三角形の五心① 三角形の重心とその存在証明

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jyuusin
三角形の3本の中線は必ず1点で交わる.\ 重心は各中線を$2:1}$に内分する.    ※\ 中線とは三角形の頂点と対辺の中点を結ぶ直線}のことである.  [1]\ \ AB,\ ACの中点をそれぞれN,\ Mとし,\ 中線BMとCNの交点をG}する(左図). \ \ \ \ \ 中点連結定理より $NM∥ BC,\ \ NM=12BC}$ \ \ \ \ \ $△ GBC∽ △ GMN}$で,\ 相似比は$2:1$である. \ \ \ \ \ よって $BG:GM=2:1$ \ \ [2]\ \ BC,\ CAの中点をそれぞれL,\ Mとし,\ 中線ALとBMの交点をG$’$}とする(右図). \ \ \ \ [1]と同様に考えると $BG’:G’M=2:1$ \ \ [1],\ [2]\,より,\ G,\ G$’$はともに中線BMを$2:1$に内分する点であるから,\ 2点は一致する. \ \ ゆえに,\ 3本の中線AL,\ BM,\ CNは1点Gで交わる.} \ \ このとき,\ $AG:GL=BG:GM=CG:GN=2:1$である. \ \ つまり,\ 点Gは各中線を$2:1}$に内分する.} \\ 高校生にとって最も標準的と思われる証明を示した. 中線が1点で交わることと重心で2:1に内分されることを同時に示せるというメリットが大きい. 2組の2本の中線の交点が一致}すれば,\ 3直線が1点で交わるといえる. 中学数学で学習した中点連結定理を利用する. 底辺以外の2辺の中点を結んだ線分(中点連結)は,\ 底辺と平行で,\ 長さは底辺の半分}である. チェバの定理の逆}より,\ 3直線AL,\ BM,\ CNは1点Gで交わる} チェバの定理の逆とメネラウスの定理を学習済みならば,\ より自然な証明が可能になる. 平行四辺形ABCDの対角線の交点をO,\ 辺BCの中点をM,\ 線分AMと線分BDの交 点をNとする.\ $△$ANOの面積を$S$とするとき,\ 平行四辺形ABCDの面積を求めよ. 常に問題で『重心』というキーワードが明示されているとは限らない. 本問では自分でN}が中線の交点(重心)であることに気付かなければならない. 平行四辺形の対角線が中点で交わる}ことは中学校で学習済みである. N}が重心であることに気付けば,\ 2:1の内分比(無断使用可)が利用できる. その後は各面積を順にSで表していけばよい.}$△$ABCの辺BC,\ CA,\ ABの中点をそれぞれD,\ E,\ Fとする. $△$ABCの重心と$△$DEFの重心が一致することを示せ. \\ \\[-.8zh] \hline \end{tabular} \\   $BD=DC,\ CE=EA}$\ より $ED∥ AF}$   $BD=DC,\ AF=FB}$\ より $DF∥ EA}$   2組の対辺が平行であるから,\ 四角形AFDEは平行四辺形}である.   ADとFEの交点をPとする.   平行四辺形の対角線はそれぞれの中点で交わる}から $FP=PE}$   よって,\ $△$ABCの中線ADはFEの中点を通る.}   同様にして,\ $△$ABCの中線BE,\ CFはそれぞれFE,\ DEの中点を通る.}   ゆえに,\ $△}$ABCの重心と$△}$DEFの重心は一致する.} △ABC}の中線が△ DEF}の中線でもあることを示せばよい.\ 中点連結定理を利用すると簡潔に済む. ちなみに,\ ベクトル学習後は工夫なしの単純計算だけで示せるようになる.