{Σ}{\ (シグマ)}$がよくわからないという学生は多い. しかし,\ ${Σ}$が意味するのは{ 単なる和}であり,\ それ以上でもそれ以下でもない. 毎回,\ $1+2+3++100$\ のように和を書くのは面倒である. だから決めたのだ.$1+2+3++100$を$100}k$\ と表そうではないかと. ${Σは,\ {変数kを1からnまで変化させ,\ その和をとることを意味する.$ $何よりも強く言いたいのは,\ 次の一言に尽きる.$ ${Σ}$\ を見かけたとき 「意味がわからなければ和の形で書き出せ}」 いくつか具体例を示す.\ 和の形にして書き出しただけである. これらの和をどのように計算するかは後で学習する. {和の形で書き出されているならば,\ ${Σ}{$で簡略化して表すことができる.} [-.3zh] 双方向の変換を状況に応じて自在に行えるかが重要である. とすると規則性がわからなくなるので,\ Σが積の形ならば積の形で留めておく. n+1}はk=1からk=n+1まで,\ Σn}はk=2からk=nまでの和であることに注意. Σ記号の意味を一旦理解してしまえば,\ 和の形で書き出すのは容易である. しかし,\ より重要なのはその逆の{和の形をΣで表す}ことであり,\ 以下の問題で演習する. Σ}a_kの形で表すことは,\ {k番目の項a_kをkの式で表す}ことである. 2乗は変化していないから,\ 2,\ 5,\ 8,をkの式で表せばよい. これは初項2,\ 公差3の等差数列である. 等差数列の一般項の公式\ a_n=a+(n-1)dより,\ 第k項は\ 2+(k-1)3=3k-1\ とわかる. よって,\ Σ}(3k-1)²となる. また,\ a_k=(3k-1)²とすると,\ 2²はa₁,\ (3n-1)²はa_nに対応する. よって,\ k=1からk=nまでの和であり,\ Σ(3k-1)²\ となる. 問題に書いてある(3n-1)²をそのままkにするだけでいいのではと思ったかもしれない. しかし,\ nの式で表されているからといってそれがn項目とは限らず,\ n-1項目かもしれない. もしもn-1項目だったならば,\ n-1}としなければならないはずである. 本問はたまたま(3n-1)²がn項目だったので,\ Σ(3k-1)²\ となっただけなのである. 理解が不足していると,\ 本問はたまたま正解できてもは間違えることになる. {各項が積の形で表されている場合,\ 積の左側と右側を別の数列とみなして考えればよい.} 左側の1,\ 5,\ 9,\ ,\ 29は,\ 初項1,\ 公差4の等差数列より,\ 第k項は\ 1+(k-1)4=4k-3 また,\ 4k-3=29よりk=8なので29は8番目の項であり,\ 全部で8項の和であるとわかる. 右側の3,\ 3³,\ 3⁵,\ は,\ 初項3,\ 公比3²の等比数列である. 等比数列の一般項の公式a_n=ar^{n-1}より,\ 第k項は\ 3(3²)^{k-1}=33^{2k-2}=3^{2k-1}\ とわかる. k=8のとき3^{15}となることも確認でき,\ (4k-3)3^{2k-1}のk=1からk=8までの和となる. 分子は変化しないので考えるまでもない. 分母の左側の2,\ 3,\ 4,\ ,\ n-1は,\ 初項2,\ 公差1の等差数列である. 第k項はa_k=2+(k-1)1=k+1だが,\ 注意すべきは項数である. n-1はa_k=k+1の等差数列のn-2項目であり,\ {項数n-2個の和}であるとわかる. 分母の右側の3,\ 4,\ 5,\ ,\ nは,\ 初項3,\ 公差1の等差数列である. 第k項はa_k=3+(k-1)1=k+2である. 結局,\ {2}{(k+1)(k+2)}のk=1からk=n-2までの和となる. 問題の{2}{(n-1)n}を利用し,\ 単純にΣk=3}{n}{2}{(k-1)k}とすればよいと考えた学生もいるだろう. これでも正解である.\ このように,\ Σの表現は1通りではない. 通常はk=1からとすることが多いので,\ それを本解としたわけである. どちらの形が優位かは状況次第なので,\ 両方の変換をできるようにしておくべきである. 左側は1,\ 2,\ 3,\ ,\ nなので,\ 第k項はkである. 右側のn,\ n-1,\ n-2,\ ,\ 2,\ 1は,\ 初項n,\ 公差-1の等差数列である. よって,\ 第k項はa_k=n+(k-1)(-1)=n-k+1となる. あるいは,\ n-0,\ n-1,\ n-2,\ ,\ n-(n-2),\ n-(n-1)と考えてもよい. n-の部分はすべて同じ,\ 残りの0,\ 1,\ 2,\ ,\ n-1は初項0,\ 公差1の等差数列である. よって,\ この部分の第k項は0+(k-1)1=k-1である. ゆえに,\ n-0,\ n-1,\ ,\ n-(n-1)の第k項は,\ a_k=n-(k-1)=n-k+1となる.