数Ⅱ 図形と方程式 反転変換 を学習済みであることを前提としています。

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反転変換は数I\hspace{-.1em}Iの図形と方程式分野で一度学習した.\ 基本事項を再確認する. \\[1zh] 定点Oを中心とする半径$r$の円がある. \\[.2zh] \scalebox{.94}[1]{\textbf{\textcolor{red}{Oと異なる点Pを,\ Oを端点とする半直線OP上にあり,\ $\bm{\textcolor{blue}{\mathRM{OP\cdot OQ=r^2}}}$となる点Qに移す.}}} \\[.2zh] この変換を\textbf{\textcolor{blue}{反転}}といい,\ Oを\textbf{\textcolor{blue}{反転の中心}},\ $r$を\textbf{\textcolor{blue}{反転の半径}},\ 円Oを\textbf{\textcolor{blue}{反転円}}という. \\\\
反転変換は,\ いうなれば円に関する対称移動である. \\[.2zh] まず,\ \mathRM{OP=r\ のときOQ=r}\ である. \\[.2zh] これは,\ \bm{円周上の点は円周上に同じ点移される(動かない)}ことを意味する. \\[.2zh] 直線に関する対称移動において,\ その直線上の点が移動しないのと同じである. \\[1zh] また,\ \mathRM{OP=\bunsuu{r^2}{OQ}}\ より,\ 線分\mathRM{OPと線分OQの長さは,\ 逆数のような関係にある.} \\[.8zh] よって,\ \bm{\mathRM{点Pと点Qは,\ 一方が円の内部にあれば,\ 他方は円の外部にある.}} \\[.2zh] さらに,\ \bm{\mathRM{点Pと点Qは,\ 一方が原点に近づくほど他方は無限遠まで離れていく.}} \\[.2zh] つまり,\ \bm{円の内部の中心は,\ 円の外部の無限遠に対応する.}
\end{array}}\right]$}} \\\\\\
反転変換は,\ 次の性質をもつことが知られている.\ 後で証明する. \\[1zh] \centerline{$\bm{\begin{cases}
\textcolor{cyan}{原点を通る直線}   → \textcolor{magenta}{原点を通る直線(自分自身)} \\
\textcolor{cyan}{\underline{原点を通らない直線}} → \textcolor{magenta}{\uwave{原点を通る円}} \\
\textcolor{cyan}{\uwave{原点を通る円}}    → \textcolor{magenta}{\underline{原点を通らない直線}} \\
\textcolor{cyan}{原点を通らない円}  → \textcolor{magenta}{原点を通らない円}
原点をOとする複素数平面上の点P($z$)に対し,\ Oを始点とする半直線OP上に \\[.2zh] \hspace{.5zw}$\mathRM{OP\cdot OQ}=1$となるように点Q($w$)をとる.\ ただし,\ $z,\ w$は0ではない. \\[1zh] \hspace{.5zw} (1)\ \ $w=\bunsuu{1}{\kyouyaku z}$となることを示せ. \\[1.3zh] \hspace{.5zw} (2)\ \ 点P($z$)が以下の式を満たすとき,\ 点Q($w$)が描く図形を答えよ.
(1)\ \ 半直線OP上にQがあるから $\textcolor{cyan}{w=kz\ (k:正の実数)}$ \f{原点と点1を結ぶ線分の垂直二等分線}を描く.}bm{中心1,\ 半径1の円}を描く.\ ただし,\ \bm{原点は除く.}$}点0と点\,\bunsuu12\,を2:1に内分する点\,\bunsuu13\,と外分する点1を直径とする円}を描く.$ \\\\
\centerline{$\therefore\ \ \bm{中心\,\bunsuu23,\ 半径\,\bunsuu13\,の円}を描く.
(1)\ \ 3点\mathRM{O,\ P,\ Q}が一直線上にある条件は,\ ベクトルと同様に実数kを用いて表せる. \\[.2zh] 本問では半直線の点なので,\ kは正の実数である. \\[.2zh] 条件\,\mathRM{OP\cdot OQ}=1\,を考慮するとkが求まり,\ wをzで表せる. \\[1zh] (2)\ \ wが描く図形を求めるには,\ z=g(w)の形にしてzの方程式に代入すればよいのであった. \\[.2zh] z=x+y\,i,\ w=X+Y\,iとすると x+y\,i=\bunsuu{1}{X-Y\,i}=\bunsuu{X}{X^2+Y^2}+\bunsuu{Y}{X^2+Y^2}\,i \\[.8zh] よって,\ 座標平面ではx=\bunsuu{X}{X^2+Y^2},\ y=\bunsuu{Y}{X^2+Y^2}\ という変換式となる. \\[.8zh] 複素数平面で反転を考えると,\ z=\bunsuu{1}{\kyouyaku w}\ という簡潔な変換で済むわけである.
