異なる数字の順列(奇数・偶数・3の倍数・4の倍数)とその和

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6個の数字$0,\ 1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 5$から異なる4個を選んで4桁の整数を作る. このとき,\ 次の条件を満たす整数は何個できるか. \ lll} (1)\ \ 整数 & (2)\ \ 奇数 & (3)\ \ 偶数 (4)\ \ 3の倍数 & (5)\ \ 6の倍数 & (6)\ \ 4の倍数 (7)\ \ 4の倍数\ または\ 5の倍数  & (8)\ \ 3200より大きい整数  数字の順列 \\   数字の順列の総数を求めるうえで主要なポイントを3つ挙げる.    $[1]$\ \ 条件の強い位から順に処理していく.    $[2]$\ \ 最高位に0がくると桁数が減る.    $[3]$\ \ 次の倍数条件を要確認. 3の倍数} 各位の数の和が3の倍数 & 4の倍数} {下2桁が4の倍数\ または\ 00 & {04,\ 08を忘れない!}6の倍数} 2の倍数\ かつ\ 3の倍数 &2と3は互いに素}) {9の倍数} 各位の数の和が9の倍数 & {3の倍数条件と類似}) 倍数条件は原理を理解しておけば忘れることはない.\ \ 4桁の整数の例を示す. すべての4桁の整数abcdは,\ 1000a+100b+10c+d\ \,(a,\ b,\ c,\ dは1桁の整数)\ と表せる. 3の倍数条件 1000a+100b+10c+d=(999a+a)+(99b+b)+(9c+c)+d 3の倍数条件 1000a+100b+10c+d}=3(333a+33b+3c)+a+b+c+d} 4の倍数条件 1000a+100b+10c+d=4(250a+25b)+10c+d} 9の倍数条件 1000a+100b+10c+d=(999a+a)+(99b+b)+(9c+c)+d 3の倍数条件 1000a+100b+10c+d}=9(111a+11b+c)+a+b+c+d} 要は,\ 3,\ 4,\ 9で可能な限りくくったときの余り(下線部)が3,\ 4,\ 9の倍数ならばよい}わけである. 合成数(素数の積)の倍数条件は,\ 互いに素(共通の約数をもたない)な2数に分割}して考える. 2×3=6で,\ 2と3は互いに素であるから,\ 2の倍数\ かつ\ 3の倍数が6の倍数条件である. 千の位の数字は0以外の5通り}がある.$ $残りの位は,\ 5個の数字から3個を選んで並べる順列}である.$ \fbox{千}\ \fbox{百}\ \fbox{十}\ \fbox{一}\ に数を順に入れていくと考える}とよい. 0でないという制限つきの千の位を先に処理する.} 千の位に1\,~\,5のどれを入れたとしても,\ 他の位は残りの5個の数字のうち3個を入れることになる. 千の位の5通りのいずれに対しても他の位の入れ方は\,P53\,通りであるから,\ 積の法則}で求められる. 千以外の位を\,P53\,でまとめて考えるのが難しいならば,\ 1つずつ順番に入れていけばよい. \fbox{千}\ \ 1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 5\,(0以外の数字)\,のうちの1つを入れる.\ 5通り. \fbox{百}\ \ 千の位で使った数字を除く5個の数字のうちの1つを入れる.\ 5通り. \fbox{十}\ \ 千と百の位で使った数字を除く4個の数字のうちの1つを入れる.\ 4通り. \fbox{一}\ \ 千と百と十の位で使った数字を除く3個の数字のうちの1つを入れる.\ 3通り. よって 5×5×4×3=300\ (個) 「何を入れたか」と「何通りあるか」を混同してしまう学生が意外に多い. 例えば,\ 本問が「千の位が3である整数」であったとする. 千の位は3の1通りしかないから,\ 正しくは\ 1×P53\ である. 