∫(x-α)m(x-β)ndx 型の定積分

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∫(x-α)(x-β)dx -1/6(β-α)³ ∫(x-α)²(x-β)dx -1/12(β-α)⁴ ∫(x-α)²(x-β)²dx 1/30(β-α)⁵ ∫(x-α)(x-β)(x-γ)dx 1/12(γ-α)³(2β-α-γ) ∫(x-1)(2x-3)⁴dx ∫(2x-6)√(x-2)dx  次の積分を計算せよ$型の積分 複数の代表的な解法があるので,\ メリット・デメリットとともに確認していこう. \ まずは{普通に展開して計算する解法である. 代入後,\ 共通因数をもつものを組み合わせ,\ 因数分解する方向で整理する. 展開する方向で整理してしまうと,\ 最後に簡潔な形にまとめることが非常に難しくなる. 他の解法と比較すれば明らかだが,\ 非常に面倒な上に応用性もなく,\ ほぼメリットはない. あえてメリットを挙げるならば,\ 文字ではなく数字ならば誰もが容易に計算できる. 別解1は,\ {x-αで展開し,\ 1次式置換型に帰着させる解法で,\ {極めて簡潔かつ有効}である. まず,\ x-β\ を無理矢理x-αの形に変形する.\ x-αを作り,\ つじつまを合わせればよい. 次に,\ x-αを1つのものとみなして展開する.\ これを{x-αで展開する}という. 結局,\ 1次式置換型\ ∫(x-α)^ndx={1}{n+1}(x-α)^{n+1}+C\ に帰着する. {αを代入したときにすべて0になる}ということも計算上有利である. 別解2は,\ {置換積分による解法であるが,\ よく観察すると別解1と本質的に同じとわかる. x-αを1つのものとみなして計算するか,\ =tと置き換えて計算するかの違いでしかない. ある意味わかりやすいが,\ 実質的には別解1よりも面倒になっただけなので本解法の必要性は低い. 別解3は,\ {部分積分による解法である. (多項式)(多項式)型なので,\ 一方を微分形とみて部分積分し,\ 一方の次数を下げていけばよい. 次数が低いほうの式を後で微分するために,\ {次数が高いほうの式を微分形とみなす}ことになる. ただし,\ 本問は両方の式が同じく1次なので,\ どちらを微分形とみなしてもよい. 部分積分による解法は,\ 別解1に匹敵する簡潔さがある. 一方で,\ 「この程度の積分に部分積分は高級すぎるのではないか」と感じるかもしれない. 確かに,\ 本問に限っては部分積分の有り難さはあまり感じられない. しかし,\ {部分積分による解法は,\ 他の解法を上回る応用性がある故,\ 最も本質的な解法}といえる. つまり,\ (x-α)^m(x-β)^nで次数m,\ nが大きくなったとき,\ 部分積分以外では対応が困難になる. この場合は部分積分して漸化式を作成することになるが,\ 詳細は積分漸化式の項目で取り扱う. {2乗は,\ x-αとβ-αをそれぞれ1つのものとみて展開する.} 2次式であるから,\ 部分積分する場合は2回繰り返す必要がある(別解1). ちなみに,\ {瞬間部分積分の公式(裏技)を用いるとほとんど瞬殺である(別解2). ここでは,\ f^0=(x-β)²,\ g^0=(x-α)²\ として瞬間部分積分した. f^0は微分を繰り返し(最初だけはそのまま),\ g^0は積分を繰り返せばよい. 符号が交互に入れ変わることにも注意する.\ {部分積分の高次への応用性の高さが体感できる}だろう. 3つの関数の積となると部分積分しにくいので,\ x-αで展開する方針でいく. x-β,\ x-γともにx-αの形に変形し,\ x-α,\ β-α,\ γ-αを1つものとして展開する. との結果を既知とするならば,\ 別解の方法も考えられる. 通常,\ {∫α}{β}(x-α)(x-β)dx=-16(β-α)³\ は公式として積極使用して何ら問題ない. 一方,\ {∫α}{β}(x-α)²(x-β)dx=-{1}{12}(β-α)⁴\ を無断使用してよいかは微妙である. 次の積分を計算せよ {2x-3で展開}するため,\ 無理矢理2x-3を作り,\ つじつまを合わせる. このとき,\ x-1=(2x-3)-(x-2)\ とすると展開時に\ (x-2)(2x-3)⁴\ ができてしまう. x-1=12(2x-2)=12{(2x-3)+1}\ のように,\ {係数で調整する}と1次式置換型に帰着する. 1次式置換型\ ∫(ax+b)^ndx={1}{a(n+1)}(ax+b)^{n+1}+C\ では,\ 1aを掛け忘れないように. 部分積分する場合は,\ 次数の高い(2x-3)⁴を微分形とみなす. {根号であっても指数表示にすると全く同様である.}