連立不等式$x+2y≧4,\ x-3y≧-\,6,\ 3x+y≦12$が表す領域を$D$とする.
点$(x,\ y)$が領域$D$を動くとき,\ 次の式の最大値と最小値を求めよ. の最大値と最小値を求めよ.連立不等式と2変数関数の最大・最小
本問に限らず,\ 条件が連立不等式の問題は,\ 領域の図示が有効である.
まず,\ 領域$D$を図示し,\ $最大値と最小値を求める式をf(x,\ y)=k\ とおく.$
領域$D}$に含まれる実数$(x,\ y)}$に対応して$k}$の値が定まる.
逆にいえば,\ $求めるkの値には対応する実数(x,\ y)が存在していなければならない.$
図形的には,\ $f(x,\ y)=k}$と領域$D}$が共有点をもてば,\ $k}$に対応する実数$(x,\ y)}$が存在する.
このように,\ 対応する実数$(x,\ y)$の存在を追求して$k$の値を求める手法を逆像法という.
直線①が領域Dと共有点をもつようなkの値の最大値と最小値を求める.$
=kとおいてy=の形に変形する.\ これは,\ 傾き-14\ (一定),\ y切片\, k4\,の直線}である.
kが最大・最小となるのは,\ y切片\, k4\,が最大・最小となるときである.
領域Dと共有点をもつように傾き-14\ (一定)の直線を変化さ,\ y切片\, k4\,の最大・最小を考える.
直線が点(3,\ 3)を通るとき,\ y切片\, k4,\ つまりはkが最大となる}のは図形的にほぼ明らかである.
これ以上y切片が大きくなるように直線を動かすと,\ 領域Dと共有点をもたなくなる.
後は,\ x+4y=kに(x,\ y)=(3,\ 3)を代入してkの値を求めればよい.
最小も同様だが,\ 直線の傾きに注意して判断}しなければ,\ (0,\ 2)を通るときと間違える可能性がある.
$連立1次不等式を満たす(x,\ y)に対し,\ 1次式ax+byの最大・最小の求める問題を線形計画法}という.$
円②が領域Dと共有点をもつようなk^2\,の値の最大値と最小値を求める.$
f(x,\ y)=kが直線でない場合も根本的な考え方は同じである.
x^2+y^2=k^2\,とおくと,\ 原点を中心とする半径kの円を表す.}
=k^2\,とおいたのは,\ =kとおくと半径が√ k\,となり後の処理が面倒になるからである.
結局,\ 原点中心の円が領域Dと共有点をもつような半径の最大・最小を考える}ことになる.
原点と点(x,\ y)の距離が√{x^2+y^2}\,より,\ 原点からの距離の最大・最小}と考えても同じことである.
半径が最大となるのが(3,\ 3)と(4,\ 0)のどちらを通るときなのかを図で判断するのは困難である.
実際に(3,\ 3)と(4,\ 0)のときのx^2+y^2\,の値を計算してみると,\ (3,\ 3)で最大をとることがわかる.
半径が最小となるのは直線y=-12x+2と接するとき}である.
点(0,\ 2)を通るときとする間違い}が非常に多いので注意する.
このときの半径は,\ x^2+y^2=k^2\,を利用せず,\ 点と直線の距離の公式}で求めるのがよい.
点(x_1,\ y_1)と直線ax+by+c=0の距離 ax_1+by_1+c{√{a^2+b^2
最小値\,16}{5}\,をとるときの(x,\ y)を求めたい場合は以下のようにする.
原点を通り,\ 直線y=-12x+2と垂直な直線の方程式は,\ y=2xである.
ここで,\ 2直線y=m_1x+n_1,\ y=m_2x+n_2\,の垂直条件がm_1m_2=-\,1}であることを利用した.
$直線③が領域Dと共有点をもつようなkの値の最大値と最小値を求める.$
y-1}{x+1}\,は,\ 2点(x,\ y)と(-\,1,\ 1)を通る直線の傾きを意味する.}
y-b}{x-a}\,という式は,\ 図形的には定点(a,\ b)を通る直線の傾きとみなせる}わけである.
分数の形がわかりにくければ,\ y-1=k(x+1)}として考えてもよい.
これは,\ 点(x_1,\ y_1)を通る傾きmの直線の方程式y-y_1=m(x-x_1)の形である.
つまり,\ y-1=k(x+1)は,\ 点(-\,1,\ 1)を通る傾きkの直線}である.
領域Dと共有点をもつような点(-\,1,\ 1)を通る直線の傾きkの最大・最小を考える}ことになる.