書き方は各自の自由だが,\ 「入れた数字」と「何通りあるか」を混同しない}よう注意してほしい.  (2)\ \ $一の位は1,\ 3,\ 5の3通り}である.$ $千の位は,\ 0と一の位の数を除く4通り}である.$ $残りの位は,\ 4個の数字から2個を選んで並べる順列}である.$ 一の位が1,\ 3,\ 5のみ,\ 千の位が0以外}という2つの条件がある. 3通りに限られる一の位の条件の方が強いので,\ 一の位\ →\ 千の位\ →\ 他の位}\ の順で処理する. \fbox{一}\ \ 1,\ 3,\ 5のうちの1つを入れる.\ 3通り. \fbox{千}\ \ 0と一の位で使った数字を除く4個の数字のうちの1つを入れる.\ 4通り. \fbox{百}\ \ 一と千の位で使った数字を除く4個の数字のうちの1つを入れる.\ 4通り. \fbox{十}\ \ 一と千と百の位で使った数字を除く3個の数字のうちの1つを入れる.\ 3通り 一の位が0}のとき,\ 残りの位は5個の数字から3個を選んで並べる順列}である.$ 一の位が2,\ 4}のとき,\ 千の位は0と一の位の数を除く4通り}である.$  (3)}\ \ \ \ $残りの位は,\ 4個の数字から2個を選んで並べる順列}である.{(総数)-(奇数) 一の位は0,\ 2,\ 4,\ 千の位は0以外}という2つの条件がある. 一の位と千の位の0に関する条件が互いに影響し合うため,\ 同時に考慮することはできない. 同時に考慮できないならば,\ とにかく場合分け}して考えるしかない. 一の位が0の場合と一の位が2,\ 4の場合に分けて考える.}\ この2つの場合は互いに排反}である. 一の位が0の場合,\ 千の位に0が並ぶ可能性はなくなる. よって,\ 千,\ 百,\ 十の位には0以外の5個の数字うち3個が並ぶ.\ 一の位は0の1通りである.\ 一の位が2か4の場合,\ 千の位に0が並ばないことに注意する. 先に千の位に0と一の位以外の数を並べ,\ 残りの4個の数字のうち2個を百の位と十の位に並べる. 一の位は2か4の2通りである.  (4)\ \ $3の倍数条件は,\ 各位の数の和が3の倍数}になることである.$ $和が3の倍数になる4つの数の組は$ (0,\ 1,\ 2,\ 3)}を並べてできる整数の個数は  「和が3の倍数」のように順序に関係ない条件があるとき,\ 組合せを先に考える}ことが有効である. 組合せならば総数が少なく,\ 短時間にすべて書き出せることが多い. 一旦組合せを考えた後で,\ その組合せから作られる順列の総数を積の法則で求めるのである. 4つの数の組の最小の和は0+1+2+3=6,\ 最大の和は2+3+4+5=14である. よって,\ 和が3の倍数6,\ 9,\ 12となる組を書き出せばよい. このとき,\ 闇雲に組合せを書きだそうとしてしまうと漏れが生じるリスクが生じる. 辞書式配列で確実にすべての組合せを調べ尽くす.} C nr\,を学習済みならば,\ 4つの数の組が全部で\,C64=15組ありえることがあらかじめわかる. (a,\ b,\ c,\ d)に対し\と設定しておく}と,\ 同じ組合せを書き出さずに済む. 結局,\ 以下のような順で15組を調べればよい. 和が6になる組が1組,\ 9になる組が2組,\ 12になる組が2組見つかる. 上級者向けだが,\ 3で割ったときの余りに着目}し,\ さらに効率よく調べる方法がある. 「和が3の倍数」は,\ 「3で割ったときの余りの和が3の倍数」}と言い換えられる(数 A:整数). 3で割ったときの余りは0,\ 1,\ 2しかないので,\ これらの和が3の倍数になる組合せを考える. 和が0は(0,\ 0,\ 0,\ 0),\ 和が3は\ (0,\ 0,\ 1,\ 2)},\ (0,\ 1,\ 1,\ 1),\ 和が6は(0,\ 2,\ 2,\ 2),\ (1,\ 1,\ 2,\ 2)} ここで,\ 6個の数字を3で割ったときの余りは 余り0\ (0と3) 余り1\ (1と4) 余り2\ (2と5) 余りが同じ数字はそれぞれ2数ずつしかないので,\ 下線部の組合せ以外はありえない. 