
連立不等式$x+2y\geqq4,\ x-3y\geqq-\,6,\ 3x+y\leqq12$が表す領域を$D$とする. \\[.2zh] \hspace{.5zw}点$(x,\ y)$が領域$D$を動くとき,\ 次の式の最大値と最小値を求めよ. の最大値と最小値を求めよ.連立不等式と2変数関数の最大・最小}}}} \\\\ 本問に限らず,\ \textbf{\textcolor{blue}{条件が連立不等式の問題}}は,\ \textbf{\textcolor{red}{領域の図示が有効}}である. \\[1zh] まず,\ 領域$D$を図示し,\ $\bm{\textcolor{red}{最大値と最小値を求める式をf(x,\ y)=k}}\ とおく.$ \\[.2zh] \textbf{\textcolor[named]{ForestGreen}{領域$\bm{D}$に含まれる実数$\bm{(x,\ y)}$に対応して$\bm{k}$の値が定まる.}} \\[.2zh] 逆にいえば,\ $\bm{\textcolor[named]{ForestGreen}{求めるkの値には対応する実数(x,\ y)が存在していなければならない.}}$ \\[.2zh] \scalebox{.96}[1]{図形的には,\ \textbf{\textcolor{red}{$\bm{f(x,\ y)=k}$と領域$\bm{D}$が共有点をもてば,\ $\bm{k}$に対応する実数$\bm{(x,\ y)}$が存在する.}}} \\[.2zh] このように,\ 対応する実数$(x,\ y)$の存在を追求して$k$の値を求める手法を\textbf{\textcolor{blue}{逆像法}}という. 直線\maru1が領域Dと共有点をもつようなkの値の最大値と最小値を求める.$ \\\\ =kとおいてy=の形に変形する.\ これは,\ \bm{傾き-\bunsuu14\ (一定),\ y切片\,\bunsuu k4\,の直線}である. \\[.8zh] kが最大・最小となるのは,\ y切片\,\bunsuu k4\,が最大・最小となるときである. \\[.8zh] 領域Dと共有点をもつように傾き-\bunsuu14\ (一定)の直線を変化さ,\ y切片\,\bunsuu k4\,の最大・最小を考える. \\\\ \bm{直線が点(3,\ 3)を通るとき,\ y切片\,\bunsuu k4,\ つまりはkが最大となる}のは図形的にほぼ明らかである. \\[.8zh] これ以上y切片が大きくなるように直線を動かすと,\ 領域Dと共有点をもたなくなる. \\[.2zh] 後は,\ x+4y=kに(x,\ y)=(3,\ 3)を代入してkの値を求めればよい. \\[1zh] 最小も同様だが,\ \bm{直線の傾きに注意して判断}しなければ,\ (0,\ 2)を通るときと間違える可能性がある. \\[1zh] \text{\scalebox{.95}[1]{$連立1次不等式を満たす(x,\ y)に対し,\ 1次式ax+byの最大・最小の求める問題を\bm{線形計画法}という.$}} 円\maru2が領域Dと共有点をもつようなk^2\,の値の最大値と最小値を求める.$ f(x,\ y)=kが直線でない場合も根本的な考え方は同じである. \\[1zh] \bm{x^2+y^2=k^2\,とおくと,\ 原点を中心とする半径kの円を表す.} \\[.2zh] =k^2\,とおいたのは,\ =kとおくと半径が\ruizyoukon k\,となり後の処理が面倒になるからである. \\[.2zh] 結局,\ \bm{原点中心の円が領域Dと共有点をもつような半径の最大・最小を考える}ことになる. \\[.2zh] 原点と点(x,\ y)の距離が\ruizyoukon{x^2+y^2}\,より,\ \bm{原点からの距離の最大・最小}と考えても同じことである. \\[1zh] 半径が最大となるのが(3,\ 3)と(4,\ 0)のどちらを通るときなのかを図で判断するのは困難である. \\[.2zh] 実際に(3,\ 3)と(4,\ 0)のときのx^2+y^2\,の値を計算してみると,\ (3,\ 3)で最大をとることがわかる. \\[1zh] \bm{半径が最小となるのは直線y=-\bunsuu12x+2と接するとき}である. \\[.8zh] 点(0,\ 2)を通るときとする\bm{間違い}が非常に多いので注意する. \\[.2zh] このときの半径は,\ x^2+y^2=k^2\,を利用せず,\ \bm{点と直線の距離の公式}で求めるのがよい. \\[.5zh] 点(x_1,\ y_1)と直線ax+by+c=0の距離 \bunsuu{\zettaiti{ax_1+by_1+c}}{\ruizyoukon{a^2+b^2}} \\\\ 最小値\,\bunsuu{16}{5}\,をとるときの(x,\ y)を求めたい場合は以下のようにする. \\[.8zh] 原点を通り,\ 直線y=-\bunsuu12x+2と垂直な直線の方程式は,\ y=2xである. \\[.8zh] ここで,\ 2直線y=m_1x+n_1,\ y=m_2x+n_2\,の垂直条件が\bm{m_1m_2=-\,1}であることを利用した. \\[.8zh] $直線\maru3が領域Dと共有点をもつようなkの値の最大値と最小値を求める.$ \\\\ \bm{\bunsuu{y-1}{x+1}\,は,\ 2点(x,\ y)と(-\,1,\ 1)を通る直線の傾きを意味する.} \\[.8zh] \bm{\bunsuu{y-b}{x-a}\,という式は,\ 図形的には定点(a,\ b)を通る直線の傾きとみなせる}わけである. \\\\ 分数の形がわかりにくければ,\ \bm{y-1=k(x+1)}として考えてもよい. \\[.2zh] これは,\ 点(x_1,\ y_1)を通る傾きmの直線の方程式y-y_1=m(x-x_1)の形である. \\[.2zh] つまり,\ y-1=k(x+1)は,\ \bm{点(-\,1,\ 1)を通る傾きkの直線}である. \\[1zh] \bm{領域Dと共有点をもつような点(-\,1,\ 1)を通る直線の傾きkの最大・最小を考える}ことになる.