複数の文字を含む因数分解は最も次数が低い文字で整理せよ

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次の式を因数分解せよ. 複数の文字を含む因数分解 以下の3つの条件を満たす問題は,\ 闇雲に考えているだけでは手も足も出ない. 複数の文字が含まれている. 一見して公式の形ではない. 組み合わせによって共通因数を作ることができない,\ または作ることが難しい. しかし,\ 最も本質的な視点を持っていると,\ 実にあっさりと因数分解することができる. それは,\ 「最も次数が低い1つの文字についての式とみなす」ということである. 例としてを考えよう. $x$または$z$についての式とみると2次式,\ $y$についての式とみると1次式である. 一般に,\ 次数が低い式ほど単純である. 1次式とも2次式ともみなせる式をあえて厄介な2次式とみなす必要はないだろう. $y$についての1次式とみなすと,\ 本質的に$2y+4$などの因数分解と同じになる. よって,\ 後は$2y+4=2(y+2)$のように共通因数をくくり出せば因数分解できる. もしも共通因数が見つからないようならば,\ その式は因数分解できないことになる. 以上の考察から,\ 複数の文字を含む因数分解の本質的かつ確実な手順が以下となる. $$最も次数が低い文字}で整理する. $$係数と定数項を因数分解し,\ 共通因数があればくくり出し,\ 2次式ならばたすき掛け. 最も次数が低いy(1次)で整理し,\ 定数項10x²+13zx-3z²を因数分解する. xの2次式とみてたすき掛けする. yの係数から-をくくり出すと,\ 共通因数5x-zができるのでこれをくくり出す. 最も次数が低いz(1次)で整理し,\ zの係数を因数分解する(xをくくり出す). さらに因数分解できるが,\ 先に共通因数x²-xy-2y²をくくり出してしまうとよい. x²-xy-2y²はxの2次式とみてたすき掛けする. xについては3次,\ y,\ zについては2次式である. この場合はyとzのどちらで整理してもよいが,\ ここではyについての式とみて整理した. 係数と定数項を因数分解すると,\ 共通因数x+2が見つかるのでこれをくくり出す. 後はyの2次式とみてたすき掛けする. たすき掛けのときに限り,\ 1次の係数は展開した状態で考えるとよい. つまり,\ yの係数z(x+1)をxz+zとしてたすき掛けする.