積分計算の基本的な考え方

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∫(2x+3)²/x²dx ∫(√x-1)²/√xdx ∫(sin²x+cos²x)/sin²xcos²xdx ∫(5/3tanx-2)sinxdx ∫(e^(2x)-1)/(e^x+1)dx ∫(4^x-1)/2^xdx 次の積分を計算せよ.$ 積分計算の基本 基本的な型においての重要ポイントは次の2つである. $$ 積の形ならば,\ 展開などをして和にする. {  $$ }ただし,\ 分数において約分できる場合は因数分解する. $$ 分母が1つの項の分数ならば,\ 分割する. 後は,\ 公式を当てはめるだけである.\ 公式暗記が大前提なのは言うまでもない.とにかく展開}とにかく分離}]$} を公式として覚えておくと,\ このように瞬殺できる. 覚えていない場合,\ ∫x^{-2}dx={1}{-2+1}x^{-2+1}+C=-x^{-1}+C=-1x+C\ とする. 計算量が多い積分では,\ 問題が複雑になるほど簡単な暗記の有無が大きな差として現れてくる. ∫1xdx\ だけは\ ∫x^{-1}dx\ (x^{α}の積分)と考えるのは{誤り}である.  ∫}公式として暗記していなければ以下の計算をする羽目になる. 一部分だけのために式全体を何行にもわたって書く学生がいるが,\ 面倒であり時間の無駄である. 一旦計算する部分だけ分けて記述し,\ 最後にまとめて答えるなどの記述の工夫も必要である. 3項目も公式として暗記していなければ以下の計算をする.\ やはり公式暗記が有効である. のどちらで答えるかは問題に合わせる. 分母が\ sin²xcos²x\ という1つの項なので分割する. ちなみに,\ 本問は実際の試験では\ という形で問われる可能性が高い. 三角関数の積分の中には,\ {1を逆に\ sin²x+cos²x\ とみなすとうまくいくものがたまにある. 本問は三角関数の積分でも扱うが,{一部と相性の良い形を無理矢理作る}という発想は常に重要である. 相性の良い形が何かについては場合によるが,\ 1つは{約分できる形}である. 後に三角関数の積分の項目でも扱うが,\ tan x\ は\ {sin x}{cos x}\ とみなすのが1つの有効な方針である. e^{2x}-1=(e^x)²-1²\ に対して\ a²-b²=(a+b)(a-b)\ と因数分解すると約分できる. 積分自体は公式\ ∫e^xdx=e^x+C\ を用いて容易にできるが,\ 問題はその後の計算である. {e^{log5}=5,\ e^{log2}=2\ の変形ができるか}が本問最大のポイントになる(数II}で学習済み). 一般に,\ {a^{log_aM}=M\ が成立する.\ 対数の定義が\ a^p=Mp=log_aM\ だからである. つまり,\ これは公式ではなく定義そのものなのであるが,\ 公式として覚えておくのが実用的である. 次のように,\ =Aとおいた後に両辺の対数をとって変形していくことで求めることもできる. e^{log5}=A → log e^{log5}=log A → log5log e=log A → log5=log A → 5=A 対数は,\ log M+log N=log MN\ や\ log M-log N=log MN\ を適用してまとめるのが普通. 分母が1つの項なので分割する.  後は公式\ ∫a^xdx={a^x}{log a}\ を適用する.\ 分数の分数は答えとして見栄えがよくない. ここでは,\ (12)^x={1}{2^x}=2^{-x},log12=log1-log2=0-log2=-log2\ とすると簡潔になる. なお,\ 後に学習する知識があれば\ ∫{1}{2^x}dx=∫2^{-x}dx=-{2^{-x{log2}\ と計算するのが手っ取り早い.