座標平面上に2点A$(-\,1,\ 0)$,\ B(1,\ 0)がある.
(1)\ \ 点Pが$∠APB}=90°$を満たしながら動くとき,\ 点Pの軌跡を求めよ.
(2)\ \ 点Pが$∠APB}=60°$を満たしながら動くとき,\ 点Pの軌跡を求めよ.2定点から見込む角が一定である点の軌跡 \\
(1)\ \ 点Pの座標を$(x,\ y)$とする.
APB=90°}$よりPはA,\ Bとは異なる点であるから,\ $(x,\ y)≠(±\,1,\ 0)}$である.
求める軌跡は,\ 原点を中心とする半径1の円}.\ \ ただし,\ 点(±\,1,\ 0)を除く.}$}
点Pの座標を$(x,\ y)$とする. \
まず,\ 点P}が点A,\ B}と一致するとき,\ ∠APB}が定義できない}ことに注意する.
本解では,\ 直角三角形であることと三平方の定理が成立することが同値}であることを利用している.
ベクトルを学習済みならば,\ 直角に圧倒的な強さをもつベクトルを利用すると簡潔に済む(別解).
ベクトルの垂直条件は,\ 内積が0}となることである.
→a=(a_1,\ a_2),\ →b=(b_1,\ b_2)のとき →a・→b=a_1b_1+a_2b_2
一般に,\ 2定点から見込む角が90° である点の軌跡は,\ 2定点を直径とする円}となる(2定点は除く}).
このことは,\ 円周角の定理およびその逆を考慮するとほぼ自明である.
場合によっては答えだけでも満点をもらえるかもしれないが,\ 丁寧に記述すると上のようになる.
$y$軸上にAQB=60°$となる点Qをとると円周角の定理の逆}により,\ 4点A,\ B,\ P,\ Qは同一円周上の点である. \つまり,\ $∠APB=60°}$を満たす点Pは弧AQB上にある. 逆に,\ 点Pが弧AQB上にあるとき,\ 円周角の定理}より\ \ $∠ AQB=∠ APB=60°}$
[1],\ [2]\,より,\ 点Pの軌跡は弧AQBである.
円の中心をCとすると,\ $∠AQB=60°}$より,\ $∠ACB=120°}$である.
よって,\ $△$OBCは$OB=1},\ 30°,\ 60°,\ 90°$の直角三角形}である.
見込む角が直角でない場合,\ 数式的に求めようとすると計算がかなり面倒になる.
よって,\ 図形的に求めることが推奨される.}
まず,\ 「\,∠APB=60°}\ ⇒\ 弧AQB}上\,」を示す.
対称性を考慮し,\ y軸上に2点A,\ B}から見込む角が60° となる点を設定する.}
さらに,\ 以下の円周角の定理の逆により,\ 点 Pが必ず弧AQB}上にあることが示される.
2点P,\ Q}が直線A,\ B}に関して同じ側にあるとする.
このとき,\ ∠APB=AQB}ならば,\ 4点A,\ B,\ P,\ Q}は同一平面上にある.
次に,\ 「\,弧AQB}上\ ⇒\ ∠APB=60°}\,」を示す.\ これは円周角の定理から明らかである.
後は,\ 円の中心の座標と半径を求めればよい.\ 中心角が円周角の2倍であることを利用する.