無理関数の積分:分母の有理化と根号丸ごと置換

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∫x/(√(2x+3)-√3)dx ∫(x+1)√(2x-1)dx ∫x³/√(x²+1)dx ∫1/√(1-√x)dx 次の積分を計算せよ. 無理関数の積分 $$分母を定数にできるならば,\ 分母を有理化する. $$根号内が1次式ならば,\ 根号を丸ごと置換する. 有理化すると約分でき,\ の{「1次式置換型」}に帰着する. 本問のように分母が定数になる場合,\ 有理化が有効である. 下のように有理化しただけで定数になる場合もあるし,\ 本問のように約分して定数になる場合もある. 逆に言えば,\ これら以外の場合は有理化しても意味がない. 根号内が1次式ならば,\ 根号を丸ごと置換するとxとdxがtのみの簡単な式で表せる. {ax+b}=t → ax+b=t² → x={t²-b}{a} → dx={2}{a}dt 根号内が2次以上の式の場合は次のようになり,\ xとdxがtのみの簡単な式で表せない. {ax²+b}=t → ax²+b=t² → 2axdx=2tdt → dx={t}{ax}dt 結局,\ {根号丸ごと置換は原則として根号内が1次式の場合のみに有効な手法といえる.} 最後,\ 因数分解する方向で整理した後,\ xの式に戻す. 他ですでに述べたが,\ 本問は{2x-1で展開して1次式置換型に帰着させる}別解が簡潔である. tの式f(t)をxで微分すると  (合成関数の微分) x²+1=t³\ の両辺をxで微分すると 2x=3t²{dt}{dx}   よって 2xdx=3t²dt で述べたように,\ 根号内が2次以上の式の場合,\ 普通は根号丸ごと置換がうまくいかない. しかし,\ {微分形接触型}ならば話は別である. 本問の場合,\ x³=x² xと考えると,\ x²+1の微分形2xが接触しているとみなすことができる. よって,\ x²+1=tと置換すると成功するが,\ ついでに根号丸ごと置換してもよいというわけである. 実際,\ 微分形xも含めてうまくdtに変換できる. とおいても積分できるが,\ 二度手間になるので丸ごと置換して積分する.