数Ⅲの積分は高校数学の王者ともいうべき存在であり、高校生にとって最後の高い壁として立ちはだかる。
微分計算は、最低限の公式の暗記および積・商・合成関数の微分法をマスターするだけで、ほとんどの関数をほぼ同じようなやり方で微分することができた。しかし、積分計算には積・商の一般的な方法(どんな関数にでも通用する方法)が存在しないため、それぞれの積分計算ごとに適切な変形や解法が必要となる。
これまでに高校で学習してきた様々な関数のあらゆる公式や変形を総動員して取りかからなければならないため、基本を着実に積み重ねてきていない学生は大変な思いをすることになるだろう。
計算量自体も非常に多くなる傾向があり、相当の計算力が要求される。単に答えを求めることができると言うだけでは不十分で、素早く正確に求めることができるようになるまで繰り返し問題演習をしておかなければ実戦では通用しない。
微分法のところでも触れたが、微分・積分は大学数学の柱であり、多くの大学の2次記述試験では数Ⅲの微分・積分が5割近くの問題を占める。まともに微分・積分計算ができないような学生は大学に必要ないということの現れである。心して学習してもらいたい。
当カテゴリでは積分計算の解法パターンをかなり高いレベルまで網羅する。難易度が高いものは上級者だけでよいが、国立大学合格を目指すならば、全体の7、8割を習得しておく必要があるだろう。
当カテゴリにあるパターンを一通り認知しただけで積分計算をマスターしたと思ってはならない。
実際の試験では様々なパターンがランダムに出題される。以下のカテゴリでどのパターンであるかを見抜くための演習をして、実戦的な力を養ってほしい。
当サイトでは、型を認識しやすくするために「微分形接触型」のような名称を勝手に作成した。これらは正式な数学用語ではないので、試験で使わないように注意すること。
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当カテゴリ内記事一覧
- 暗記すべき積分基本公式:教科書の公式だけでは不十分だ!
- 積分計算の基本的な考え方
- 置換積分の基本
- 置換積分の一種「1次式置換型」:置換せずに瞬殺せよ!
- 置換積分の一種「微分形接触型」:最重要の置換の目安
- 微分形接触型の一種「分子が分母の微分型」:置換せずに瞬殺せよ!
- 微分形接触型の一種「微分形接触累乗型」:置換せずに瞬殺せよ!
- 部分積分①:(多項式)×(多項式)型
- 部分積分②:(多項式)×(指数関数)型
- 部分積分③:(多項式)×(三角関数)型
- 部分積分④:(多項式)×(対数関数)型
- 部分積分⑤:(指数関数)×(三角関数)型
- 裏技!瞬間部分積分!
- ∫(x-α)m(x-β)ndx 型の定積分
- 絶対値付き関数の定積分
- 偶関数と奇関数の定積分とその公式の証明
- 分数関数(有理関数)の積分:分子の次数下げと部分分数分解
- 無理関数の積分:分母の有理化と根号丸ごと置換
- 三角関数の積分①:三角関数の相互関係の利用
- 三角関数の積分②:2倍角・3倍角・積和の公式の利用
- 三角関数の積分③:微分形接触型を目指して変形せよ!(最重要)
- 三角関数の積分④:tanx=t、tan(x/2)=tとおいて有理関数に帰着させる
- 三角関数の積分⑤:∫1/sinxdx、∫1/cosxdx
- 三角関数の積分⑥:∫1/(1±cosx)dx、∫1/(1±sinx)dx
- 三角関数の積分⑦:∫√(1±cosx)dx、∫√(1±sinx)dx
- 三角関数の積分⑧:文字を含む三角関数の積の定積分 ∫sinmxcosnxdxなど
- 指数関数の積分:最悪ex=tとおけ!
- 対数関数の積分:対数の性質や部分積分を利用せよ!
- 特殊な置換をする定積分①:√(a²-x²)を含む定積分はx=asinθとおけ!
- 特殊な置換をする定積分②:1/(x²+a²)を含む定積分はx=atanθとおけ!
- 特殊な置換をする不定積分:√(x²+a²)を含む不定積分(最高難度)と特殊な置換の根拠
- 点対称性に関する等式∫xf(sinx)dx=π/2∫f(sinx)dxを利用する定積分
- 線対称性に関する等式∫f(x)dx=∫f(a-x)dxを利用する定積分
- 微分の誘導を利用する積分
- 応用的・裏技的な積分公式一覧