原子核の構成・同位体・原子量

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【原子核の構成】 原子は原子核と電子からなり、原子核は陽子と中性子からなる。 粒子    電気量   質量 陽子(p)  +e    1.673×10⁻²⁷ kg 中性子(n) 0     1.675×10⁻²⁷ kg 電子(e⁻)  −e    9.109×10⁻³¹ kg 原子の大きさ:約10⁻¹⁰ m 原子核の大きさ:約10⁻¹⁵~10⁻¹⁴ m 原子番号Z、質量数Aの原子や原子核は、元素記号Xを用いて、左上にA、左下にZを添えた核種記号で表す(例:¹²₆C)。 電子の質量は陽子や中性子の約1/1840と非常に軽く、原子の質量のほとんどは原子核が占める。 陽子と中性子の質量はほぼ等しいため、原子の質量は陽子と中性子の総数にほぼ比例する。 このため、陽子と中性子の総数を質量数という。なお、陽子と中性子の総称を核子という。 原子番号Zは陽子の数を表し、原子核の電気量は+Zeである。 電気的に中性な原子では、陽子と電子の数が等しく、いずれもZ個である。 原子番号Z(陽子の数)によって、元素の種類(周期表での位置)が決まる。 原子番号Z=陽子の数 質量数A=陽子の数+中性子の数 中性子の数=A−Z 【核力】 正の電気量をもつ陽子同士は静電気力で反発し合う一方、中性子は電気量をもたない。 それにもかかわらず原子核が存在できるのは、核子同士に強い引力がはたらくからである。 この力を核力といい、陽子同士、陽子と中性子、中性子同士の間にはたらく。 核力は、核子間の距離が10⁻¹⁵ m程度のときに強くはたらく短距離の力であり、この距離では陽子同士の静電気的な反発力よりもはるかに強い。 【同位体(アイソトープ)】 原子番号Zが等しく、質量数Aが異なる原子を同位体(アイソトープ)という。 つまり、同位体は陽子の数が等しく(周期表で同じ位置)、中性子の数が異なる。 例 水素の同位体:¹₁H(軽水素:中性子0個)、²₁H(重水素:中性子1個)、³₁H(三重水素:中性子2個)   炭素の同位体:¹²₆C(中性子6個)、¹³₆C(中性子7個)、¹⁴₆C(中性子8個) 同位体は中性原子の電子配置が等しいため、化学的性質はほぼ同じであるが、質量は異なり、原子核の安定性が異なる場合もある。 不安定な原子核が放射線を放出して崩壊する現象を放射性崩壊という。 ³₁Hや¹⁴₆Cは、放射性崩壊を起こす放射性同位体(ラジオアイソトープ)である。 【統一原子質量単位u】 原子や原子核の質量は非常に小さいため、質量の単位として統一原子質量単位uを用いる。 定義:¹²₆C原子1個の質量の1/12を1 uとする。 (¹²₆C原子1個の質量は正確に12 u。) アボガドロ定数をNₐ=6.02×10²³ 個/molとすると、 1 u=(12 g/mol)÷Nₐ×1/12   =(12×10⁻³ kg/mol)÷(6.02×10²³ /mol)×1/12   ≒1.66×10⁻²⁷ kg 陽子と中性子の質量は、ともにほぼ1 uに等しい。 【原子量】 ¹²₆C原子1個の質量を12とし、各原子1個の質量を相対的に表した値を相対質量という。 原子1個の質量を統一原子質量単位uで表した数値は、その原子の相対質量に等しい。 例 ¹²₆C原子1個の質量は12 uで相対質量は12、¹³₆C原子1個の質量は約13.003 uで相対質量は約13.003である。 天然の元素には複数の同位体が存在することが多く、同位体の相対質量を存在比で加重平均した値(数学的には期待値)を原子量という。 例 ¹²₆C(相対質量12.000)が98.9%、¹³₆C(相対質量13.003)が1.1%存在するとき、 原子量は 12.000×0.989+13.003×0.011≒12.01 相対質量や原子量は相対的な質量を表す数値であり、単位をもたない。 【問題】 原子番号Z、質量数Aの原子を考える。 電気素量をe、アボガドロ定数をNₐ=6.02×10²³ /molとする。 (1) 原子核に含まれる陽子と中性子の数、原子核の電気量、および電気的に中性な原子に含まれる電子の数をZ、A、eを用いてそれぞれ表せ。 (2) 統一原子質量単位1 uの定義を述べ、1 uが何kgに相当するか求めよ。 次に、ある元素Xには質量数20と22の2種類の同位体(原子番号はともにZ)だけが存在し、それぞれの相対質量は20.0、22.0であるとする。この元素の原子量は20.4である。 (3) 質量数20と22の同位体Xの存在比をそれぞれ百分率で求めよ。 (4) この元素の原子全体の質量のうち、質量数22の同位体Xの原子が占める質量の割合を求めよ。ただし、原子1個の質量はその相対質量に比例するものとする。 【解答】 (1) 陽子の数:Z個、電子の数:Z個、中性子の数:A−Z個、原子核の電気量:+Ze。 (2) 統一原子質量単位1 uは、¹²₆C原子1個の質量の1/12と定義される。 ¹²₆Cのモル質量を12 g/molとすると、原子1個の質量は(12×10⁻³)/Nₐ kgであるから、 1 u={(12×10⁻³)/(6.02×10²³)}×1/12≒1.66×10⁻²⁷ kg [補足] molは物質量の単位であり、1 molは約6.02×10²³個の粒子に相当する。 ¹²₆C原子は1 mol(Nₐ個)あたり12 g=12×10⁻³ kgなので、¹²₆C原子1個の質量は(12×10⁻³)/Nₐ kgである。 (3) 質量数20の同位体Xの存在比をxとすると、質量数22の同位体Xの存在比は1−xであるから、 20.0x+22.0(1−x)=20.4 よって x=0.80、1−x=0.20。 したがって、質量数20の同位体Xの存在比は80%、質量数22の同位体Xの存在比は20%。 (4) 質量数22の同位体Xの存在比は(3)より0.20であり、原子1個の相対質量は22.0である。 この元素の原子量(平均の相対質量)は20.4であるから、質量数22の同位体Xが占める質量の割合は、 (22.0×0.20)/20.4≒0.216(21.6%) [別解] (3)より、原子の個数比は、質量数20の同位体:質量数22の同位体=4:1。 原子1個の質量は相対質量に比例するから、両同位体の質量比は、 20.0×4:22.0×1=80:22=40:11。 よって、質量数22の同位体Xが占める質量の割合は、 11/(40+11)=11/51≒0.216(21.6%) [補足] 存在比は原子の個数の割合であり、質量の割合ではない。 質量数22の同位体Xは1個あたりの質量が大きいため、質量の割合は存在比の20%より大きくなる。 本解:原子量(平均の相対質量)が分かっている場合、それを利用して直接求めると簡単である。 別解:原子量を使わなくても、各同位体の個数比と相対質量から質量比を求められる。
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高校物理 原子物理
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