求める領域は,\ 上図の斜線部分.\ 境界線を含む.}$}
$\left[l}
絶対値が付いているならば,\ それを外してから図示すればよいだけである.
絶対値のはずし方の原則は,\ 場合分け
ただし,\ 右辺が正の定数の場合は,\ 場合分けせずとも一発ではずせるのであった.
aが正の定数のとき
(2)の肝は対称性の利用である.
一般に,\ $F(x,\ y)=0}$のグラフにおける対称性が以下である.
{直線y=xに関して対称}
yを-\,yに変えても,\ 全体として式が変わらなければ,\ x軸対称である.
xを-\,xに変えても,\ 全体として式が変わらなければ,\ y軸対称である.
xを-\,x,\ yを-\,yに変えても,\ 全体として式が変わらなければ,\ 原点対称である.
xをy,\ yをxに変えても,\ 全体として式が変わらなければ,\ 直線y=xに関して対称である.
普通に絶対値をはずそうとすると,\ 2つの絶対値のせいで4つの場合を考える羽目になる.
面倒で紛らわしく,\ 見通しも悪い.\ 何よりも応用性がない.
絶対値付き不等式の表す領域は,\ 常に対称性の有無を調べる}癖をつけておく.
F(-\,x,\ y)=F(x,\ y)も成り立つからx軸対称かつy軸対称であり,\ つまりは原点対称でもある.
x軸対称かつy軸対称であれば,\ 第1象限に限定して領域を考えれば済む.}
x≧0,\ y≧0,\ y≦-\,x+1\ を図示すると,\ 上図の水色の色塗り部分となる.
第1象限の部分をx軸とy軸に関して対称になるように折り返すと,\ 解答が完成する.
最初は,\ 絶対値を見て面倒さや難しさを感じたかもしれない.
しかし,\ むしろ逆に,\ 絶対値のおかげで対称性が生まれ,\ 容易に図示できる}のである.
が表す領域は頻出するので暗記推奨である.
頂点(a,\ 0),\ (0,\ a),\ (-\,a,\ 0),\ (0,\ -\,a)の正方形の周および内部}を表す.
$1≦ x-2}+ y-2}≦3$\ の表す領域を$xy$平面に図示せよ. \\
絶対値を普通に場合分けしてはずそうなどと考えると地獄絵図になる.
本問は,\ 対称性と平行移動の考慮が必須}である.
まず,\ 求める領域がx軸とy軸に関して対称であることを確認する.
結局,\ 第1象限だけを考えればよく,\ このとき内側の絶対値がはずせ},\ ①となる.
①が,\ x+ y≦ a型の領域を平行移動したもの}と気付けるかが重要である.
x+ y≦ a型の領域を1つの型として暗記していなければ厳しいだろう.
もちろん,\ 平行移動の基本知識も必要である.
x方向にa,\ y方向にb平行移動するとき,\ x\,→\,x-a,\ y\,→\,y-b\ とする}のであった.
求める領域の第1象限が①であるから,\ ①さえ図示できれば,\ 後は折り返すだけである.
①を図示するには,\ 1≦ x+ y≦3\ \ ・・・・・・\,②\ を図示し,\ 平行移動すればよい.
②を図示するために,\ ②の対称性を確認する.
②はx軸とy軸に関して対称であるから,\ 第1象限だけを考え,\ 折り返せばよい.
②の第1象限は,\ -\,x+1≦ y≦ x+3\ (水色の部分)である.
これをx軸とy軸に関して対称となるように折り返して,\ 領域②が得られる.
さらに,\ ②を平行移動すると,\ 領域①(黄色の部分)が得られる.
これを折り返すと,\ 求める領域となる.
ちなみに,\ 本問は2013年大阪大学(理系)の大問2である.