ベクトルと正五角形、cos108°の値

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次の正五角形の性質を一通り学習済みであることを前提としています。

1辺の長さが1の正五角形ABCDEについて$AB}=a,\ AE}=b$とする.
また,\ 線分BDと線分CEの交点をFとする.
対策が手薄になりがちな正五角形だが,\ ベクトルと絡めた出題が意外と多い.
問い方は様々である.\ ただし,\ 事実上{対角線の長ささえ求めることができればほぼ対応できる.}
正五角形の対角線の長さは,\ {三角形の相似を利用}して求めるのが基本である.
正五角形の性質は数A}:平面図形で詳しく扱っているので,\ ここでは簡単な解説に留める.
先に,\ 角度を求めて相似であることを確認する.\ 実際の試験では,\ 相似の根拠を記述しておくとよい.
今回は{ BEF∽ CDFを利用したが,\ CDF∽ BDC}などでもいける.
対角線を引いたときに表れる三角形の形状は,\ 36°,\ 72°,\ 72°と108°,\ 36°,\ 36°の2つしかない.
よって,\ 好きな箇所の相似な三角形を利用すればよい.
正五角形は{AC,\ AD}を引くと3つの三角形に分割されるから,\ 内角の和は180°3=540°である.
1つの内角は5405=108°で,\ さらに{ ABE}は二等辺三角形なので,\ ∠{ABE=36°}となる.
対称性にも注意すると,\ ∠{CBD=36°,\ ∠ CDB=36°であり,\ ∠ DBE=36°}などもわかる.
錯角{∠ FDC=∠ FBE}より,\ BE∥ CDであることも重要である.\ 対称性からも明らかであろう.
実際に対角線の長さを求めるには,\ {2本の対角線の交点と頂点の距離のうち短い方をxとおく.}
後は「{正五角形の交わる対角線は,\ 互いに他方の対角線を1:x(黄金比)に分割する}」を利用する.
{BCF}は36°,\ 72°,\ 72°の二等辺三角形なので,\ BC=BF=1となるからである.
対角線BE=DB=DF+FB=x+1から比を立式でき,\ x,\ そして対角線の長さが求まる.
四角形ABFEは平行四辺形}である.
始点を Aに統一し,\ を利用する.
対辺が平行なので平行四辺形であり,\ であるならばその対角線のベクトルは和である.
ちなみに,\ {AB=AE=1}より,\ 四角形{ABFE}はひし形である.
{AB=AE=1,\ BE}={1+5}{2}が既知なので,\ {3辺から内積を求める}問題である.
この場合,\ {余弦定理のベクトル表示を利用する}のであった.
実際には,\ BE²をa,\ bで表し展開する.
実質的に余弦定理なので,\ cos∠{A}=cos108°が求まることに等しい.
もはやベクトルは関係ないが,\ 以下のようにcos36°の値を求めることもできる.
関連して問われることがあるので確認しておいてほしい.
ひし形の対角線は垂直に交わるから,\ {ABG}は直角三角形である.
よって cos∠ {ABG=cos36°={BG}{BA}=12BE={1+5}{4
さらに,\ 2倍角や半角など三角関数の各種公式を用いてcos18°やcos72°の値も求められる.