因数分解公式と3次式の因数分解①

スポンサーリンク

「受験では[6]も覚えておくべき」とありますが、「[5]も覚えておくべき」の誤りです。

因数分解公式と3次式の因数分解 {a²+2ab+b²=(a+b)²} &  { $4x²+12xy+9y²=(2x+3y)²$ {a²-2ab+b²=(a-b)²} &  { $4x²-12xy+9y²=(2x-3y)²$ {a²-b²=(a+b)(a-b)}$   $4x²-9y²=(2x+3y)(2x-3y)$ {a³+3a²b+3ab²+b³}=(a+b)³}{a³-3a²b+3ab²-b³}{3次式}{1次式} {a³+b³}=(a+b)(a²-ab+b²) a³-b³] $[5]$\ [4]を一般化した因数分解公式 e}{a³+b³の一般化$:${${n}$が奇数のときに限って}$} {a³-b³の一般化$:${nが偶数でも奇数でも$} ~は中学範囲なので問題ないだろう. [3]は主に展開で使われる公式の逆だが,\ 公式の形であることに気付きにくいので演習が必要である. [4]において,\ {因数分解後のa² ab+b²は(実数範囲では)これ以上因数分解できない.} aの2次式とみて判別式を用いると,\ D=(b)²-4b²=-3b²<0\ だからである(数II}). 受験では[6]も覚えておくべきである.\ それぞれの具体例を示しておく. a⁵+b⁵=(a+b)(a⁴-a³b+a²b²-ab³+b⁴), x⁵+1=(x+1)(x⁴-x³+x²-x+1) a⁴-b⁴=(a-b)(a³+a²b+ab²+b³),    \ x⁴-1=(x-1)(x³+x²+x+1) nが偶数の場合はさらに因数分解できる. a³+a²b+ab²+b³=a²(a+b)+b²(a+b)=(a²+b²)(a+b) x³+x²+x+1=x²(x+1)+(x+1)=(x²+1)(x+1) よって a⁴-b⁴=(a-b)(a²+b²)(a+b), x⁴-1=(x-1)(x²+1)(x+1) ただし,\ n=4の場合は公式a²-b²=(a+b)(a-b)を用いると普通に因数分解できる. a⁴-b⁴=(a²+b²)(a²-b²)=(a²+b²)(a+b)(a-b) x⁴-1=(x²+1)(x²-1)=(x²+1)(x+1)(x-1) 一般化の公式は,\ 見方を変えれば{等比数列の和}(数 B:数列)である. 初項a,\ 公比r,\ 項数nの等比数列の和は {a(r^n-1)}{r-1}={a(1-r^n)}{1-r}\ (r1) 初項1,\ 公比-x,\ 項数n(=奇数)の場合 1-x+x²-+x^{n-1}={1-(-x)^n}{1-(-x)}={1+x^n}{1+x} ∵\ nが奇数のとき (-x)^n=(-1)^nx^n=-x^n (l} ∵は「なぜならば」を意味する数学記号で,\ 理由を後から説明しておきたいときに便利. ちなみに,\ は「よって」「ゆえに」「したがって」を意味する数学記号である. 記述試験で「よって」などと記述するのが面倒ならば,\ と書いておけばよい. ) 初項1,\ 公比x,\ 項数nの場合 1+x+x²++x^{n-1}={x^n-1}{x-1} 初項a^{n-1},\ 公比- ba,\ 項数n(=奇数)の場合 初項a^{n-1},\ 公比 ba,\ 項数nの場合 }次の式を因数分解せよ. ll} $x³+64$ & $125x³-27y³$ $x³+6x²+12x+8$ & $8x³-36x²y+54xy²-27y³$ $x³-2x²y+3xy²-6y³$     & $x³+2x²-4x-8$ ,\ 公式a³+b³=(a+b)(a²-ab+b²),a³-b³=(a-b)(a²+ab+b²)\ を適用する. 公式a³+3a²b+3ab²+b³=(a+b)³の形であることに気付けるかが勝負である. {3次の項と定数項が3乗の形であるとき,\ この公式の形ではないかと疑ってかかる}必要がある. x³と8=2³から公式の形では?と思って確認すると,\ a=x,\ b=2の場合だったわけである. {3次4項式の因数分解では,\ 共通因数ができるように2項ずつ組み合わせる方法}がある(別解). x³+8は公式a³+b³=(a+b)(a²-ab+b²)を適用している. ちなみに,\ 公式も使えず共通因数もできない場合,\ 因数定理(数II})という最終手段がある. 公式a³-3a²b+3ab²-b³=(a-b)³の形である. 6y³なので明らかに公式の形ではない.\ 共通因数ができるように2項ずつ組み合わせる. 2通りの組み合わせのどちらでも因数分解可能である. x³と8であるが,\ 確認すると公式の形ではない.\ どの組み合わせでも因数分解可能である.