内積の定義に関する注意点を3つ挙げる.
間を省略してはならない.
また,\ $ab$\ と書くと外積(大学で学習)を意味してしまう.
内積はベクトル量ではなく,\ スカラー量になる.
つまり,\ 向きはなく,\ 単なる実数値である.\ ちなみに,\ 外積はベクトル量である.
{内積の図形的意味
普通の掛け算$23=6$のイメージをベクトル的に図示すると左下図のようになる.
しかし,\ 2つのベクトルの向きが異なると,\ 同様に掛け算することができない.
この場合,\ 2つのベクトルの向きをそろえてから掛ければよい(右下図).
BからOAに下ろした垂線の足Hとし,\ $OA}OB}={OA OH}$と考える.
\ OB}のOA上への正射影という (B上方に光源があるときOBの陰がOH)}.
これらが成り立つことにより,\ 普通の文字と同様の計算が可能になる.
展開\ $(2a+b)²=(2a+b)(2a+b)=4a²+4ab+b²$\ と同様である.\
何故内積の計算がこのようになるのか疑問に思ったかもしれないが,\ 逆である.
普通の文字と同様に計算ができるように内積を${a}b}cosθ}$と定義したのである.
実数の扱いに慣れすぎ,\ これらの法則が当たり前のものと考えている学生も少なくない.
その結果,\ sin(α+β)=sinα+sinβ\ や\ log₂(M+N)=log₂M+log₂N\ などの{誤り}を犯す.
実数の世界の法則が他の三角比や対数の世界にも通用するわけではないのである.
日本の法律・常識が海外で通用しないのと同様である.
ベクトルは当然実数とは別世界だが,\ 実数の世界と同じ法則が成り立つと何かと便利である.
そのためには,\ a}b}cosθと定義するのが最も合理的なのである.
分配法則についてもa}b}cosθと定義すると成り立つことは,\ 図形的に確認できる.
まず,\ {OAB}は直角三角形なので,\ 三平方の定理で{AB={4²+3²}=5}がわかる.
もっとも,\ 3辺が(3,\ 4,\ 5)ならば直角三角形という常識的知識をもっていれば計算する必要はない.
注意すべきは,\ {内積の定義の\ θ\ は2つのベクトルの始点を統一したときのなす角}ということである. \としてしまう初学者が多いが,\ これは{重大な誤り}である.
ベクトルは自由に平行移動できるから,\ {始点がそろうように平行移動}した後,\ 内積の定義を適用する.
OとA}どちらにそろえてもよいが,\ ここでは Oにそろえた.
このとき,\ なす角は\ ∠{AOD}\ となる.\ 後は三角比の問題である.
cos∠{AOD}\ は,\ 公式\ cos(90°+θ)=-sinθ\ を用いて求められる.
三角形の3辺から三角比を求めるとき,\ 常に余弦定理を持ち出してしまう学生が少なくない.
しかし,\ 余弦定理が必要なのは直角三角形以外の場合である.
直角三角形ならば,\ 直角三角形を用いた三角比の定義より,\ sin∠{OBA}=OA}{AB=45\ と直ちに求まる. [1.3zh]
別解は,\ {始点を統一する}というベクトルの問題で最も重要な考え方を用いるものである.
わかりやすく,\ 応用性・汎用性の観点からみても実は別解の方が重要である.
間を省略してはならない.
また,\ $ab$\ と書くと外積(大学で学習)を意味してしまう.
内積はベクトル量ではなく,\ スカラー量になる.
つまり,\ 向きはなく,\ 単なる実数値である.\ ちなみに,\ 外積はベクトル量である.
{内積の図形的意味
普通の掛け算$23=6$のイメージをベクトル的に図示すると左下図のようになる.
しかし,\ 2つのベクトルの向きが異なると,\ 同様に掛け算することができない.
この場合,\ 2つのベクトルの向きをそろえてから掛ければよい(右下図).
BからOAに下ろした垂線の足Hとし,\ $OA}OB}={OA OH}$と考える.
\ OB}のOA上への正射影という (B上方に光源があるときOBの陰がOH)}.
これらが成り立つことにより,\ 普通の文字と同様の計算が可能になる.
展開\ $(2a+b)²=(2a+b)(2a+b)=4a²+4ab+b²$\ と同様である.\
何故内積の計算がこのようになるのか疑問に思ったかもしれないが,\ 逆である.
普通の文字と同様に計算ができるように内積を${a}b}cosθ}$と定義したのである.
実数の扱いに慣れすぎ,\ これらの法則が当たり前のものと考えている学生も少なくない.
その結果,\ sin(α+β)=sinα+sinβ\ や\ log₂(M+N)=log₂M+log₂N\ などの{誤り}を犯す.
実数の世界の法則が他の三角比や対数の世界にも通用するわけではないのである.
日本の法律・常識が海外で通用しないのと同様である.
ベクトルは当然実数とは別世界だが,\ 実数の世界と同じ法則が成り立つと何かと便利である.
そのためには,\ a}b}cosθと定義するのが最も合理的なのである.
分配法則についてもa}b}cosθと定義すると成り立つことは,\ 図形的に確認できる.
まず,\ {OAB}は直角三角形なので,\ 三平方の定理で{AB={4²+3²}=5}がわかる.
もっとも,\ 3辺が(3,\ 4,\ 5)ならば直角三角形という常識的知識をもっていれば計算する必要はない.
注意すべきは,\ {内積の定義の\ θ\ は2つのベクトルの始点を統一したときのなす角}ということである. \としてしまう初学者が多いが,\ これは{重大な誤り}である.
ベクトルは自由に平行移動できるから,\ {始点がそろうように平行移動}した後,\ 内積の定義を適用する.
OとA}どちらにそろえてもよいが,\ ここでは Oにそろえた.
このとき,\ なす角は\ ∠{AOD}\ となる.\ 後は三角比の問題である.
cos∠{AOD}\ は,\ 公式\ cos(90°+θ)=-sinθ\ を用いて求められる.
三角形の3辺から三角比を求めるとき,\ 常に余弦定理を持ち出してしまう学生が少なくない.
しかし,\ 余弦定理が必要なのは直角三角形以外の場合である.
直角三角形ならば,\ 直角三角形を用いた三角比の定義より,\ sin∠{OBA}=OA}{AB=45\ と直ちに求まる. [1.3zh]
別解は,\ {始点を統一する}というベクトルの問題で最も重要な考え方を用いるものである.
わかりやすく,\ 応用性・汎用性の観点からみても実は別解の方が重要である.