絶対値付き2次不等式の解法

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数I}:数と式分野で絶対値付き1次不等式を学習済みである.\ 2次になっても本質的に同じである. つまり,\ 「絶対値はとにかくはずせ」ということである. 通常は場合分けを要するが,\ 本問は{瞬殺型}であり,\ 一発ではずすことができる. 瞬殺型の絶対値付き不等式 {a>0\ のとき  x>ax<-a,\ a<x} 後は2次不等式を解くだけである.\ もちろん,\ 図形的意味を考えて解く. 絶対値付き方程式・不等式は,\ グラフを利用して図形的に解くことも有効である(別解). 視覚的にわかりやすく,\ 特にグラフの図示が容易な問題に対しては強力である. 本問は図形的には「y=x²-2x}のグラフが直線y=1の上側にあるxの範囲を答えよ」である. y=x²-2x}のグラフは,\ 次の2点に着目することで素早く図示できる.\ 場合分けも必要ない.  x²-2x=x(x-2)より,\ x軸とx=0,\ 2で交わる.  全体に絶対値がつくと,\ x軸の下側の部分を上側に折り返したグラフになる. y=1との位置関係も重要なので頂点も求めると,\ (1,\ 1)で接することがわかる. さらに,\ y=x²-2xとy=1の交点のx座標も必要なので連立して求める. 最後,\ y座標が1以}上}となるxの範囲にはx=1も含まれることに注意して答える. 本問には\ x}²=x²}\ を利用する上手い解法がある. ] 結局,\ 瞬殺型の絶対値付き不等式に帰着する.  別解1は,\ 普通に場合分けする絶対値付き方程式・不等式の問題の一般的な解法である. 絶対値は,\ {中身が正ならばそのまま,\ 負ならば-をつけてはずす.} 本問は xなので,\ x>0とx<0に場合分けすることになる. 忘れてはならないのは,\ 2次不等式を解いた後,\ {場合分けの範囲との共通範囲にする}ことである. 前提条件x0の下でx²-5x+4<0となるのであるから,\ その解もx0を満たす必要がある. 最後,\ {x0の場合とx<0の場合を合わせて最終的な解とする.} グラフを利用する解法も示しておく(別解2).\ 問題の形ではグラフで考える利点がない. そこで,\ 絶対値を含む項を右辺に分離し,\ y=x²+4とy=5 xで考える. 5 x=5x}より,\ y=5 xはy=5xの下側の部分を上側に折り返したグラフとなる. また,\ x²+4=5xより,\ y=x²+4とy=5xはx=1,\ 4の2点で交わる. さらに,\ y=x²+4とy=5 xがどちらもy軸対称であることを考慮して素早く図示できる. 場合分けする時点でまず1回2次不等式を解く必要がある. \ この前提条件の下で絶対値をはずして2次不等式を解いた後,\ 共通範囲を求める. さらに,\ 2つの場合を合わせて最終的な解とする. 容易に図示できるので,\ グラフで図形的に考えることも有効である(別解). x²-x-2=(x+1)(x-2)より,\ y=x²-x-2はx軸とx=-1,\ 2で交わる. x軸よりも下側の部分を上側に折り返すとy=x²-x-2}\ のグラフになる. x軸対称移動するには,\ 元の式においてy→-yとするのであった. よって,\ 折り返した部分の式は,\ -y=x²-x-2,\ つまりy=-x²+x+2である. y=xは原点を通る傾き1の直線であるから,\ y=x²-x-2}と明らかに2点の交点をもつ. 連立するとそれぞれ2解求まるが,\ 図より明らかに交点のx座標は正の方である. {複数の絶対値がある場合,\ 中身が0になるところで数直線を分割する.} xと x-3の中身が0になるx=0,\ 3で分割し,\ 3つに場合分けすることになる. 各場合ごとに中身が正ならばそのまま,\ 負ならば-をつけて絶対値をはずして2次不等式を解く. 忘れずに共通範囲を求め,\ 3つの場合を合わせて最終的な解とする. グラフで図形的に考えるのも有効である(別解). 図示するとき,\ 右側の交点の位置の微妙さが問題になる. x=3のときのy=-x²+2x+7のy座標を求めてみると4になるので,\ 3<xで交わるとわかる. 後は連立して交点のx座標を求めればよい.