まず,\ 平方根についての非常に多い間違いが次である. ${×{9}=3 {×{(-3)²}=-3$} 間違いの原因は,\ 「9の平方根」と「ルート9${(9)}$」を混同していることにある. $(9の平方根)=9$ではないのである. 正の数${a}$の平方根 2乗すると${a}$になる数.\ 正のものと負のものの2個がある. {正の数${a}$の平方根} 2個の平方根のうち,\ 正の方を${ a}$,\ 負の方を${- a}$で表す.} {正の数${a}$の平方根} 0の平方根は0のみなので,\ $0=0$と定める. 以上が平方根の定義である.\ 具体例を示そう. 9の平方根(2乗すると9になる数)は2個あり,\ 正の方が$9$,\ 負の方が$-9$である. 2乗すると9になる正の数は3であるから,\ $9=3$である.\ 同様に,\ $-9=-3$である. 負の数$a$の平方根(2乗すると負の数$a$になる数)は,\ (実数範囲では)存在しない. よって,\ $ a$とあれば,\ 中身の$a$は常に0以上のはずである. また,\ 2個の平方根のうちの正の方が$ a$なのであるから,\ $ a$全体としても0以上である. 結局,\ ${a}$において,\ 必ず${a0}$かつ${ a0}$なのである. それゆえ,\ ${9}=-3$や${(-3)²}=-3$とするのは誤りである. 以上を踏まえて,\ ${2乗の平方根\ {a²}$について考えよう. ${a²}$は,\ 2乗して${a²}$になる数のうち正の方}を表す.\ つまり,\ $a²}0$でなければならない. 2乗して$a²$になる数は$a$と$-a$がある.\ ${a²}$は,\ このうちの正の方のことである. $a>0$のときは当然$a$の方が正だが,\ $a<0$のときは$-a$の方が正となる. 結局,\ 次のように場合分けされる. 要するに,\ {「2乗の平方根は一旦絶対値をつけてはずせ!」ということである. まずは因数分解して2乗の形にできることに気付かなければならない. 2乗の平方根を一旦絶対値をつけてはずすと,\ 後は絶対値をはずす問題に帰着する. 絶対値は,\ 中身が0以上のときはそのまま,\ 0未満のときは-をつけてはずすのであった. 複数の絶対値があるので,\ まとめて場合分けをしなければ面倒になる. (絶対値の中身)=0となるところが場合分けの境目である. x-2=0,\ 3x+1=0より,\ 数直線をx=2とx=-13で分割する. つまり,\ x<-13,\ -13 x2,\ 20,\ 3x+1>0より,\ 絶対値はそのままはずせる. -13 x2のとき,\ x=0とするとx-2<0,\ 3x+1>0より,\ x-2}のみ-をつけてはずす. x<-13のとき,\ x=-1とするとx-2<0,\ 3x+1<0より,\ いずれも-をつけてはずす.