
円$(x-2)^2+y^2=4$と直線$y=m(x-6)$が異なる2点A,\ Bで交わるとき,\ 線分ABの
中点の軌跡を求めよ. \\
円の弦の中点の軌跡}
$(x-2)^2+y^2=4\ と\ y=m(x-6)\ からyを消去して整理すると$
$(m^2+1)x^2-4(3m^2+1)x+36m^2=0} ・・・・・・\,①$}
円と直線が異なる2点A,\ Bで交わる条件は,\ ①の判別式を$D$とすると \{解と係数の関係}より
基本的な流れは,\ 前項の放物線の中点の軌跡と同様である.
よって,\ 以下の解説は,\ 前項の内容が理解できていることを前提としている.
まず,\ 図形的な位置関係を確認する.
y=m(x-6)はmの値によらず(x,\ y)=(6,\ 0)を代入すると成り立つ.
よって,\ 定点(6,\ 0)を通る傾きmの直線}である.
ゆえに,\ 求めるのは点(6,\ 0)を通る直線の傾きを変化させたときの円の弦の中点が描く図形}である.
最初に,\ 円と直線が異なる2点で交わる条件}を確認する.
円と直線の位置関係は,\ 「判別式」または「点と直線の距離の公式」でとらえることができる.
ここでは,\ 前項の放物線の中点の軌跡にならい,\ 判別式でとらえる}解法を示した.
すると,\ 後に解と係数の関係を利用}できる.
交点の座標(①の解)を普通に求めると,\ 式が恐ろしく煩雑になる.
よって,\ 一旦交点のx座標を文字でおいて中点の座標を表す}ことを考える.
解と係数の関係}を利用すると,\ 中点のx座標を素早くmで表すことができる.
ax^2+bx+c=0の2解を\,α,\ β\,とすると α+β=- ba,\ \ αβ= ca
求める軌跡は,\ ③と④から媒介変数mを消去して導かれる\dot{図}\dot{形}\dot{上}\dot{に}\dot{あ}\dot{る}.}
x=6を③に代入すると,\ 6(m^2+1)=2(3m^2+1)より6=2となり矛盾する.
よって,\ y=m(x-6)をmについて解くことができる.
m=y}{x-6}\,は,\ ③の分母をはらってm^2\,で整理した⑥に代入すると後が楽になる.
さらに,\ 媒介変数mの範囲をxの範囲に変換する.} \,のとりうる値の範囲を求めると考える.
分数式は,\ (分子の次数)<(分母の次数)と変形するのが基本}であった(分子の次数下げ}).
分母と分子の次数が等しい場合,\ 分母と同じ形を無理矢理分子に作る}と素早く分子を次数下げできる. \\
この変形により,\ 分母と分子に散らばっている変数tを分母の1ヶ所に集められる}わけである.
後は,\ tの範囲から徐々にxの範囲に変換していく.
各辺に負数を掛けたり,\ 各辺の逆数をとったりする}と不等号の向きが逆転することに注意する.
幾何的解法}\,]
円$(x-2)^2+y^2=4$の中心をC,\ 点$(6,\ 0)$をDとする.
また,\ 線分ABの中点をPとする.
円の中心から弦に下ろした垂線の足は弦の中点と一致}するから,\
よって,\ 点Pは常に\ $∠ CPD=90°$\ を満たすように動く.
ゆえに,\ 点Pは線分CDを直径とする円上にある}.
これは, 中心(4,\ 0),\ 半径2の円である.
$P=C}$}のときも条件を満たすから,\ 求める軌跡は
常に∠CPD}=90°\,より,\ 2定点を見込む角が常に90° となる点の軌跡}を考えることになる.
これは,\ 2定点を直径とする円(2定点は除く)}となるのであった.
円の直径に対する円周角が常に90° であることの逆}である.
CP⊥ AB}のとき,\ 点 Pは線分CD}を直径とする円のうち,\ 点C,\ D}を除いた部分上にある.
円と直線が異なる2点で交わる範囲を考慮すると,\ 軌跡が円上のどの部分かがわかる.