三角形の五心② 三角形の内心とその存在証明

スポンサーリンク
naisin
三角形の3つの内角の二等分線は必ず1点で交わる.}}\ その交点を\textbf{\textcolor{blue}{内心}}という.3辺からの距離が等しい点}(\textcolor{red}{内接円の中心})}である. 普通,\ 水色の点線と赤線はずれる(二等辺三角形の頂角から底辺に二等分線を引いた場合は一致). \\[.2zh] つまり,\ \bm{内角の二等分線と対辺の交点(緑)と内心から下ろした垂線の足(青)は一致しない.} \\[.2zh] 二等辺三角形でないのにこの2点が一致するかのように図示する学生が非常に多いので要注意! Iから辺BC,\ CA,\ ABに下ろした垂線をID,\ IE,\ IFとする \phantom{ [1]}\ \ \ したがって,\ 点Iは$\angle$Aの二等分線上にある. \\[1zh] \phantom{ [1]}\ \ \ $\therefore$ \textbf{三角形の3つの内角の二等分線は1点Iで交わり,\ 点Iは3辺から等距離}である. \\\\[1zh]  \syoumei\ \ $\triangle$ABCの$\angle$A,\ $\angle$B,\ $\angle$Cの内角の二等分線と対辺の交点をそれぞれP,\ Q,\ Rとする.チェバの定理の逆}より,\ \textbf{3直線AP,\ BQ,\ CRは1点で交わる. 2つの内角の二等分線の交点を\text Iとし,\ 3つ目の内角の二等分線も点\text Iを通ることを示せばよい. \\[.2zh] 実際には,\ \bm{一旦3つ目の直線\textbf{AI}を引いた後,\ \mathRM{\angle IAE=\angle IAF}であることを示す.} \\[.2zh] このとき,\ \bm{直角三角形の合同条件}を利用することになる. \\[.2zh]  「斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しい」「斜辺と他の1辺がそれぞれ等しい」 \\[.2zh] \mathRM{斜辺IB共通,\ \angle IBD=\angle IBF\ より,\ \triangle IBD\equiv\triangle IBF}\ である. \\[.2zh] \mathRM{斜辺AI共通,\ IE=IF\ より,\ \triangle IAE\equiv\triangle IAF}\ である. \\[1zh] 3つの内角の二等分線が1点で交わることのみならば,\ チェバの定理の逆で示すこともできる. \\[.2zh] \bm{内角の二等分線ときたら辺の比を考える}のであった. \\[.2zh] \mathRM{AR:RB=CA:CB,\ \ BP:PC=AB:AC,\ \ CQ:QA=BC:BA}\ が成立する. 点Iは$\triangle$ABCの内心である.\ 角$\alpha,\ \beta$を求めよ. 内心に関する角の問題は\bm{3頂点と内心を結ぶ線分が内角を二等分する}ことを利用する. \\[1zh] (1)\ \ \alpha\,を求めるには\bm{(○+\times)}さえわかればよく,\ ○と×がそれぞれ何度かは必要ない. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ \triangle\mathRM{ABC}の内角の和180\Deg\,から\ \angle\mathRM{A}を引くと,\ \mathRM{\angle Bと\ \angle C}の合計,\ つまり(2○+2×)が求まる. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ これを2で割ると(○+\times)となる. \\[1zh] (2)\ \ 内角を二等分することを用いると容易に\ \alpha\ が求められる. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ \triangle\mathRM{ABC}の内角の和180\Deg\,から\ \angle\mathRM{Aと\ \angle C}を引くと\ \angle\mathRM{B}が求まるので,\ これを2等分する. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ \bm{三角形の外角はそれと隣り合わない他の2つの内角の和に等しい}ことを用いて\ \beta\ が求まる. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 中学で学習済みであるが,\ 使いこなせていない学生は少なくない. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ もちろん,\ 次のようにしても求められるが回りくどくなってしまう. \\[.2zh] 内心に関する長さの問題では,\ \bm{内角の二等分線と辺の比の関係}を利用する. \\[.2zh] 『内心\ →\ 二等分線の交点\ →\ 内角の二等分線と辺の比の関係』を素早く連想できるようにしておこう. \\[1zh] まず\bm{\triangle\mathRM{ABC}に着目}し,\ 辺の比から\mathRM{BD}の長さを求める. \\[.2zh] \mathRM{BD:DC=6:5\ より\ BD:BC=6:11\ であるから,\ BDはBCの\ \bunsuu{6}{11}\ である.} \\[.4zh] さらに\bm{\triangle\mathRM{ABD}に着目}し,\ 辺の比から\mathRM{AI:ID}が求められる. \\[.2zh] このように,\ \bm{2つの角で内角の二等分線と辺の比の関係を2回適用する}と内心の位置が特定できる.