∫xsinx/(3+sin²x)dx ∫x(sinx)dx=π/2∫f(sinx)dx ∫(x-a/2)f(x)dx=0 連続関数f(x)に対し, が成り立つことを示せ.$} \x}dx$を求めよ. 点対称性に関する等式を利用する定積分 不定積分ができなくても,\ 定積分ならば点対称性に関する等式を利用して求められることがある. 点対称性に関する等式を証明した後,\ 定積分を計算するという流れで出題される. 等式の証明が肝だが,\ 多少の慣れと経験が必要である. {x=π-t\ と置換}して定積分するのが全てである. その置換の発想がどこから生まれるかについては後で述べる. 公式sin(π-θ)=sinθ\ も適用して整理した後,\ 分割する. さらに{積分変数をxに変換すると同型ができる}ので,\ まとめた後にこれについて解く. {定積分では積分変数を自由に変更できる}ことを利用している. \ ∫xdx=∫ada=∫tdt の等式は,\ 前のxを消去してより簡単な定積分に帰着させることができることを意味する. sin xのみの関数になるから,\ {微分形接触型に変形}することを目指す. 分子のsin xを1個分離し,\ 残りをcos xのみで表せばよい(sin²x+cos²x=1を利用). これで微分形接触型f(cos x)sin xとなるから,\ cos x=uと置換する. f(u)={1}{4-u²}\ とすると,\ f(-u)={1}{4-(-u)²}={1}{4-u²}=f(u)\ が成立する. よって,\ {f(u)は偶関数(y軸対称)}であり,\ 公式\ ∫-a}{a}f(x)dx=2∫0}{a}f(x)dx\ が利用できる. 分母が因数分解できるから,\ {部分分数分解}して積分する. {1}{(2+u)(2-u)}={A}{2+u}+{B}{2-u}\ とおいて分母をはらうと 1=A(2-u)+B(2+u) u=-2としてA=14,u=2としてB=14\ を得る. {1}{2+u}\ と\ {1}{2-u}\ は{1次式置換型}であり,\ {1}{2-u}を積分すると-がつくことに注意する.の図形的意味 変形すると 関して点対称な関数である.$ ゆえに,\ $[0,\ π]で積分すると,\ {上側と下側の面積が打ち消しあって0になる.$ に関して対称な位置にある. ここで,\ sin(π-θ)=sinθより,\ f(sin(π-x))=f(sin x)\ である. よって,\ y=f(sin x)において,\ xにおけるy座標とπ-xにおけるy座標は等しい. ゆえに,\ {y=f(sin x)は直線x={π}{2}に関して対称}である. このy=f(sin x)に点({π}{2},\ 0)に関して対称な直線x-{π}{2}を掛けた関数F(x)を考える. 0.95}{$F(π-x)=-F(x)\ より,\ y=F(x)において,\ xにおけるy座標とπ-xにおけるy座標は逆である.$ これは,\ {F(x)が点({π}{2},\ 0)に関して対称}であることを意味している. さて,\ y軸(x=0)対称の関数に原点(0,\ 0)対称の関数を掛けると,\ 原点(0,\ 0)対称の関数ができる. つまり,\ (偶関数)(奇関数)=(奇関数)\ であった.\ このこととF(x)は本質的に同じである. x={π}{2}対称の関数に点({π}{2},\ 0)対称の関数を掛けると点({π}{2},\ 0)対称の関数となるわけである. ここまでの話を踏まえると,\ f(sin x)という関数に本質的な意味合いがないことがわかる. つまり,\ f(sin x)でなくとも直線x={π}{2}に関して対称な関数f(x)に対して同じ話が成り立つ. 結局,\ 等式は次のように一般化できる. f(π-x)=f(x)\ (直線x={π}{2}\ に関して対称)を満たすf(x)に対して ∫0}{π}(x-{π}{2})f(x)dx=0 よくよく考えると,\ πである必然性もない.\ よって,\ さらなる一般化ができる. f(a-x)=f(x)\ (直線\ x= a2\ に関して対称)を満たすf(x)に対して ∫0}{a}(x- a2)f(x)dx=0 以上から,\ 等式の正体が以下のようにまとめられる. また,\ この等式を証明するとき,\ 当然f(a-x)=f(x)という性質を生かす必要がある. そこで,\ x=a-tと置換してf(x)=f(a-t)=f(t)とする発想が自然に生まれるわけである. $連続関数f(x)が{f(a-x)=f(x)を満たす({直線x= a2対称である)とき$ ${(x- a2)f(x)は点( a2,\ 0)対称であるから
