2次方程式の解の存在範囲 高難度の最終形態

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2次方程式\ x²-2ax+a+2=0\ が次の条件を満たすような定数aの値の範囲を求めよ.$ $ 異なる2つの実数解のうち,\ ただ1つが\ -2<x<2\ にある.$=”” $ 異なる2つの実数解のうち,\=”” ただ1つが\=”” -2=”” x2\=”” $ -2<x<2\=”” に少なくとも1つの実数解をもつ.$=”” $ -2=”” {2次方程式の解の存在範囲(最終形態)=”” 誤り $「-2<x<2にただ1つの解をもつ」であるから f(-2)f<0  終わり.$=”” このように安直に考えると間違える.\=”” 「ただ1つの解をもつ」条件は,\=”” 実は単純ではない.=”” 特に注意を要するのは,\=”” ${f(-2)f=”0\” [f(-2)=”0\” または\=”” f=”0]\” のときである.$=”” まず,\=”” $f(-2)=”0のときにあり得るグラフが次である.$これらの$f$の符号と交点の個数は左から以下になる.” $=”” f(-2)>0} &  0個\ (-2<x<2)  1個\ (-2=”” x2)}=”” f(-2)<0} &  1個\ (-20は必要ない. {f(-2)=0とf=0のとき,\ aの値が求まるので実際に解を求めてみる.} 後は,\ その解が問題の条件を満たすか否かを確認すればよい. f(-2)=0とf=0の場合分けが必要なことさえわかっていれば易問である. 条件を満たす場合をまとめて,\ 最終的な答えとする. ,\ のように,\ 「少なくとも1つの実数解」となると厄介さが倍増する. 複数の解法が考えられるが,\ 次の2つに場合分けをする解法が一般的である. 2つの実数解(重解を含む})をもつ」「ただ1つの実数解をもつ」} 2つの実数解(重解を含む)をもつ場合は,\ 解の存在範囲問題の基本パターンである. {「判別式」「軸の位置」「区間の端におけるy座標の正負」に着目}して条件を考える. ただ1つの実数解をもつ場合はと完全に同じなので,\ ここでは簡潔に示した. 5\ を合わせて最終的な答えとする. 2つの実数解(重解を含む)をもつ場合は,\ と同様である.\ ただし,\ 本問は等号を含む. ただ1つの実数解をもつ場合を考える. もちろん,\ f(-2)f<0とf(-2)=0とf=0に場合分けしてもよい. しかし,\ その必要があるだろうか.\ 本問は「少なくとも1つの実数解をもつ」である. つまり,\ 別に{2つの実数解をもつことがあってもよい}のである. f(-2)=0のとき,\ 少なくとも1つx=-2を解にもつことが確定している. f=0のときも同様に,\ 少なくとも1つx=2を解にもつ. よって,\ {もう1つの解がどうであれ,\ 確実に題意を満たす.} 結局,\ 場合分けせずとも,\ {f(-2)f0\ のようにまとめて求めてよい}ことになる. こうすると,\ の場合にも-2 x2に2つの実数解をもつ可能性が生じる. そのため,\ とが排反ではなくなることを気にする人がいるかもしれない. しかし,\ 最終的に合わせた範囲にするので,\ 不足は駄目だが,\ 重複は問題ない. 場合の数分野とは異なり,\ {排反の場合分けを意識する必要はない}のである. の別解 [軸の位置で場合分け}]最大・最小問題ではよくあるので,\ 軸の位置で場合分けするという発想も不自然ではない. しかし,\ 実際にやってみると結構複雑である. 軸x=aが,\ {区間の左側・区間の内側・区間の右側の3つに場合分け}する. 軸が区間の左側にあるとき,\ {x=-2で負,\ x=2で正}が条件となる. 軸が区間の右側にあるとき,\ {x=-2で正,\ x=2で負}が条件となる. 厄介なのは,\ 軸が区間の内側にあるときで,\ 3つの可能性を考慮しなければならない. 軸が{区間の内側の左の方・区間の内側の中央付近・区間の内側の右の方}の3つである. まず,\ いずれの場合も,\ {(頂点のy座標)0}\ でなければならない. 実は,\ この3通りは{1つの条件「f(-2)>0\ ま}た}は}\ f>0」にまとめられる.} 図を見てわかるように,\ f(-2)かfどちらかは正なのである. そして,\ 「頂点のy座標が負」のもとでは,\ どちらかが正なら交点をもつ. 逆に言えば,\ f(-2)0\ かつ\ f0\ のときのみ,\ -24,\ (傾き)<-2\ のとき,\ y=x²+2と直線は必ず2点で交わる. 図の範囲では1点でしか交わらないようにも見えるが,\ ずっと上までいけばいつかは交わる. 2次関数が下に凸の曲線だからである. このようにして図形的に考えると,\ ~の答えを一気に求めることができる. 実は,\ そもそも本問は,\ この別解のグラフをイメージしながら次の点を意識して作成した. 「~の解答がいずれもすべての実数や解なしにならない(つまらないから)」 「定点分離法を別解として示すことができる」 「頂点や定点を座標軸上に設定し,\ 本質とは無関係の部分での計算量を減らす」 「交点・接点が綺麗な数(有理数)になるには,\ 頂点や定点を軸上のどこに設定すべきか」 こうして,\ まずx²+2=2a(x-12)ができ,\ 整理してx²-2ax+a+2=0が得られたのである. このような問題作成のからくりを知ると,\ 定数分離法がいかに強力な解法であるかがわかるだろう. {aのみを完全に分離(数III}の微分が必要)}]}$ $x=12\ のとき 元の方程式は,\ 常に\ 94=0\ となり,\ 満たされない.$ 分子の次数を分母の次数より引くする}]$} x12\ を確認した後,\ 2x-1で割ると定数aのみを完全に分離できる. 動かないy={x²+2}{2x-1}\ のグラフを描き,\ 直線y=aとの共有点を考える. y=aはx軸と平行な直線であるから,\ 共有点を容易に読み取れる. グラフを描く過程は面倒だが,\ {一旦図示してしまえば安全性が高い解法}である