定点を通る直線、2直線の交点を通る直線(直線束)

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直線\ $(k+2)x+(2k-1)y-4k-3=0$\ が,\ $定数k$の値に関係なく通る定点Aの座標を \\[.2zh] \hspace{.5zw}求めよ.定点を通る直線}}}} \\\\[1zh]   図形的問題を以下のようにして数式的問題に言い換えることができる.直線がkの値に関係なく定点を通る}\,」}$ \\[.2zh]  kに何を代入しても式が成立する}\,」}$ {kについての恒等式となるよう(x,\ y)を定める}\,」}$ \\\\\\   $kで整理すると  結局は,\ kで整理して係数比較すると定点の座標が求まるということである. \\[.2zh]  \bm{kA+B=0がkについての恒等式\ \Longleftrightarrow\ A=0\ かつ\ B=0} \\[1zh] 実際の試験では,\ 御丁寧に「定点の座標を求めよ」という出題のされ方をすることは少ない. \\[.2zh] 何らかの問題中に直線の式(k+2)x+(2k-1)y-4k-3=0のみが与えられる. \\[.2zh] その問題を図形的に考察するため,\ この式のグラフを図示するとする. \\[.2zh] 本問の直線を基本形に変形すると  傾きもy切片もkの値で変化するので,\ このままでは適当に直線を図示するしかない. \\[.2zh] そこで,\ 問題で指示されなくても\bm{自分から定点を求めにいく.} \\[.2zh] 定点(2,\ 1)を通ることだけでもわかれば,\ より正確なグラフを図示でき,\ 問題解決に近づける. }2直線$x+2y-4=0\ \cdots\,\maru1,\ \ 2x-y-3=0\ \cdots\,\maru2$の交点を通る直線のうち,\ 次の \\[.2zh] \hspace{.5zw}条件を満たす直線の方程式を求めよ. \\[1zh] \hspace{.5zw} (1)\ \ $点(1,\ 2)を通る$ \\[.8zh] \hspace{.5zw} (2)\ \ 直線\ $3x-y+1=0$\ と平行となる \\[.8zh] \hspace{.5zw} (3)\ \ 直線\ $x-2y+3=0$\ と垂直となる \\ 2直線の交点を通る直線(直線束)}}}} \\\\[.5zh]  \textbf{\textcolor{purple}{束(そく)の考え方を用いて,\ 交点を求めずに直線の方程式を求める}}方法がある. \\[.2zh]  $k$についての恒等式として扱った前問を図形的な観点でとらえ直そう. \\\\  直線$k(x+2y-4)+(2x-y-3)=0\ \cdots\,\maru{\text A}$が必ず通る定点の座標が(2,\ 1)であった. \\[.2zh]  $(x,\ y)=(2,\ 1)$は,\ 連立方程式$x+2y-4=0$,\ $2x-y-3=0$の解である. \\[.2zh]  図形的には,\ 2直線$x+2y-4=0,\ 2x-y-3=0$の交点である. \\[.2zh]  結局,\ \textbf{\textcolor{red}{\maru{\text A}は2直線$\bm{x+2y-4=0$,\ $2x-y-3=0}$の交点を必ず通る直線}}を表す. \\\\  これを一般化すると以下となる. \\[1zh]  座標平面上の交わる2直線を$f(x,\ y)=0,\ g(x,\ y)=0$とする. \\[.2zh]  \scalebox{.97}[1]{\textbf{\textcolor{red}{$\bm{kf(x,\ y)+g(x,\ y)=0}$は,\ 2直線$\bm{f(x,\ y)=0,\ g(x,\ y)=0}$の交点を通る直線を表す.}} 2直線f(x,\ y)=0,\ g(x,\ y)=0の交点を(p,\ q)とすると,\ f(p,\ q)=0,\ g(p,\ q)=0が成り立つ. \\[.2zh] このとき,\ kの値に関係なくkf(p,\ q)+g(p,\ q)=0が成り立つ. \\[.2zh] つまり,\ kf(x,\ y)+g(x,\ y)=0\ \cdots\,(*)はkの値に関係なく点(p,\ q)を通る直線である. \\[.2zh] kが変わると式が変わるから,\ (*)は図のように点(p,\ q)を通る様々な直線を表す. \\[.2zh] この定点を通る直線全体の集合を\bm{直線束(そく)}という. \\[1zh] \bm{(*)が交点(p,\ q)を通る「すべて」の直線を表すわけではない}ことに注意する必要がある. \\[.2zh] (*)が座標平面上の任意の点(x_0,\ y_0)を通るとすると kf(x_0,\ y_0)+g(x_0,\ y_0)=0 \\[.2zh] f(x_0,\ y_0)\neqq0,\ つまり点(x_0,\ y_0)が直線f(x,\ y)=0上にないとき,\ k=-\bunsuu{g(x_0,\ y_0)}{f(x_0,\ y_0)}\,となる. \\[.8zh] 対応する実数kが存在するから,\ 直線f(x,\ y)=0上にない点を通るすべての直線を表せる. \\[1zh] f(x_0,\ y_0)=0,\ つまり点(x_0,\ y_0)が直線f(x,\ y)=0上にあるとき,\ 対応する実数kは存在しない. \\[.2zh] よって,\ \bm{kをどのように変えたとしても,\ 直線f(x,\ y)=0自身を表すことはできない.} \\[1zh] \bm{kf(x,\ y)+lg(x,\ y)=0}\ (k,\ l:実数)とすれば,\ 座標平面上のすべての直線を表せる. \\[.2zh] k=1,\ l=0のとき,\ 直線f(x,\ y)=0となるからである. \\[1zh] 実際には,\ 2文字を用いる必要がない限り,\ 1文字で済むkf(x,\ y)+g(x,\ y)=0を用いる. 本問(直線束の問題)は交点を経由しても割と楽に求められる. \\[.2zh] しかし,\ 後の円束の問題では交点を求めるのが面倒になる. \\[.2zh] 束の考え方を用いた解法を必ず習得してほしい. \\[1zh] 「\,2直線の交点を通る直線はkf(x,\ y)+g(x,\ y)=0\,と表せる」と記述するのは避けた方がよい. \\[.2zh] 「\,2直線の交点を通るすべての直線がkf(x,\ y)+g(x,\ y)=0と表せる」とも受け取れるからである. \\[.2zh] 下線部のような表現が推奨される. \\[1zh] 一般形の2直線\ a_1x+b_1y+c_1=0,\ \ a_2x+b_2y+c_2=0\ について \\[.2zh]  \bm{平行条件\ a_1b_2-a_2b_1=0   垂直条件\ a_1a_2+b_1b_2=0}