極形式(複素数の極座標表示)

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後半の問題は難度が高く優先度は低いので、初学者はスルー推奨である。

複素数平面は原点中心の回転を成り立ちとしているから,\ 極座標との相性がよい.  偏角は,\ $0θ<2π$の範囲でただ1通りに定まる.  一般には,\ ${arg z=θ+2nπ(n:整数)$\ である.  ただし,\ $z=0$の偏角は任意の実数とする. $[l} arg は偏角(argument})の略である. 範囲がなければ,\ 偏角60° を420°\ や-300°ともみなせるから,\ 一般には+2nπ\ が必要である. また,\ 極形式では,\ {必ずr>0で,\ iの前は必ず+}でなければならないことに注意する. よって,\ z=[-2]{θ}\ や\ z=cosθ-isinθ\ は極形式とはいえない. このような場合,\ r>0,\ +iとなるように変形しなければならない. 次の複素数を極形式で表せ.\ ただし,\ 偏角$θ$は$0θ2π$とする.  原点との距離$r$は,\ $r={a²+b²$で容易に求まる.  後は,\ $cosθ= ar,\ sinθ= br}$\ を両方満たす偏角$θ$を求める必要がある. 偏角は複素数平面上に点を図示して考えるとよい. {角の判断は三角関数の合成と同じ要領}なので,\ きちんと学習を積んできているならば容易である. は先に{分母を実数化}する. -7}-{14}-{3={({-7}-{1})({4}+{3})}{({4}-{3})({4}+{3})}={-28-21i-4i+3}{16+9}=-25}-{25{25}={-1}-{1} 偏角の範囲に指定がなければ,\ 2{cos(-34π)+sin(-34π)}\ などとも表せる. 問題が「偏角を求めよ(範囲なし)」ならば,π}{6}+2nπ\ (n:整数)}\ のように答える. 次の複素数を極形式で表せ.\ ただし,\ 偏角$θ$は$0θ<2π$とする. ~は一見すると極形式に見えるが,\ r(cosθ+isinθ)\ の形ではないから極形式ではない. これを極形式に変形するわけだが,\ 三角関数の各種公式に対する習熟が必要で,\ 難易度は高い. -cosα+isinα=r(cosθ+isinθ)\ と変形しなければならない. さらに,\ {cosθ=-cosα,\ sinθ=sinα}\ を満たす\ θ\ を求めればよい. {cos(π-α)=-cosα,\ sin(π-α)=sinα}\ に気付ける位に公式に慣れていないと厳しい. (a,\ b)=(-cosα,\ sinα)\ を図示して角度θを考えることもできる. さて,\ θ=π-α\ がわかったからといって,\ cos(π-α)+isin(π-α)\ で解答を終えてはいけない. {偏角に範囲がある場合はそれを満たしているかを確認する}必要がある. 0α<2π\ より\ -2π<-α0\ であるから {-π<π-απ} 0π-απ,\ つまり\ 0απ\ のとき,\ 偏角の範囲を満たしている. 一方,\ -π<π-α<0,\ つまり\ π<α<2π\ のとき,\ 偏角の範囲を満たしていないから補正する. もし範囲がなかった場合,\ 偏角には\ +2nπ(n:整数)の自由度がある. つまり,\ ,\ -4π,\ -2π,\ 0,\ 2π,\ 4π,を足してもよいのである. これを利用する.\ -π<π-α<0\ を偏角の範囲に入れるには,\ +2π\ (n=1)すればよい. π<(π-α)+2π<2π\ となり,\ 偏角の範囲を満たす. {cos({π}{2}-α)=sinα,\ sin({π}{2}-α)=cosα}\ に気付かなければならない. (a,\ b)=(sinα,\ cosα)\ を図示して角度θを考えることもできる. 0α<2π\ より\ -2π<-α0\ であるから {-32π<{π}{2}-α{π}{2 0{π}{2}-α{π}{2},\ つまり\ 0α{π}{2}\ のとき,\ 偏角の範囲を満たしている. 一方,\ -32π<{π}{2}-α<0,\ つまり\ {π}{2}<α<2π\ のとき,\ 偏角の範囲を満たしていない. +2π\ (n=1)によって\ {π}{2}<({π}{2}-α)+2π<2π\ となり,\ 偏角の範囲を満たす. }]$ { }ここで,\ $0<α<2π$より$0<{α}{2}<π$であるから  rを求めるとき,\ {半角の公式\ sin²{α}{2}={1-cosα}{2\ を逆に適用して根号をはずす. {1-cosα}や{1+cosα}=2cos{α}{2は半角の公式の逆で根号をはずせると知っておく必要がある. 本問では角の範囲を考慮すると絶対値もはずすことができる. さらに,\ cosθを求めるとき,\ 再び半角の公式の逆で式を整理する. また,\ sinθを求めるとき,\ {2倍角の公式を用いて角を{α}{2}に統一}する. 実は,\ 次のように変形するのが簡潔である. 後は{α}{2}になっただけでと同じである. 0<α<2π\ より\ -π<-{α}{2}<0\ であるから {-{π}{2}<{π}{2}-{α}{2}<{π}{2 0{π}{2}-{α}{2}<{π}{2},\ つまり\ 0<απ\ のとき,\ 偏角の範囲を満たしている. 一方,\ -{π}{2}<{π}{2}-{α}{2}<0,\ つまり\ π<α<2π\ のとき,\ 偏角の範囲を満たしていない. +2π\ (n=1)によって\ {3}{2}π<({π}{2}-{α}{2})+2π<2π\ となり,\ 偏角の範囲を満たす.
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高校数学C 複素数平面
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