サイコロと立方体の色の塗り分け

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サイコロの6面を異なる3色を使って以下のように塗り分ける方法は何通りあるか. \\[.2zh] \hspace{.5zw}サイコロの向かい合う面の目の和は7であるとする. \\[1zh] \hspace{.5zw} (1)\ \ 使わない色があってもよい. \\[.8zh] \hspace{.5zw} (2)\ \ 各色2面ずつ塗る. \\[.8zh] \hspace{.5zw} (3)\ \ 各色2面ずつ塗る(特定の1色の面が向かい合う). \\[.8zh] \hspace{.5zw} (4)\ \ 各色2面ずつ塗る(特定の1色の面が隣り合う). \\[.8zh] \hspace{.5zw} (5)\ \ 各色2面ずつ塗る(同じ色の面がすべて向かい合う). \\[.8zh] \hspace{.5zw} (6)\ \ 各色2面ずつ塗る(同じ色の面がすべて隣り合う). \\ 立方体の色の塗り分け}}}} \\\\[.5zh]  立方体の塗り分けは頻出であるが,\ 以下の3つがどうなるかで様々な出題パターンがある. \\[.5zh]   \textbf{\textcolor{purple}{「何面ずつ何色で塗るか」「各面が区別できるか」「隣り合う面を異なる色で塗るか」}} \\[.5zh]  すべてを取り上げるとキリがないので,\ 頻出のものや重要度が高いもののみ取り上げる. \\\\\\   (1)\ \ \textcolor{red}{1つの面につき3通りの塗り方がある}から $\textcolor{red}{3^6}=\bm{729}\ (通り)$ \\\\   (2)\ \ \textcolor{red}{1色につき2面を選べばよい}から    (3)\ \ \textcolor{red}{特定の1色の塗り方は,\ $サイコロの目が(1,\ 6),\ (2,\ 5),\ (3,\ 4)$の3通り}である. \\[.2zh] \phantom{  (1)}\ \ 後は1色につき2面を選べばよいから $\textcolor{red}{3\times\kumiawase42}=3\times6=\bm{18\ (通り)}$ \\\\   (4)\ \ (2),\ (3)より $90-18=\bm{72\ (通り)}$ \\\\   (5)\ \ \textcolor{red}{$(1,\ 6),\ (2,\ 5),\ (3,\ 4)$の3組に3色を対応させればよい}から $\textcolor{red}{3\kaizyou}=\bm{6\ (通り)}$ \\\\   (6)\ \ \textcolor{red}{1色につき隣り合う2面を選べばよい}から $\textcolor{red}{(\kumiawase62-3)\times(\kumiawase42-2)}=\bm{48\ (通り)}$ \\\\\\ (1)\ \ 「サイコロ」は,\ 単なる「立方体」とは異なり,\ \bm{6つの面が区別できる扱い}となる. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 各面が区別できるならば,\ 回転して一致することはなく,\ もはや立体で考える必要はない. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 単に,\ \fbox{1}\ \fbox{2}\ \fbox{3}\ \fbox{4}\ \fbox{5}\ \fbox{6}\ を塗る(各正方形に色を対応させる)と考えればよいわけである. \\[.5zh] \phantom{(1)}\ \ 6つの\dot{異}\dot{な}\dot{る}正方形それぞれに重複を許して3色を対応させればよく,\ \bm{重複順列}に帰着する. \\[1zh] (2)\ \ 各色に着目すると,\ 6つの\dot{異}\dot{な}\dot{る}正方形から2個ずつ選ぶことになるから,\ \bm{組合せ}に帰着する. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ あるいは,\ \bm{同じものを含む順列}の扱いで求めることもできる. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 一旦,\ 6つの異なる正方形を異なる6色で塗ると考える(6\kaizyou\,通り). \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 実際には同じ色の正方形が2個ずつあるから,\ 重複度で割ると\,\bunsuu{6\kaizyou}{2\kaizyou2\kaizyou2\kaizyou}=90\ (通り)\ となる. \\\\ (4)\ \ \bm{立方体の2面を同じ色で塗るとき,\ 必ず向かい合うか隣り合うかのどちらかになる.