対数の大小比較

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次の数の大小を比較せよ.$ \}{対数の大小比較 \\  対数関数$y=\log_ax$は$a>1のとき単調増加関数},\ 01}のとき   p}\ \log_aq & (真数xが大きいほど\log_axが小さい) $  要は,\ $底が1よりも小さいときxと\log_axの大小関係が逆転する$ということである.  実際に対数の大小を比較するとき,\ 「底をそろえて真数の大小で比較する」のが基本となる.  ただし,\ 底が異なる場合,\ まず$-\,1}$,\ 0,\ 1を基準に大まかに分類すると楽になることが多い.  例えば,\ $\log_45$と$\log_32$は底を統一せずとも比較できる. 底aが4の対数は,\=”” 真数mと\=”” 14,\=”” 1,\=”” 4の大小を比較する.=””=”” 底aが3の対数は,\=”” 13,\=”” 3の大小を比較する.=”” この3数が,\=”” 対数が-1,\=”” 0,\=”” 1となる境目だからである.=””{16$=”” これを利用すると,\=”” 例えば\=”” \log_{14}5と\log_{13}2のは底を統一せずとも比較できる.=” まず,\ -\,1,\ 0,\ 1を基準に大まかに分類する.} 底3では,\ \log_313=-\,1,\ \log_31=0,\ \log_33=1が基準となる. 底2では,\ \log_212=-\,1,\ \log_21=0,\ \log_22=1が基準となる. 12\log_{12}6+1は,\ \log_aMN=\log_aM+\log_aN,\ \log_aM^k=k\log_aMで合体して比較する. ここまでで,\ \log_{12}3<-\,1<\log_{12}√6}{2}<0<\log_32<1<32,\ \log_23}が確定する. よって,\ 後はいずれも1より大きい\,32\,と\log_23を比較すればよい. 32\,を底2の対数に変換}し,\ 真数で比較する. このとき,\ 単に\log_2をつけて\log_232\,としてしまう誤りが多い. \log_2をつけることと\log_2の形に変形することは別}なので注意してほしい. 単に\log_2をつけてしまうと値が変わってしまう.\ 値自体は変えずに式の形だけを変えるのである. 苦手とする学生が多いが,\ 例えば\log_28=3なので逆に3=\log_28と変形できるというだけである. 少し一般化すると,\ \log_22^k=kより,\ k=\log_22^k}\,と変形できるわけである. これを簡潔に示しておけば,\ 後は2つずつ比較するだけである. 底の変換公式\ \log_ab=\log_cb}{\log_ca}\ で底を揃えて比較する. 底を2で統一した後にk\log_aM=\log_aM^k\,を用いると,\ 以前学習した累乗の比較に帰着する. 指数が整数になるように両方を6乗して比較する.} \log_64と\log_98は,\ 底6,\ 9ではなく真数4,\ 8が2の累乗}であることに着目して比較するのがよい. 分子が1になるように無理矢理変形すると,\ 分母の大小比較に帰着する.} 本問の場合,\ すでに分母の大小関係は判明している. 一般に,\ 01b}\ である(逆数をとると不等号が逆転する). これはa,\ b両方が同符号の場合に成り立つ}ことに注意してほしい. a>0,\ b>0またはa<0,\ b<0のときab>0より,\ a>bの両辺をabで割って\,1b>1a\,となる. a<0bの両辺をabで割ると\,1b<1a\,となる(負で割ると不等号逆転). \log_46>1,\ \log_89>1であることは最初に確認済みである. 実は,\ 底を2に統一するのではなく,\ \log_ab=1}{\log_ba}\ を用いると簡潔に済む. 直ちに\log_64=1}{\log_46}\,と\log_98=1}{\log_89}\,の比較となるからである. まず,\ 0<\log_32<1<\log_23,\ \log_32^2\,であることが直ちにわかる. また,\ 一般に00だからである. よって,\ (\log_32)^2<\log_32もすぐにわかる. \log_32-(\log_32)^2=\log_32(1-\log_32)>0\ を記述しておけば丁寧な答案になる. 