群馬大学の問題ので-3<a<-1となっていますが、-3<a<1の誤りですm(_ _)m
方程式$x²-ax+a²-3a=0$が次の条件を満たすとき,\ 定数$a$の値の範囲を求めよ.
$ 正の実数解と負の実数解をもつ.$
$ 異なる2つの正の実数解をもつ. $
$ 2より大きい実数解と2より小さい実数解をもつ.$
$ 2より小さい異なる2つの実数解をもつ.$
$ 絶対値が1より小さい異なる2つの実数解をもつ.$
2次方程式の解の存在範囲(基本) \
解の配置問題とも呼ばれ,\ グラフを用いて図形的に考える.
2次方程式の実数解は,\ 図形的には$x$軸との交点の$x$座標である.
グラフを図示し,\ 次の3つがどうあるべきかを考えるのが基本である.
$$判別式 $$軸の位置 $[3]{区間の端におけるy座標の正負$}
図形的には,\ {「f(x)がx軸の正の部分および負の部分と交わる」}を意味する.
x軸と異なる2個の交点をもつ(実数解2個である)から,\ 判別式はD>0でなければならない.
軸には,\ 特別に制限はない(どこでもよい).
正と負の実数解はx>0とx<0ということなので,\ 区間の端x=0でのy座標の正負を考える. 正と負の実数解をもつためには,\ {x=0のときのy座標が負}でなければならない. よって,\ {D>0\ かつ\ f(0)<0}が条件となる.
ただし,\ x=0のときのy座標が負(f(0)<0)でさえあれば,\ 自動的にx軸と2点で交わる. 結局,\ {条件D>0はなくてもよく,\ f(0)<0のみで済む.}
図形的には,\ {「f(x)がx軸の正の部分と異なる2点で交わる」}を意味する.
異なる2つの実数解を持つので,\ {判別式D>0}\ でなければならない.
a²-4a<0a(a-4)<00<a<4 {軸は正}でなければならない.\ 平方完成を途中まで行うと(x- a2)²+\ より,\ 軸はx= a2\ である. 正の実数解であるから,\ 区間の端はx=0である.\ {x=0のときのy座標が正}でなければならない. a²-3a>0a(a-3)>0a<0,\ かつ\ 軸>0であっても,\ f(0)0だと条件を満たさない(左図).
軸>0\ かつ\ f(0)>0であっても,\ D0だと条件を満たさない(中図).
D>0\ かつ\ f(0)>0であっても,\ 軸0だと条件を満たさない(右図).
区間の端が0から2に変わっただけで,\ と本質的に同じである.
{x=2のときのy座標が負}でさえあれば,\ 確実に問題の条件を満たす.
区間の端が0から2に変わり,\ 解の位置が左側になった以外は,\ と本質的に同じである.
「絶対値が1より小さい」を式で表すと\ x<1,\ つまり{-1<x<1}ということである. 区間の端が2つあるので,\ f(-1)とfの正負をそれぞれ考慮しなければならない. 結局,\ D>0,\ -1<軸<1,\ f(-1)>0,\ f>0の4条件が必要になる.
a²-2a+1>0(a-1)²>0a1
y=(a-1)²はa軸とa=1で接するから,\ (a-1)²>0を満たすのは1以外のすべての実数である.
放物線$y=x²+ax+2$が,\ 2点A$(0,\ 1)$,\ B$(2,\ 3)$を結ぶ線分(端点を含む)と異なる
2点で交わるときの$a$の値の範囲を求めよ. [群馬大]
2点A,\ Bを通る直線の方程式は $y=x+1$
連立すると $x²+ax+2=x+1 より x²+(a-1)x+1=0}$
この2次方程式の判別式を$D$とし,\ $f(x)=x²+(a-1)x+1$とおく.
求める条件は,\ $y=f(x)$が$x$軸の$0 x2$の部分と異なる2点で交わる}ことに等しい.
以下のように言い換えていくと,\ 前問と同様の解の存在範囲の問題に帰着する.
\ 「y=x²+ax+2が線分AB}と異なる2点で交わる」
⇔\ 「y=x²+ax+2が直線y=x+1の0 x2の部分と異なる2点で交わる」
⇔\ 「x²+(a-1)x+1=0が0 x2に異なる2個の実数解をもつ」
⇔\ 「y=x²+(a-1)x+1がy=0(x軸)の0 x2の部分と異なる2点で交わる」
本問は,\ 0<x<2ではなく0 x2なので,\ f(0)=0とf=0を含むことに注意する.
一方で,\ (軸)=0,\ 2のときは0 x2の異なる2点で交わることはないので条件を満たさない.
$不等式x²+2ax+10\ ,\ 2x²+7x-40について,\ 不等式の解が常に$
$存在するとする.\ このとき,\ 不等式を満たすxがすべて不等式を満たすようなaの$
$値の範囲を求めよ. [東洋大]$
求める条件は,\ $y=f(x)がx軸の-4 x12の部分と共有点をもつ}$ことに等しい. \
「の解がの解に完全に含まれるようなaの値の範囲を求めよ」ということである.
は普通に解けるが,\ は因数分解できず,\ 解けないところに困難がある.
数式で考えることが難しいならば,\ {グラフを用いて図形的に考える.}
x²+2ax+10の解は,\ y=x²+2ax+1とx軸の2つの交点の間(端点含む)である.
この2つの交点が-4 x12\ にあるならば,\ の解もの解に完全に含まれることになる.
結局,\ 解の存在範囲の問題に帰着する.\ 「の解が常に存在する」より,\ D0である.
D<0,\ つまりf(x)がx軸と交わらないとき,\ 不等式の解は存在しなくなる.
D=0(接する)ときは解が1点になるが,\ この場合も条件を満たすことに注意してほしい.
そこで,\ x軸と「2点で交わる」ではなく,\ 「共有点をもつ」としているわけである.
軸の条件に等号が含まれる点にも注意が必要である.
軸が区間の端の-4,\ 12であっても,\ ,\ [3],\ [4]の条件が加われば問題の条件を満たす.
例えば軸が-4のときに,\ [3],\ [4]の条件が加わると,\ 図形的にはx=-4で接するグラフとなる.
よって,\ の解はx=-4となり,\ これはを満たす.