anrとa-nrの対称式・交代式の値

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まず,\ 数Iで学習済みの対称式について最低限の基本事項をおさらいする.  対称式とは,\ 文字を入れ替えても変わらない式である.  例えば,\ $x^2+y^2$で$x\,→\,y,\ y\,→\,x$としても結局同じ式になるから,\ これは対称式である.  そして,\ すべての2変数対称式は基本対称式$x+y,\ xy}$のみで表すことができる.  最も代表的な2変数対称式の基本対称式への変形として以下の2つがあった. (1)\ \ 対称式の基本的な変形を行うだけである. (2)\ \ 1a=(a^{-13})^3}\,であることに気付けば,\ 対称式の基本的な変形を行うだけである. \ \ x^2+y^2\,に相当するa^{23}+a^{-23}\,が(1)で既知である. \ \ この場合,\ x^3+y^3=(x+y)(x^2-xy+y^2)}を利用するのも有効である(別解). (3)\ \ a^{43}+a^{-43}=(a^{13})^4+(a^{-13})^4\,だが,\ 4乗は2乗の2乗とみなすのが基本である. \ \ 要は,\ x^4+y^4=(x^2)^2+(y^2)^2=(x^2+y^2)^2-2x^2y^2}\ である. (4)\ \ 2乗すると(2)の形が出てくることに着目する. \ \ a+a^{-1}=(a^{12}+a^{-12})^2-2\ のように考えてもよい. \ \ 一般に2乗を外すとき,\ 正なのか負なのか両方ありえるのかを考慮する必要がある. \ \ a>0よりa^r>0,\ a^{-r}=1}{a^r}>0より,\ 常にa^r+a^{-r}>0}である. (5)\ \ x^2-y^2\,は,\ x\,→\,y,\ y\,→\,xとするとy^2-x^2=-\,(x^2-y^2)\,となり,\ 元の式と符号が逆になる. \ \ このような式を交代式}という.\ 交代式は2乗すると対称式}となるから,\ 基本対称式で表せる. \ \ (x^2-y^2)^2=x^4+y^4-2x^2y^2=\{(x^2+y^2)^2-2x^2y^2\}-2x^2y^2=(x^2+y^2)^2-4x^2y^2 \ \ 一般に,\ a^{nr}\,とa^{-nr}\,の大小関係は定まらない.} \ \ 例えば,\ 8=2^3>2^{-3}=18,\ \ 18=12^3<12^{-3}=8である. \ \ よって,\ a^{nr}-a^{-nr}\,は\,±\,両方ありえる. \ \ 交代式には,\ 必ずx-yを因数にもつ}という性質もある. \ \ x^2-y^2=(x+y)(x-y)と因数分解できるから,\ x-yを求めることに帰着する. \ \ (x-y)^2=x^2+y^2-2xy=(x-y)^2-2xy-2xy=(x-y)^2-4xy\ として求めればよい. \ \ もし(1)がなかったならば,\ 別解の方が速い.