残すは\log_23と\log_34の比較になるが,\ これが厄介である. 底を2に統一すると\log が分母にいってしまうため,\ 単純には比較できない. そこで,\ 最終手段として差を考える}と,\ (\log_23)^2\,と2,\ つまり\log_23と√2\,の大小比較}に帰着する. さらに,\ √2=\log_22^{√2}\,より,\ 3と2^{√2}\,の大小比較となる. しかし,\ 無理数乗は単純には整数乗にできないのでこれも厄介である. そこで,\ 容易に整数乗にできるように値が近い有理数乗を考える.} √2≒1.41より\,√2<32\,であるから,\ 2^{√2}<2^{32}\,である. 2^{32}\,と3ならば両方を2乗して比較でき,\ 2^{√2}<2^{32}<3であることがわかる. ○<√2<32\,のように下限を考慮していないのは,\ 調べずとも3>2^{√2}\,とわかっていたからである. \log_23は2を何乗すると3になるか,\ \log_34は3を何乗すると4になるかである. 2^2=4,\ 3^2=9を考慮すると,\ 2^x=3と3^y=4\ ではx>yだと推測することは難しくない. 対数の大小比較では,\ 最初に具体的な数値のアタリをつけておく}と余計な計算をせずに済む. 最悪,\ 答えだけでも正解できていれば部分点がもらえる可能性が残る. 対数の中に対数があるが,\ ビビる必要はない. 無理数なので仕方なく\log という記号を用いて表しているが,\ 所詮は対数も単なる実数である. 例えば,\ \log_23≒1.6であるから,\ \log_2(\log_23)≒\log_21.6ということである. さて,\ \log_2(\log_23)の-1,\ 0,\ 1基準の分類は,\ 真数の\log_23と\,12,\ 1,\ 2との関係で決まる. 1<\log_23<2より,\ 0=\log_21<\log_2(\log_23)<\log_22=1となる. 1<\log_23<2ならば当然1<\log_23<3なので,\ 0=\log_31<\log_3(\log_23)<\log_33=1もいえる. 同様に,\ \log_32<1より,\ \log_2(\log_32)<\log_21=0,\ \ \log_3(\log_32)<\log_31=0である. 結局,\ 真数が同じで底が異なる対数の比較}に帰着する. 例えば,\ \log_25>\log_35であることは計算せずともわかる. 2を何乗すると5になるかの方が3を何乗すると5になるかよりも大きいのは明らかである. ただし,\ \log_215<\log_315\,のように真数が1よりも小さい場合は逆になったりする. 安易に答えるのは危険なので,\ 差をとって丁寧に考えることにする. 公式\,\log_ab=1}{\log_ba}\ を利用し,\ 底をそろえて考えるのがよい. \log_23と\log_32は正でありかつ1ではない}ので,\ 底の部分にもってくることが許される. \log_{\log_23}2と\log_{\log_23}3の比較になるが,\ 底\log_23>1より,\ \log_{\log_23}2<\log_{\log_23}3となる. また,\ \log_2(\log_23)=1}{\log_{\log_23}2}>0より,\ \log_{\log_23}2>0である.\ 同様に\log_{\log_23}3>0である. 0<\log_{\log_23}2<\log_{\log_23}3より,\ 1}{\log_{\log_23}2}>1}{\log_{\log_23}3}\,である(同符号なので逆数で不等号逆転). 底0<\log_32<1より,\ \log_{\log_32}2>\log_{\log_32}3である. また,\ \log_2(\log_32)=1}{\log_{\log_32}2}<0より,\ \log_{\log_32}2<0である.\ 同様に\log_{\log_32}3<0である. 0>\log_{\log_32}2>\log_{\log_32}3より,\ 1}{\log_{\log_23}2}<1}{\log_{\log_23}3}\,である(同符号なので逆数で不等号逆転).