} \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ よって,\ 全体から向かい合う場合を除けばよい(\bm{補集合の利用}). \\[1zh] (5)\ \ 3色のうち1色を(1,\ 6)に塗り(3通り),\ 残り2色のうち1色を(2,\ 5)に塗る(2通り). \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ (3,\ 4)の塗り方は1通りになるから,\ 総数は3\cdot2\cdot1=6通りである(\bm{順列}に帰着). \\[1zh] (6)\ \ (5)の補集合は「同じ色の面が少なくとも1つ隣り合う」なので,\ (2)-(5)では求まらない. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 結局,\ 直接的に求める方が手っ取り早い.\ ただし,\ やや難しい.\ \ 3色\maru1,\ \maru2,\ \maru3で塗るとする. \\[1zh] \phantom{(1)}\ \ \maru1の塗り方は,\ 2面の選び方の総数\,\kumiawase62\,通りから\bm{(1,\ 6),\ (2,\ 5),\ (3,\ 4)の3通りを除く.} \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 残り4面から2面を選ぶ選び方の総数は\,\kumiawase42\,通りである. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ ここで,\ 残り4面のうち向かい合う2面は1組だけである. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 実際,\ \maru1を下図のように塗ると,\ 残り4面のうち向かい合う2面は上面と底面のみである. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ \bm{この向かい合う2面を\maru2で塗る場合と\maru3で塗る場合の2通りを除く.} 次のように立方体を塗り分ける方法は何通りあるか.\ \\[.2zh] \hspace{.5zw}回転させて一致する塗り方は同じ塗り方とみなす. \\[1zh] \hspace{.5zw} (1)\ \ 異なる6色をすべて使って塗り分ける. \\[.8zh] \hspace{.5zw} (2)\ \ 異なる5色をすべて使って塗り分ける. \\[.8zh] \hspace{.5zw} (3)\ \ 異なる4色をすべて使って塗り分ける(同じ色の面がすべて向かい合う). \\[.8zh] \hspace{.5zw} (4)\ \ 異なる3色をすべて使って塗り分ける(同じ色の面がすべて向かい合う). \\[.8zh] \hspace{.5zw} (5)\ \ 異なる2色をすべて使って塗り分ける. \\  (1)\ \ 底面の色を固定すると,\ \textcolor{cyan}{上面の塗り方は$\kumiawase51=5$通り}ある. \\[.2zh] \phantom{ (1)}\ \ 側面の塗り方は,\ \textcolor{red}{異なる4色の円順列}である. \\[1zh] \bm{立方体は6面すべてが対等}である. \\[.2zh] 前項の正四面体の場合と同様,\ \bm{1つの面を完全に固定すると残り5面の塗り方に帰着する.} \\[.2zh] なぜそのようになるのかは前項で述べたとおりである.  (2)\ \ [1]\ \ \textcolor{magenta}{同じ色の2面が向かい合う}場合 \\[1zh] \phantom{ (1)}\ \    \textcolor{cyan}{上面と底面を同じ色で塗る}方法は $\textcolor{cyan}{\kumiawase51}=5$\ (通り) \\[.2zh] \phantom{ (1)}\ \    側面の塗り方は,\ \textcolor{red}{異なる4色のじゅず順列}である. \\[.5zh] \phantom{ (1)}\ \ [2]\ \ \textcolor{magenta}{同じ色の2面が隣り合う}場合 \\[1zh] \phantom{ (1)}\ \    \textcolor{cyan}{隣り合う2側面を同じ色で塗る}方法は $\textcolor{cyan}{\kumiawase51}=5\ (通り)$ \\[.2zh] \phantom{ (1)}\ \    \textcolor{red}{上面と底面の塗り方}は $\textcolor{red}{\kumiawase42\times1}=6\ (通り)$ \\[.2zh] \phantom{ (1)}\ \    残りの2面の塗り方は 2通り \\[.5zh] \phantom{ (1)}\ \    よって $5\times6\times2=60\ (通り)$ \\[-10zh]  [1],\ [2]\,は互いに排反であるから 15+60=\bm{75\ (通り)}$} \\\\\\ サイコロのように簡単に総数は求まらない.