余りが(0,\ 0,\ 1,\ 2)となる組は (0,\ 3,\ 1,\ 2),\ (0,\ 3,\ 1,\ 5),\ (0,\ 3,\ 4,\ 2),\ (0,\ 3,\ 4,\ 5) 余りが(1,\ 1,\ 2,\ 2)となる組は (1,\ 4,\ 2,\ 5) 組合せを書き出した後,\ 各組の数字を並べてできる整数の個数をそれぞれ求める. (0,\ 1,\ 2,\ 3)の場合は,\ 千の位が0以外の3通り,\ 他の位は残りの3個の数字の順列である. 0を含む他の3組の場合の個数も同じである. 0を含まない唯一の組(1,\ 2,\ 4,\ 5)の場合は,\ 単なる4個の数字の順列となる. 各組は互いに排反}であるから最後に足し合わせる(和の法則}). ただし,\ 18個の4組は,\ 18+18+18+18\ ではなく×\,4\,で素早く求めればよい. 3の倍数となる各組の中で,\ さらに偶数となる整数の個数}を数える. 6の倍数条件は「\,2の倍数\ かつ\ 3の倍数」}である. より強い条件である3の倍数条件については,\ すでに(4)で考慮した. 後は,\ 和が3の倍数となる各組から作ることができる偶数の個数を求めればよい.} 偶数の個数は,\ 「\,0の有無」と「\,0以外の偶数2,\ 4が何個あるか」}の両方に依存する. まとめて求めることはできないので,\ 各組ごとに偶数の個数を求めることになる. (0,\ 1,\ 2,\ 3)のとき,\ 一の位が0か否かで場合分け}を要する. 一の位が0のとき,\ 他の位は1,\ 2,\ 3の並びになるから,\ 1×3!\ 通りである. 一の位が0でないとき,\ 一の位は2の1通り,\ 千の位は0と2以外の2通りである. 他の位には残った2個の数字を並べるから,\ 1×2×2!\ 通りである. (0,\ 3,\ 4,\ 5)のときも同様であるので,\ まとめて\ ×\,2\ とした. (0,\ 1,\ 3,\ 5)のとき,\ 一の位は0の1通り,\ 他の位は残りの3個の数字を並べて,\ 1×3!\ 通り. (0,\ 2,\ 3,\ 4)のときも,\ 一の位が0か否かで場合分け}を要する. 一の位が0のとき,\ 他の位は2,\ 3,\ 4の並びになるから,\ 1×3!\ 通りである. 一の位は0でないとき,\ 一の位は2,\ 4の2通り,\ 千の位は0と一の位の数以外の2通りである. 他の位には残った2個の数字を並べるから,\ 2×2×2!\ 通りである. (1,\ 2,\ 4,\ 5)のとき,\ 一の位は2,\ 4の2通り,\ 他の位は残りの3個の数字を並べて,\ 2×3!\ 通り.  (6)\ \ $4の倍数条件は,\ 下2桁が4の倍数または00}になることである.$ $下2桁は 04,\ 12,\ 20,\ 24,\ 32,\ 40,\ 52}$ 4の倍数になるときの下2桁を全て書き出す.\ 漏れがないように,\ 04,\ 08,\ ・・・\ と順に考える. 上2桁が何通りあるかは,\ 下2桁で0を使用済みか否かに依存する}から,\ 場合分けが必要になる. 下2桁に0を含むとき,\ 上2桁は残りの4個の数字のうち2個を並べるから\,P42\,通りある. 0を含む下2桁は3通りあるから,\ ×\,3として求める. 下2桁に0を含まないとき,\ 千の位は0と下2桁の数以外の3通りである. また,\ 百の位は下2桁の数と千の位の数以外の3通りである. 0を含まない下2桁は4通りあるから,\ ×\,4として求める. $5の倍数になるのは,\ 一の位が0か5}のときである.$ $よって,\ 5の倍数になる整数の個数は 60+48=108\ (個)$ $20の倍数になるのは,\ 下2桁が20か40}のときである.$  4または5の倍数の個数は 72+108-24=156\ (個)}$ 4の倍数と5の倍数は互いに排反ではない}から,\ 以下の個数定理}を利用することになる.  (4の倍数\ または\ 5の倍数)=(4の倍数)+(5の倍数)-(4の倍数\ かつ\ 5の倍数)} 4の倍数かつ5の倍数は,\ 4と5の最小公倍数20の倍数}である. 4の倍数の個数は(6)で求めた.\ 5の倍数の個数は,\ 一の位が0か5かで場合分けして求める. 一の位が0のとき,\ 他の位は1\,~\,5から3個選んで並べるから,\ P53\,通りである. 一の位が5のとき,\ 千の位は1,\ 2,\ 3,\ 4の4通り,\ 他の位は残りの4個の数字のうち2個を並べる. 20の倍数条件は下2桁が00,\ 20,\ 40,\ 60,\ 80だが,\ 本問の条件下でありえるのは2通りである. 0は下2桁で使用済みなので,\ 上2桁は残りの4個の数字のうち2個を並べればよい. 千の位が4または5であれば,\ 他の位が何であっても確実に3200より大きくなる. しかし,\ 千の位が3のとき,\ 他の位次第で3200より小さくなる可能性がある. よって,\ 千の位が4,\ 5の場合と3の場合を分けて考えることになる. 千の位が4または5のとき,\ 他の位は残りの5個の数字のうち3個を並べればよい. 千の位が3のとき,\ 百の位が4か5ならば当然3200より大きくなる. また,\ 千の位で使用済みであるから,\ 百の位が3になることはない. さらに,\ 百の位が2のとき下2桁が00となることはないから,\ この場合も3200より大きくなる. 結局,\ 百の位は2,\ 4,\ 5の3通りがあり,\ 十の位と一の位は残りの4個の数字のうち2個を並べる. できる限りまとめて求めてみたが,\ 難しいと感じるならばより細かく場合分けすればよい. 5つの排反な場合に分けて求めることができる.  5○○○ P53\ 個   4○○○ P53\ 個  35○○ P42\ 個   34○○ P42\ 個   32○○ P42\ 個 6個の数字0,\ 1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 5から異なる4個を選んでできるすべての4桁の整数の和を \ \ $千の位が1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 5の整数は,\ それぞれ\,P53\,個ずつある.$ \ \ $千の位の数の和は (1+2+3+4+5})×P53}=900}$ \ \ $百の位が1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 5の整数は,\ それぞれ\ 4×P42\ 個ずつある.$ \ \ $百の位の数の和は (1+2+3+4+5})×(4×P42})=720}$ \ \ $十の位と一の位についても同様である.$ すべての4桁の整数abcdは,\ 1000a+100b+10c+d\ (a,\ b,\ c,\ d:1桁の整数)\ と表せる. これを利用して例のように考えると,\ 結局各位の数字の和をそれぞれ求めればよい}とわかる. 千の位が1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 5のとき,\ 下3桁は残り5個の数字のうち3個を並べるから\,P53\,通りある. つまり,\ 1○○○,\ 2○○○,\ 3○○○,\ 4○○○,\ 5○○○\ が\,それぞれ\,P53\,個}ずつある. 百の位は0,\ 1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 5がありえるが,\ 0である数は和に影響しない.} よって,\ 百の位が1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 5のときのみを考えればよく,\ 他の位は\ 4×P42\ 通りある. 千の位は0と百の位の数以外の4通り,\ 下2桁は残り4個の数字のうち2個を並べる. 百の位の数の和は\ \ 十の位と一の位の数の和も百の位の数の和と同様である.
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