方程式${z^n=α\ (n:自然数)}$の解を複素数${α}$の${n}$乗根という. ここで,\ 高校では実数のように$z=[n]{α}$\ (\ $[3]1}+{√3$)などとすることは許されない. そこで,\ ${n}$乗に強い極形式を利用してこの方程式を解くことになる. 実際には,\ 両辺を極形式で表した後,\ 絶対値と偏角を比較する. 両辺の絶対値と偏角を比較すると 両辺を極形式で表す.\ z^6に対しては{ド・モアブルの定理を適用}する. {両辺の偏角を比較するとき,\ 2kπ(k:整数)\ の自由度がある}ことに注意する. これを整数kを用いて表すと\ 6θ=0+2kπ=2kπ\ となるわけである. 後は偏角の範囲を考慮するとz^6=1を満たすすべての複素数が求まる. 0{kπ}{3}<2π\ より\ 0 kπ<6π\ であるから,\ k=0~5である. {代数学の基本定理「n次方程式は複素数の範囲でn個の解をもつ」}より,\ この6つで全てである. さて,\ θ}\ はθ回転を意味する複素数}であった. よって,\ ({θ})^6はθ回転を6回繰り返すことを意味する. つまり,\ 本問を言い換えると{「θ回転を6回繰り返したときに偏角が0になる角θを求めよ」}である. 図形的には{単位円を6等分した点}になっている. 一般に,\ {複素数のn乗根は複素数平面上の円をn等分した点になる}のである. 本問は,\ 次のように因数分解すると複素数平面の知識がなくても解ける. 両辺の絶対値と偏角を比較すると $r⁴=16,4θ=23π+2kπ\ (k:整数)}$ より $r=2\ (>0),\ 0{π}{6}+{kπ}{2}<2π\ より\ -{π}{3} kπ<{11}{3}π\ であるから,\ k=0~3\ である. 図形的には{半径2の円周を4等分した点}である.