
極Aや極Aの極線上の極Bを動かして見てください。極Aや極Bを円周上にもってくるとどうなるでしょう。ソフトの都合上、円周上に持ってくるときは円と座標軸との交点に持ってくると合わせやすいです。極Aを原点に持ってくると・・・。
点A$(5,\ 2)$から円\ $x^2+y^2=9$\ に引いた2本の接線の接点をそれぞれP,\ Qとする \\[.2zh] \hspace{.5zw}\phantom{(1)}\ \ とき,\ 直線PQの方程式\ $\ell$\ を求めよ. \\[1zh] \hspace{.5zw}(2)\ \ 直線\ $\ell$\ 上にあり,\ 円の外部にある点Bから円に引いた2本の接線の接点を通る直 \\[.2zh] \hspace{.5zw}\phantom{(1)}\ \ 線が,\ 点A$(5,\ 2)$を通ることを示せ. \\ 円に関する極と極線 2接点の座標を求めた後にその2点を通る直線を求めようとすると計算が大変である. \\[.2zh] 非常にうまい解法が知られているので,\ 習得しておく必要がある. \\[1zh] まず,\ 2つの接点をそれぞれ文字で設定し,\ 接線の方程式を作成する. \\[.2zh] 円x^2+y^2=r^2\,上の点(s,\ t)における接線の方程式は \bm{sx+ty=r^2} \\[1zh] さらに,\ 2つの接線が点\mathRM{A}(5,\ 2)を通るための条件を立式する. \\[.2zh] 5p_1+2p_2=9,\ 5q_1+2q_2=9は,\ 5x+2y=9に(p_1,\ p_2),\ (q_1,\ q_2)を代入した式である. \\[.2zh] これは,\ 直線5x+2y=9上に2点\text P(p_1,\ p_2),\ \text Q(q_1,\ q_2)があることを意味する. \\[.2zh] \bm{2点\mathRM{P,\ Q}を通る直線はただ1本であるから,\ 5x+2y=9が求める直線\,\ell\,}である. \\[1zh] 本問の根幹は,\ \bm{5p_1+2p_2=9という式のとらえ方が2通りある}ことにある. \\[.5zh] \bm{5p_1+2p_2=9\ \Longleftrightarrow\ 直線p_1x+p_2y=9上に点(5,\ 2)がある} 直線5x+2y=9上に点(p_1,\ p_2)がある} \\[.5zh] 5q_1+2q_2=9についても同様である. \\[.2zh] このような観点でとらえると,\ 本問の結果はほぼ自明である. \\[1zh] 本問の構図において,\ \bm{\textcolor{blue}{点\mathRM{Aを円に関する極,\ 直線PQ}を円に関する極線}}という. \\[1zh] 点\text Aを(x_1,\ y_1)として一般化すると,\ 円x^2+y^2=r^2\,の極\text Aに関する極線は x_1x+y_1y=r^2 \\[.2zh] ここで,\ 接点(x_1,\ y_1)における円x^2+y^2=r^2\,の接線の方程式は,\ x_1x+y_1y=r^2\,であった. \\[.2zh] よって,\ x_1x+y_1y=r^2\,の図形的意味をまとめると以下となる. 点(x_1,\ y_1)が円外にある\ \longrightarrow\ x_1x+y_1y=r^2\,は極線 \\[.2zh] 点(x_1,\ y_1)が円上にある\ \longrightarrow\ x_1x+y_1y=r^2\,は接線 点\mathRM{Bと接点S,\ Tをすべて文字で設定して処理していく.} \\[1zh] まず,\ 点\text Bが直線\,\ell\,上にある条件を立式すると,\ 5a+2b=9となる. \\[.2zh] 次に,\ \mathRM{直線ST}の方程式を(1)と同じ方法で求めると,\ ax+by=9となる. \\[.2zh] 5a+2b=9は,\ ax+by=9に(5,\ 2)を代入した式とみることもできる. \\[.2zh] これは,\ 直線\mathRM{ST}上に点\mathRM{A}があることを意味するわけである. \\[1zh] 本問の根幹は,\ \bm{5a+2b=9という式のとらえ方が2通りある}ことにある. \\[.5zh] \bm{5a+2b=9\ \Longleftrightarrow\ 直線5x+2y=9上に点(a,\ b)がある} \\[.2zh] \bm{\phantom{5a+2b=9}\ \Longleftrightarrow\ 直線ax+by=9上に点(5,\ 2)がある} \\[1zh] 本問は,\ \bm{\mathRM{\textcolor{blue}{極Aの極線がBを通るとき,\ 極Bの極線がAを通る}}}ことが背景にある(共役定理 点A$(1,2)$を通る直線$\ell$と円$C:x^2+y^2=9$との交点をP,\ Qとし,\ P,\ Qにおけ \\[.2zh] \hspace{.5zw}\phantom{(1)}\ \ る円$C$の接線をそれぞれ$\ell_1,\ \ell_2$とする.\ \ $\ell$が原点を通らないように動くとき, \\[.2zh] \hspace{.5zw}\phantom{(1)}\ \ 2直線$\ell_1$,\ $\ell_2$の交点の軌跡を求めよ. \\[1zh] \hspace{.5zw}(2)\ \ (1)の軌跡上の点Bを通り円Cに接する2本の接線の接点をS,\ Tとするとき, \\[.2zh] \hspace{.5zw}\phantom{(1)}\ \ 直線STが点Bによらず通る定点を求めよ. \\ (1)\ \ 軌跡は今後の学習内容だが,\ 極線のことなので本項でまとめて取り上げる. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ また,\ 本項では軌跡の求め方のみを端的に解説するに留める. \\[1zh] \phantom{(1)}\ \ \bm{軌跡上の動点を(X,\ Y)とおき,\ この点が満たすべき条件を立式すると,\ それが軌跡}である. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 与えられた条件は,\ \bm{直線\,\ell\,(直線\text{PQ})が点(1,\ 2)を通る}ことである. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 直線\,\ell\,は極\text Rに関する極線なので,\ 前問と同様にして求めることができる. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 後は点(1,\ 2)を通る条件を立式すると,\ 点\text R(X,\ Y)が描く軌跡の方程式となる. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ (X,\ Y)は,\ (x,\ y)として答えるのが普通である. \\[1zh] \phantom{(1)}\ \ 点\mathRM{A}を(x_1,\ y_1),\ 円の半径をrとして一般化すると,\ 軌跡の方程式はx_1x+y_1y=r^2\,となる. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 本問は,\ \bm{点(x_1,\ y_1)が円内にある場合のx_1x+y_1y=r^2\,}である. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ この時,\ \bm{x_1x+y_1y=r^2\,は点\text Aを通る弦の両端を接点とする2本の接線の交点の軌跡}を表す. \\[1zh] (2)\ \ まず,\ 点\text Bを文字で設定し,\ 直線x+2y=9上にある条件を立式する. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 直線\text{ST}は,\ 点\text Bに関する極線なので,\ 同様にして求めることができる. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ aを消去した後,\ bの値によらず等式が成立するような点(x,\ y)を求めればよい. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 要は,\ \bm{bについての恒等式}であるから,\ bで整理した後に係数比較する. \\[1zh] \phantom{(1)}\ \ 結局,\ \bm{\mathRM{極Aの極線がBを通るとき,\ 極Bの極線がAを通る(共役定理)}}が成り立つ.