平面図形は受験における位置づけが難しい分野である。重要か否かと聞かれたら重要であると答えざるを得ない。大学入試共通テストでは平面図形が1つの大問として出題されることが決まっているからである。ただし、選択問題である。
一方、2次記述試験では平面図形の重要さは大きく減少する。強制的に出題者の想定する解法に誘導される大学入試共通テストとは異なり、解法が自由だからである。
通常、図形問題の解法は大きく次に分類される。
- 幾何的に解く(数A平面図形)
- 三角比・三角関数で解く(数I三角比、数Ⅱ三角関数)
- ベクトルで解く(数Cベクトル)
- 座標平面で解く(数Ⅱ図形と方程式)
- 複素数平面で解く(数C複素数平面)
どの解法も一長一短で、それぞれにメリット・デメリットが存在する。
その中で、平面図形のメリットは『最小限の記述と計算で圧倒的に簡潔な解答が可能になる』ことである。一方、デメリットは『統一的な解法や確実性がなく、問題ごとにひらめきが必要になる』ことである。
メリット・デメリットを総合的に考慮すると、図形問題を見かけた場合はまず幾何的に解けないかを考え、無理そうならば他の確実な解法をとるという戦略がよいと考えられる。
しかし、実際の2次記述試験で出題される問題は幾何的に解くことを標準解法として想定されていることは少ない。そのような問題を幾何的に解こうとすると、相当の幾何的能力やひらめきが必要になるため、ほとんどの受験生は必然的に他の解法を選択することになる。このような理由で、一般的には平面図形分野の学習は最低限にとどめ、他分野の学習に時間をかける方が受験対策としては理にかなっている。
重要度などを考慮し、当サイトでは大学入試共通テストレベルの基本事項を中心に取り扱うことにし、応用的なものは一部を除き取り扱わない。
なお、この図形の性質分野の基本事項は他分野の問題を解く上で必要になることも多いので、最低限の基本を習得しておくことは必須である。
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