条件付き2変数関数の最大・最小(実数解条件利用)

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実数$x,\ y$が$x²-xy+y²=3$を満たすとする.  $x$の最大値と最小値を求めよ.  $2x+y$の最大値と最小値を求めよ.  ${x}{y+3}$の最大値と最小値を求めよ. 条件付き2変数関数の最大・最小(実数解条件利用) 等式条件1つにつき1文字消去できる.\ 等式を$x=$か$y=$にして他方に代入するのである. 2変数関数は,\ 1文字消去して1変数関数に帰着させるのが基本である. しかし,\ 等式が2次式の本問では,\ 容易に1文字消去することができない. そこで,\ 高度な考え方を導入することになる. 問題パターンを丸暗記して解くだけならば,\ 判別式を用いるだけなので容易である. しかし,\ 何故判別式で最大と最小が求まるのかという根幹部分の理解は容易ではない. かなり詳しく解説したので,\ よく確認しておいてほしい. x={y{12-3y²{2}\ として求めることも可能だが,\ 数III}の知識を要する. 仮に知識があったとしてもかなり面倒であり,\ 高度な考え方を導入して解くことになる. まず,\ 最大値・最小値を求めることは,\ とりうる値の範囲\ ○ x△\ を求めることに等しい. これを求めるため,\ xがある値をとるか否かを1つずつ考えていく. 例えば,\ xは1という値をとりうるだろうか. xが1をとりうるならば,\ x=1は条件式を満たすはずである. x=1を条件式に代入して整理するとy²-y-2=0となるから,\ y=-1,\ 2である. 結局,\ (x,\ y)=(1,\ -1),\ (1,\ 2)のときx²-xy+y²=3を満たすから,\ xは1をとりうる. では,\ xは3という値をとりうるだろうか. x=3を代入するとy²-3y+6=0となるが,\ D=-15<0よりyは実数解をもたない. つまり,\ x²-xy+y²=3を満たす実数(3,\ y)は存在せず,\ xは3をとりえないとわかる. 以上から,\ {xがある値をとるか否かは,\ 対応する実数yが存在するか否かで決まる}といえる. よって,\ 対応する実数yが存在するようなxを全て探せば,\ ○ x△\ が定まることになる. しかし,\ 実数xは無限にあるから,\ その全てを1つずつ確認していくことは不可能である. そこで,\ {x=kと文字でおいて一般化して考える.}\ 1や3の代わりに文字kを使うのである. x=kを代入して整理するとy²-ky+k²-3=0となる. 実数yが存在していればxはそのkをとりうるし,\ 存在していなければxはそのkをとらない. D=-3k²+120より,\ -2 k2のとき,\ 実数解yが存在する. つまり,\ -2 k2のとき,\ xはx=kをとりうる. これは-2 x2ということであり,\ xの最大値と最小値が求まったことになる. どうせkはxに戻すので,\ 最初からxのまま記述すると解答のようになる. 結局,\ {xの範囲が他方の文字yの存在を追求して求まる}という構造が重要である. このような方法は{逆像法}と呼ばれ,\ 入試では関連問題が頻出する. しかし,\ 教科書には解説がなく,\ 授業で扱われることも少なく,\ 解説している参考書も少ない. よって,\ 多くの高校生にとって高校数学最大の盲点となる. 数II}の図形と方程式分野でも逆像法が登場する. その際には,\ 当サイトの逆像法専用カテゴリを読むとよいだろう. で逆像法の考え方を理解していればやもほとんど同じである. とりあえずと同様に考えよう.\ 例えば,\ 2x+yは1をとりうるだろうか. とりうるか否かは,\ 2x+y=1と条件式を連立し,\ 実数x,\ yが存在するか否かで決まる. y=1-2xとして代入すると7x²-5x-2=0より,\ x=-27,\ 1となる. y=1-2xより,\ (x,\ y)=(-27,\ {11}{7}),\ (1,\ -1)が存在し,\ 2x+yが1をとるとわかる. では,\ 2x+yは6をとりうるだろうか. y=6-2xとして条件式に代入して整理すると7x²-30x+33=0となる. しかし,\ D=-6<0より実数xは存在しないから,\ 2x+yが6をとることはない. では,\ 2x+y=kと一般化して考える. 連立した7x²-5kx+k²-3=0が実数解xをもてば,\ 2x+yがそのkをとりうることになる. 実数xが存在していれば,\ y=k-2xより実数yも自動的に存在することに注意してほしい. 結局,\ {7x²-5kx+k²-3=0が実数解xをもつかどうかでkの範囲が決まる}のである. と同じく=kとし,\ 消去しやすいxを消去するとにおけるyの実数解条件に帰着する. 実数yが存在していれば,\ x=k(y+3)より実数xも自動的に存在することに注意. とは異なり,\ 2次の係数k²-k+1が0になるか否かの確認が必要である. k²-k+1=0のときは2次方程式にならず,\ 判別式が使えないからである. 平方完成すると,\ k²-k+1=0になることはないことがわかる. あるいは,\ k²-k+1=0の判別式D=-3<0を示してもよい.