微分の誘導を利用する積分

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∫1/(1+e^x)dx ∫e^x/(1+e^x)dx ∫xe^x/(1+e^x)dx f(x)={1}{1+e^x}$の導関数$f'(x)$を求めよ. $∫{xe^x}{(1+e^x)²}dx$を求めよ.                  [南山大・改] 難易度の高い積分の問題では微分の誘導がつくことがある. ただし,\ f'(x)を求めた後で単純に∫f'(x)dx\ を求めさせるというのでは出題する意味がない. 実際には,\ f'(x)が関係し,\ それをうまく利用するタイプの積分計算が出題される. ずばり{部分積分と微分形接触型}である.\ これらの積分では以下のようにf'(x)が関係してくる. 部分積分 {∫f'(x)g(x)dx=f(x)g(x)-∫f(x)g'(x)dx} 微分形接触型(基本) {∫g(f(x))f'(x)dx=∫g(t)dt} 分子が分母の微分型 \ {∫{f'(x)}{f(x)}dx=logf(x)}+C} 微分形接触累乗型  \ {∫{f(x)}^α f'(x)dx=f(x)}^{α+1{α+1}+C} は実質的に\ ∫xf'(x)dx\ を計算する問題である. g(x)=xと考えると,\ あからさまに部分積分の適用を示唆している. 具体的な関数に変換するのは最後にして,\ {f'(x),\ f(x)のまま公式を適用することに慣れたい.} 結局,\ ∫f(x)dx\ の積分に帰着する. {1}{1+e^x}={(1+e^x)-e^x}{1+e^x}=1-{e^x}{1+e^x}\ として分子が分母の微分型に帰着させるのであった. 関数f(x)=2log(1+e^x)-x-log2$を考える.  等式$log f”(x)=-f(x)$が成り立つことを示せ.  定積分$∫0}{log2}(x-log2)e^{-f(x)}dx$を求めよ.           [大阪大] の等式と-f(x)が共通しているから,\ これをlog f”(x)に変換してみる. 次に,\ {a^{log_aM}=M}\ の変形をできるかが重要である.\ つまり,\ e^{log f”(x)}=f”(x)\ である. この関係は対数の定義\ a^p=Mp=log_aM\ の別の形であるが,\ 認知度がかなり低い. 数III}では忘れた頃に登場するのでよく確認しておいてほしい. 後はg(x)=x-log2と考えて部分積分すればよい. ∫f'(x)dx=f(x)+C\ も考慮すると,\ 結局直接的な積分計算は全くせずに済む.  定積分$∫0}{log7}f(x)dx$を求めよ.  等式$f'(x)=f(x)-{f(x)}²$が成り立つことを示せ.  定積分$∫0}{log7}{f(x)}²dx$を求めよ. [1.3zh]  定積分$∫0}{log7}{f(x)\³dx$を求めよ.           [福岡教育大・改] 分子が分母の微分型である.\ また,\ e^{log7}=7である. より\ {f(x)}²=f(x)-f'(x)であることを利用する. {f(x)\³\ を作るためにの両辺にf(x)を掛けると,\ と\ ∫f(x)f'(x)dx\ に帰着する. これは{微分形接触累乗型\ ∫{f(x)}^α f'(x)dx=f(x)}^{α+1{α+1}+C}\ の\ α=1\ の場合である. 部分積分\ ∫f'(x)g(x)dx\ と似ているが別物なので注意してほしい.