高校数学におけるベクトルのメリットの1つは,\ 斜交座標の考えにある.
この考えにより,\ 一般の三角形を効率的に扱うことが可能になるのであった.
もう1つのメリットとして,\ 空間(3次元)に圧倒的に強いことが挙げられる.
以下の比較を見ればわかるが,\ ベクトルでの表現は平面でも空間でも変わらないのである.
よって,\ 平面ベクトルと空間ベクトルでは,\ 考え方もやることもほとんど変わらない.
それゆえ,\ 平面ベクトルが習得済みならば,\ 空間ベクトルの習得は容易である.
ただし,\ ベクトルを成分表示にすると${z}$成分が追加されることに注意する.
$$線分ABの大きさ
平面 ${AB=OB}-OA}=(b₁-a₁)}²+{(b₂-a₂)}²}
$$内積と垂直条件
平面 ${OA}⊥OBOA}OB}=0}a₁b₁+a₂b₂=0$
$[3]$線分ABの内分点Pと外分点Qの位置ベクトル
平面 .9}{${OP}={nOA}+mOB{m+n=({na₁+mb₁}{m+n},\ {na₂+mb₂}{m+n})$}
.9}{${OQ}={-nOA}+mOB{m-n=({-na₁+mb₁}{m-n},\ {-na₂+mb₂}{m-n})$}
$[4]$三角形ABCの重心Gの位置ベクトル
平面 .9}{${OG}={OA}+OB}+OC{3=({a₁+b₁+c₁}{3},\ {a₂+b₂+c₂}{3})$}
{平行条件(直線ABと直線PQが平行)
平面 ${AB}=kPQ}\ となる実数kがある$
$[6]$共線条件(3点A,\ B,\ Pが一直線上にある条件)
平面 ${AP}=kAB}\ となる実数kがある}OP}=sOA}+tOB}(s+t=1)$
$[7]$共点条件(3点P,\ Q,\ Rが一致する条件)
平面 ${OP}=OQ}=OR}$
$[8]$三角形$$OABの面積${S}$(覚えにくいが覚えておくべき公式)
平面 ${S=12{OA²OB²-(OA}OB})²=12a₁b₂-a₂b₁
同じような問題では意味がないので,\ 空間ベクトルでは平面と異なる点が問われる.
平面ベクトルと空間ベクトルで大きく異なるのが以下の2点である.
$[9]$ベクトルの1次結合と1次独立($s₁,\ t₁,\ u₁,\ s₂,\ t₂,\ u₂:実数$)
平面 ${OA},\ OB$が1次独立(3点O,\ A,\ Bが同一直線上にない)のとき
$任意ベクトルOP}は,\ {OP}=sOA}+tOB}\ にただ1通りに表される.$
${s₁OA}+t₁OB}=s₂OA}+t₂OB}{s₁=s₂\ かつ\ t₁=t₂$
空間 ${OA},\ OB},\ OC$が1次独立(4点O,\ A,\ B,\ Cが同一平面上にない)のとき
.95}{$任意ベクトルOP}は,\ {OP}=sOA}+tOB}+uOC}\ にただ1通りに表される.$}
${s₁OA}+t₁OB}+u₁OC}=s₂OA}+t₂OB}+u₂OC}$
$\ {s₁=s₂\ かつ\ t₁=t₂\ かつ\ u₁=u₂$
$[10]$共面条件(4点A,\ B,\ C,\ Pが同一平面上にある条件)(空間のみ)
${AP}=sAB}+tAC}\ となる実数s,\ tがある.$
${OP}=sOA}+tOB}+uOC}(s+t+u=1)$
$[l}
[9],\ [10]は,\ 平面ベクトルと異なるとは言っても,\ そこまで目新しい話ではない.
[9]は,\ 斜交座標平面のs軸,\ t軸に加えて,\ 斜交座標空間ではu軸が加わるというだけである.
[10]は,\ 4点が同一平面上にあるならば,\ 結局平面ベクトルの話で済むことを意味している.
つまり,\ AP}を2つのベクトルAB},\ AC}の1次結合で表すことができる.
[10]は,\ 3点A,\ B,\ P}が同一直線上にある条件\ OP}=sOA}+tOB}(s+t=1)\ の拡張である.
係数の和が1のとき,\ {平面では「点Pが直線AB上」,\ 空間では「点Pが平面ABC上」}となる.
