxの2次方程式に帰着する.
\log_22^{x^2}3^x=\log_22^{x^2}+\log_23^x=x^2+x\log_23, \log_26=\log_22+\log_23=1+\log_23
たすき掛けの他,\ 以下のように因数分解することもできる.