三角形の外心Oに関するベクトルの等式 aOA+bOB+cOC=0

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ABCにおいて,\ 外接円の半径を1,\ 外心をOとする.
$また,\ {ABC}は,\ 5OA}+7OB}+8OC}=0}\ を満たしている.$
 $∠{COA}$の大きさと辺ACの長さを求めよ.\ ただし,\ $0°<∠{COA}<180°$とする.  ${ABC}の面積Sを求めよ.$ 三角形の外心{O}に関する等式 aOA}+bOB}+cOC}=0$ 本問は,\ 等式の扱い方を知っているかどうかが重要である. 1つの項だけ移項し,\ 両辺の大きさを2乗すると内積が求まる. そして${OA=OB=OC}$が成り立つ場合,\ 内積から中心角の${cos}$や3辺の長さも求まる. つまり,\ $$ABCの形状が完全に決定する. ∠{COA}を求めるにはOA}OC}が必要なので,\ {OB}\ を分離して両辺の大きさを2乗}する. {(半径の大きさ)=1}を代入することで,\ 内積の値が求まる. さらに,\ OA}OC}=OAOCcos∠{COA}=11cos∠{COA}=-12より,\ なす角も求められる. 辺{AC}の長さは,\ ACの始点を{O}に変換して求めればよい. 余弦定理を用いて\ {AC²=OC²+OA²-2 OA OCcos120°}\ として求めるのと同じである. $cos∠{COA}$から$$OCAの面積が求められる. $$ABCの面積を求めるには,\ と同様にして$cos∠{AOB}$と$cos∠{BOC}$を求めればよい. ただし,\ 頂点Bが弦ACの優弧側か劣弧側かにより面積の求め方が変わることに注意する. 左図ならば${ OAB+ OBC+ OCA}$,\ 右図ならば${ OAB+ OBC- OCA}$である. と同様に内積を求め,\ {三角形の面積のベクトル表示}を利用して面積を求める. ただし,\ {OCA}だけは有名角なので,\ 三角比による面積公式を用いればよい. {点Bの位置を確認するため,\ {内積の正負に着目}する.} 2つのベクトルのなす角を\ θ\ (0°<θ<180°)とする. {(内積)>0}ならばcosθ>0より{θ\ は鋭角},\ {(内積)<0}ならばcosθ<0より{θ\ は鈍角}である. つまり,\ OB}\ と\ OC},\ OA}\ と\ OB}\ のなす角はいずれも鈍角である. ここから,\ {頂点{Bが弦ACの優弧側にあると判断できる. 本問は,\ 以前扱った{aPA}+bPB}+cPC}=0}\ を満たす点{P}の位置問題}の特殊な場合である. 等式の条件だけでは {ABC}の形状は定まらなかったが,\ 追加条件({P=外心O})があると定まる. また,\ 一般に{ PBC: PCA: PAB}=a:b:c\ が成立するのであった. 本問においても,\ OBC: OCA: OAB}=5:7:8}\ が成立していることが確認できる. 辺ACを$8:5$に内分する点をD}とすると $OB}=-{13}{7}OD$ { }よって,\ 頂点Bは${BO:OD=13:7}$となる位置}にある. より,\ {OCA}の面積が直ちに求まる. この場合,\ aPA}+bPB}+cPC}=0}\ を満たす点{P}の位置問題と同様の解法が有効である. {等式をOB}=にしてさらに無理矢理内分の位置ベクトルの公式の形に変形する.} すると,\ 頂点{Bが外心O}からみてどのような位置にあるかがわかる. 後は比を用いて容易に面積Sが求められる.