詳細は後の問題で扱うので,\ ここでは軽い認識で十分である.
この考えにより,\ 一般の三角形を効率的に扱うことが可能になるのであった.
もう1つのメリットとして,\ 空間(3次元)に圧倒的に強いことが挙げられる.
以下の比較を見ればわかるが,\ ベクトルでの表現は平面でも空間でも変わらないのである.
よって,\ 平面ベクトルと空間ベクトルでは,\ 考え方もやることもほとんど変わらない.
それゆえ,\ 平面ベクトルが習得済みならば,\ 空間ベクトルの習得は容易である.
ただし,\ ベクトルを成分表示にすると${z}$成分が追加されることに注意する.
$$線分ABの大きさ
平面 ${AB=OB}-OA}=(b₁-a₁)}²+{(b₂-a₂)}²}
$$内積と垂直条件
平面 ${OA}⊥OBOA}OB}=0}a₁b₁+a₂b₂=0$
$[3]$線分ABの内分点Pと外分点Qの位置ベクトル
平面 .9}{${OP}={nOA}+mOB{m+n=({na₁+mb₁}{m+n},\ {na₂+mb₂}{m+n})$}
.9}{${OQ}={-nOA}+mOB{m-n=({-na₁+mb₁}{m-n},\ {-na₂+mb₂}{m-n})$}
$[4]$三角形ABCの重心Gの位置ベクトル
平面 .9}{${OG}={OA}+OB}+OC{3=({a₁+b₁+c₁}{3},\ {a₂+b₂+c₂}{3})$}
{平行条件(直線ABと直線PQが平行)
平面 ${AB}=kPQ}\ となる実数kがある$
$[6]$共線条件(3点A,\ B,\ Pが一直線上にある条件)
平面 ${AP}=kAB}\ となる実数kがある}OP}=sOA}+tOB}(s+t=1)$
$[7]$共点条件(3点P,\ Q,\ Rが一致する条件)
平面 ${OP}=OQ}=OR}$
$[8]$三角形$$OABの面積${S}$(覚えにくいが覚えておくべき公式)
平面 ${S=12{OA²OB²-(OA}OB})²=12a₁b₂-a₂b₁
同じような問題では意味がないので,\ 空間ベクトルでは平面と異なる点が問われる.
平面ベクトルと空間ベクトルで大きく異なるのが以下の2点である.
$[9]$ベクトルの1次結合と1次独立($s₁,\ t₁,\ u₁,\ s₂,\ t₂,\ u₂:実数$)
平面 ${OA},\ OB$が1次独立(3点O,\ A,\ Bが同一直線上にない)のとき
$任意ベクトルOP}は,\ {OP}=sOA}+tOB}\ にただ1通りに表される.$
${s₁OA}+t₁OB}=s₂OA}+t₂OB}{s₁=s₂\ かつ\ t₁=t₂$
空間 ${OA},\ OB},\ OC$が1次独立(4点O,\ A,\ B,\ Cが同一平面上にない)のとき
.95}{$任意ベクトルOP}は,\ {OP}=sOA}+tOB}+uOC}\ にただ1通りに表される.$}
${s₁OA}+t₁OB}+u₁OC}=s₂OA}+t₂OB}+u₂OC}$
$\ {s₁=s₂\ かつ\ t₁=t₂\ かつ\ u₁=u₂$
$[10]$共面条件(4点A,\ B,\ C,\ Pが同一平面上にある条件)(空間のみ)
${AP}=sAB}+tAC}\ となる実数s,\ tがある.$
${OP}=sOA}+tOB}+uOC}(s+t+u=1)$
$[l}
[9],\ [10]は,\ 平面ベクトルと異なるとは言っても,\ そこまで目新しい話ではない.
[9]は,\ 斜交座標平面のs軸,\ t軸に加えて,\ 斜交座標空間ではu軸が加わるというだけである.
[10]は,\ 4点が同一平面上にあるならば,\ 結局平面ベクトルの話で済むことを意味している.
つまり,\ AP}を2つのベクトルAB},\ AC}の1次結合で表すことができる.
[10]は,\ 3点A,\ B,\ P}が同一直線上にある条件\ OP}=sOA}+tOB}(s+t=1)\ の拡張である.
係数の和が1のとき,\ {平面では「点Pが直線AB上」,\ 空間では「点Pが平面ABC上」}となる.
詳細は後の問題で扱うので,\ ここでは軽い認識で十分である.