ミリカンの油滴実験(電気素量の測定)

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密度ρ、半径rの球形の油滴を、間隔dの水平な2枚の平行金属板の間に入れる。 油滴の速さがvのとき、油滴が空気から受ける抵抗力の大きさはkrvであるとする。ここで、kは定数であり、重力加速度の大きさをgとする。空気による浮力は無視する。 まず、金属板間に電場を加えずに油滴を落下させたところ、油滴はやがて一定の速さv₁で落下した。 (1) 油滴の質量をmとして、v₁をm、k、r、gを用いて表せ。 次に、油滴に負の電気を帯びさせ、上側の金属板を正、下側の金属板を負として電位差Vを加えたところ、油滴はやがて一定の速さv₂で鉛直上向きに運動した。油滴の電気量の大きさをqとする。 (2) qをρ、r、g、d、V、v₁、v₂を用いて表せ。 同様の測定を多数の油滴について行ったところ、油滴の電気量の大きさとして次の5つの値が得られた。ただし、測定値には多少の誤差が含まれているものとする。 3.18、4.82、8.05、11.18、12.82 (×10⁻¹⁹ C) (3) 各油滴の電気量は電気素量eの整数倍である。5つの測定値をすべて用いて、電気素量eを有効数字3桁で求めよ。 ミリカンの油滴実験(電気素量の測定) (1) 一定の速さv₁で落下中なので、重力と空気抵抗がつり合う。 mg = krv₁ より、 v₁ = mg/(kr) (2) 平行板間の電場の強さをEとする。 油滴は負に帯電しているから、電気力qEは鉛直上向きにはたらく。 一定の速さv₂で上昇しているから、 qE = mg + krv₂ (1)よりmg = krv₁であるから、 qE = mg(1 + v₂/v₁) また、 E = V/d m = (4/3)πr³ρ より、 q = (4πρr³gd/3V)(1 + v₂/v₁) 問題に誘導がなくても、必要なら自分で文字を設定し、与えられた物理条件から成り立つ式をまず立てることが重要である。 本問では、一定の速さで運動していることから、油滴にはたらく力のつり合いの式を立てる。 後は、答えに用いるよう指定されていないE、k、mを消去すればよい。 (1)の結果、V = Ed、m = (4/3)πr³ρを利用すると、E、k、mをすべて消去できる。 なお、 質量[kg] = 密度[kg/m³] × 体積[m³] である。 (3) 測定値を小さい順に並べて差を調べると、 測定値: 3.18、4.82、8.05、11.18、12.82 隣り合う測定値の差: 1.64、3.23、3.13、1.64 単位はいずれも×10⁻¹⁹ Cである。 これらは約1.6×10⁻¹⁹ Cまたはその2倍であるから、 e ≒ 1.6×10⁻¹⁹ C と推定できる。 よって、各測定値はそれぞれ次のようになると考えられる。 3.18×10⁻¹⁹ C ≒ 2e 4.82×10⁻¹⁹ C ≒ 3e 8.05×10⁻¹⁹ C ≒ 5e 11.18×10⁻¹⁹ C ≒ 7e 12.82×10⁻¹⁹ C ≒ 8e ゆえに、5つの測定値をまとめると、 (3.18 + 4.82 + 8.05 + 11.18 + 12.82)×10⁻¹⁹ ≒ (2 + 3 + 5 + 7 + 8)e 40.05×10⁻¹⁹ ≒ 25e したがって、 e ≒ 1.60×10⁻¹⁹ C 各油滴の電気量qᵢが電気素量eの整数倍であるならば、 qᵢ = nᵢe と表される。ただし、nᵢは正の整数である。 よって、2つの測定値の差も、 qⱼ − qᵢ = (nⱼ − nᵢ)e となり、必ずeの整数倍になる。 したがって、隣り合う測定値の差を調べることで、電気量に共通する最小単位eを推定できる。 本問では、差が約1.6または約3.2(1.6の2倍)であることから、 e ≒ 1.6×10⁻¹⁹ C と推定できる。 次に、この値を基準として各測定値がeの何倍に当たるかを決める。 各測定値をその倍数で割れば、それぞれeの値が求められるが、測定誤差のため完全には一致しない。 そこで、複数の測定値をまとめて用いてeの値を求める。 具体的には、測定値の合計を対応する倍数の合計で割り、 e ≒ (q₁ + q₂ + q₃ + q₄ + q₅)/(n₁ + n₂ + n₃ + n₄ + n₅)
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高校物理 原子物理
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