\ \bm{同じ色の2面が向かい合うか隣り合うかで場合分け}する. \\[1zh] 同じ色の2面が向かい合うとき,\ まず5色から1色選び,\ 上面と底面を同じ色で塗る. \\[.2zh] (1)とは異なり,\ 上面と底面が対等なので,\ 側面の塗り方はじゅず順列の扱いとなる. \\[1zh] 同じ色の2面が隣り合うとき,\ まず5色から1色選び,\ 側面のうち隣り合う2面を同じ色で塗る. \\[.2zh] \bm{各面の対等性を考えるとき,\ 頂点や辺をいくつ共有するかに着目する}とよいことが多い. \\[.2zh] 上面と底面はいずれも,\ 同じ色の2つの側面と2辺を共有しているので互いに対等である. \\[.2zh] よって,\ 上面と底面の塗り方は,\ 4色から2色を選びさえすれば,\ その2色の塗り方は1通りである. \\[.2zh] 2色をそれぞれどっちに塗ったとしても,\ 上面と底面をひっくり返すと一致するからである. \\[.2zh] 上面と底面を異なる色で塗った後は,\ ひっくり返して一致する可能性を考慮する必要がなくなる. \\[.2zh] よって,\ 残りの2つの側面を2色で塗る塗り方は2通りあるとわかる.  (3)\ \ 同じ色で3面を塗ると条件を満たさない. \\[1zh] \phantom{ (1)}\ \ \textcolor{red}{2色を使って4つの側面を塗る}方法は $\textcolor{red}{\kumiawase 42\times1}=6\ (通り)$ \\[.2zh] \phantom{ (1)}\ \ 回転を考慮すると,\ \textcolor{forestgreen}{上面と底面の塗り方は1通り}である. \\[1zh] 4色での塗り方は(\maru1,\ \maru1,\ \maru1,\ \maru2,\ \maru3,\ \maru4)と(\maru1,\ \maru1,\ \maru2,\ \maru2,\ \maru3,\ \maru4)の2パターンが考えられる. \\[.2zh] しかし,\ 前者の組合せでは,\ 同じ色の面が向かい合うように塗ることができない. \\[1zh] 側面の塗り方は,\ 4色から2色を選びさえすれば,\ その2色の塗り方は1通りである. \\[.2zh] 後は上面と底面だが,\ 2色をどっちに塗ったとしても,\ 上面と底面をひっくり返すと一致する.  (4)\ \ \textcolor{red}{3色それぞれを向かい合う2面に塗る}方法は \textbf{1通り} \\\\[1zh]  (5)\ \ 2色\maru1,\ \maru2で塗るとする. \\[1zh] \phantom{ (1)}\ \ [1]\ \ $\textcolor{forestgreen}{(\maru1,\ \maru2)=(6面,\ 0面),\ (0面,\ 6面)}$のとき 1通りずつあるので2通り \\[.5zh] \phantom{ (1)}\ \ [2]\ \ $\textcolor{forestgreen}{(\maru1,\ \maru2)=(5面,\ 1面),\ (1面,\ 5面)}$のとき 1通りずつあるので2通り \\[.5zh] \phantom{ (1)}\ \ [3]\ \ $\textcolor{forestgreen}{(\maru1,\ \maru2)=(4面,\ 2面)}$のとき \textcolor{red}{\maru2の2面が向かい合うか隣り合うか}の2通り \\[.5zh] \phantom{ (1)}\ \ [4]\ \ $\textcolor{forestgreen}{(\maru1,\ \maru2)=(3面,\ 3面)}$のとき \textcolor{red}{\maru1の3面が1つの頂点を共有するか否か}の2通り \\[.5zh] \phantom{ (1)}\ \ [5]\ \ $\textcolor{forestgreen}{(\maru1,\ \maru2)=(2面,\ 4面)}$のとき \textcolor{red}{\maru1の2面が向かい合うか隣り合うか}の2通り \\\\ \centerline{$\therefore [1]\,~\,[7]\,は互いに排反であるから 2+2+2+2+2=\bm{10\ (通り)