\phantom{(ア)}\ \ \bm{\zettaiti{z-\alpha}=r}\,が描く図形は,\ 中心\text A(\alpha),\ 半径rの円であった. \\[.2zh] \phantom{(ア)}\ \ (ア)の反転図形は(イ),\ (イ)の反転図形は(ア)であることも確認しておいてほしい.
\phantom{(ア)}\ \ \zettaiti{z-\alpha}=\zettaiti{z-\beta}=m:n\,(m>0,\ n>0,\ m\neqq n)が描く図形が次である. \\[.2zh] \phantom{(ア)}\ \ \bm{2点\mathRM{A(\alpha),\ B(\beta)}を結ぶ線分のm:nの内分点と外分点を直径とする円(アポロニウスの円)} \\[.2zh] \phantom{(ア)}\ \ m=nのとき,\ (ア)のように垂直二等分線を描く. \\[.2zh] \phantom{(ア)}\ \ 内分点 \bunsuu{1\cdot0+2\cdot\bunsuu12}{2+1}=\bunsuu13   外分点 \bunsuu{-\,1\cdot0+2\cdot\bunsuu12}{2-1}=1
最初に述べた性質を示すため,\ 少しだけ準備する. \\[.2zh] 方程式$\bm{\textcolor{cyan}{az\kyouyaku z+\kyouyaku\beta z+\beta\kyouyaku z+c=0}}\ (a,\ c:実数,\ \beta:複素数)\ \ \cdots\cdots\,\maru1$が表す図形を考える. \\[1zh] 整理すると $2px+2qy+c=0$ \\[.2zh] これは,\ 直線の一般形$Ax+By+c=0\ (A,\ B:実数)$である. \\\\
[2]\ \ $a\neqq0$のとき,\ 両辺を$a$で割ると 
以上を踏まえ,\ \maru1が反転変換$w=\bunsuu{1}{\kyouyaku z}$によってどのような図形に移るかを考える. \
[A]\ \ \maru1が原点を通る直線を表すとき
\phantom{ [A]}\ \ よって,\ \textcolor{red}{原点を通る直線は,\ その直線自身に移る.} \\\\
[B]\ \ \maru1が原点を通らない直線を表すとき {原点を通らない直線は,\ 原点を通る円に移る.}
[C]\ \ \maru1が原点を通る円を表すとき $\textcolor[named]{ForestGreen}{a\neqq0,\ c=0}$である. \
\phantom{ [A]}\ \ よって,\ \textcolor{red}{原点を通る円は,\ 原点を通らない直線に移る.} \\\\
[D]\ \ \maru1が原点を通らない円を表すとき原点を通らない円は,\ 原点を通らない円に移る.
[\text A]\ \ Ax+By+c=0が原点を通るとき,\ c=0である. \\[1zh] [\text B]\ \ 中心-\bunsuu{\beta}{c}\,で半径が\,\zettaiti{\bunsuu{\beta}{c}}\,ならば,\ この円は原点を通るはずである\,の円となるから,\ 原点を通る. \\[1zh] \phantom{[\text C]}\ \ a\neqq0であるから,\ \kyouyaku\beta w+\beta\kyouyaku w+a=0は原点を通らない. ,\ この円は原点を通らない. \\\\
試験では,\ 反転もどき\ w=\bunsuu1z\ が出題されることも多い. \\[.8zh] \kyouyaku z\leftrightarrow z\,はx-y\,i\,\leftrightarrow\,x+y\,iのことであるから,\ 図形的には実軸に関する対称移動である. \\[.2zh] つまり,\ \bm{w=\bunsuu1z\,は,\ 反転変換w=\bunsuu{1}{\kyouyaku z}\,と実軸に関する対称移動の合成変換}である. \\\\
さて,\ 反転変換による図形の移動は,\ 直線だの円だのが紛らわしい. \\[.2zh] 実は,\ 直線を半径が無限大の円とみなす考え方がある. \\[.2zh] こう考えると,\ \bm{反転変換は円を円に移す(円円対応である)}と簡潔に述べることができる. \\[.2zh] 実軸に関する対称移動は本質的ではないので,\ w=\bunsuu1z\,もw=\bunsuu{1}{\kyouyaku z}\,も同様の円円対応である.